2011年7月30日

パウル・クレー

竹橋の東京国立近代美術館での、パウル・クレー
「おわらないアトリエ」展に。

今月いっぱいです、あわてて行って来ました。
夏休み中で、会期終了がせまっていて、
午前中からたくさんの人々。

お友だちに「クレーをみてくるね」と話したら、
「それ、だぁれ?」と訊かれ、わたしの発音が、
いけなかったのかとおもって、
「クレー、パウル・クレー」と、もういちど。
それでも、知らないっていうのです、ほんとうでした。

自分の知ってるもの、好きなものは、みんなも
知ってる、好きなんておもったら、おおまちがいです。
でも、このことは、ときどきすーっと忘れてしまいます。

そのお友だち、まわりの8人に訊いてみたけど、
知ってるひとはひとりだけだったよと。
そんなものなんでしょうね…とおもいつつ、
わたしは元気に行ってきました。

今回の展示では、クレーの作品はどんなふうに
つくられているのか、ということが詳しく
説明されていて、それはわかりやすかったです。

わたしは、それよりただ、ただ、絵をみることが
すきなので、素敵、いいなぁとおもった絵のまえでは、
ゆっくりしています。自分の作品の技法を、きちんと
記録に残すクレーの性格が、少しわかったような。

混んでいて、説明の文字はあまり追えなかったのですが、
ネットのクレー情報がとても充実していることに
驚きました、ありがたいです。

今回の展示のスペシャルサイト
日本パウル・クレー協会

2011年7月27日

話(「下北沢 WEEKDAY A.M.」)

学生時代のおともだち、ロコと、下北沢で
お茶の時間を持ちました。こどもたちが、
予備校や塾に通っている朝10時の待ち合わせ。

この時間の下北沢は、とっても静かです。
10時に開いているお店は少なくて、まずは
スターバックスへ。

ロコとは、おなじ教育学科で、教育実習も
中野区のおなじ小学校でした。そして、夫の
転勤でのニューヨーク滞在もおなじ時期で、
おもいでがいっぱい。

こどもがいないときは、夕方になるとよく
テニスをしたし、車であちこち出かけました。
娘を出産したときには、病院にも毎日のように
来てくれたし、退院してからのお食事まで
作ってもらいました。

久しぶりに会ったのですが、それぞれが"素"に
戻れるねって。

ロコは元スチュワーデスで、根っからの働き者です。
もう家事はいい…早く外で働きたーい、でも
こどもがまだ小学生だし…と云ってます。わたしは、
えーっ、ずーっと家にいるのがすきなのに…
仕事してるなんてーと、それぞれストレスあり。

でも、こうして日頃のおもいをぶつけられる
相手がいると、また明日から元気に過ごせます。
またときどき会おうねって。自転車でも行き来
できる距離に住んでいるんですものね。

2011年7月25日

宇野亜喜良さん

私の未明展」、恵比寿の「ギャラリーまぁる」にて
宇野亜喜良さんと山下以登さんのトークショー。
いつもお元気な宇野さん、連日の暑さとお仕事の
多さで、夏ばてしてしまったかしら、急遽
お休みされました。

小川未明の作品は短編が多く、約1000作品も
あるそうです。宇野さんが選ばれたのは
「赤い蝋燭と人魚」。

かわいいけれど、寂しげな表情の女の子、
宇野さんの描く少女の特徴がはっきり
あらわれていて、隣に赤い蝋燭。

宇野さん、小川未明はすきじゃないって
おっしゃりながら、描くとなったら、その作品に
たーっぷり愛を注がれます。

「赤い蝋燭と人魚」には思いも深く、サンリオ出版から
絵本もかつて出されています。現在では、
手に入りにくく、高値がついているでしょうね。

宇野さんにまつわる展覧会、今週「SPACE YUI」で
始まります。たくさんのイラストレーターが、
宇野さんの絵にコラージュ。こちらも、とても
たのしみにしています。

2011年7月24日

話(「年の差婚の正体」)

マーケティングライター、牛窪恵さんの
【年の差婚】の正体~なぜ同世代に惹かれないのか~」の
出版記念のパーティーに、お友だちに
誘っていただきました。

とーっても楽しみにしていたのに、台風の影響でなく、
家庭内台風?のため参加できなくて、残念。

"年の差婚"できる人のヒミツって、ちょっと
聞いてみたかったです。「若い男が幼くて
物足りないから、女性は年上の男性を
求めるんじゃないの?」とお友だち。

「あら、四十、五十の男がいつまでも
こどもっぽいから、年下の女性に流れるのよ」と
わたし。そうかもね、なるほどねって云いながら、
話は弾みました。

年の差恋愛こそしたことあるけど、年の差結婚は
未経験だから、わかりません。年の差って、
なかよくしているときには、どうでもいいほど
感じなくて、なにかもめはじめると、やっぱり
世代が違うからねぇって、都合よくおもったり。

わたし自身は、相手が女性でも男性でも"年"を
意識しないほうです。年上でも、年下でもなぜか
とてもしっかりしたひとに惹かれます。
気が合えばそれがいちばん。まずは、この本を
読んでみることにします。

2011年7月19日

2011年夏眺号 No.15

詩とファンタジー」、3月の大震災で、
春の号はお休みさせていただきましたが、
ほぼ、完成していましたので、投稿詩は
そのまま"春"をうたった詩を掲載しています。

夏の15号は「手のひらを太陽に」誕生50年
やなせたかし先生の大特集です。
やなせ先生の書き下ろし作品、
戸田恵子さんとの対談と、おたのしみください。

やなせ先生の"編集前詩"をご紹介します。
ぜひ本屋さんに行って、巻頭にある美しい
イラストレーションのページをご覧くださいね。

うすくれないの桃の花
ほころびそめた
東北の浅い春
牡鹿半島は
ねむくなるほど
うららかに美しかった
そして
リアス式の
三陸海岸
おだやかな湾に
抱きしめられた
可憐な港町
それらが
一瞬のうちに
悪夢の中に消えた
こんな時
ぼくはどうすればいいのか
こんな本は
ひときれのパンより
役だたない
ところであなたは?

2011年7月18日

話(「智恵ちゃん」)

「このごろ、よくおともだちに会うねぇ」と娘。
「そうね、みんなこどもが大きくなって、
時間ができたからかなぁ」とわたし。

こんな日は、ずーっと先のことのように思って
いましたが、この勢いで娘は、あっというまに
いずれ二十歳になるのでしょうね。

智恵ちゃんとも、数年に一度会えればしあわせ、
という感じでしたが、いまでは、ちょっと
珈琲飲みましょう、おしゃべりしましょうと、
誘い合えます。

二十代、わたしが結婚したばかりで、ニューヨークで
暮らしていたとき、智恵ちゃんはご夫妻で、
クリスマスシーズンに遊びに来てくれました。

ひとつのスーツケース、すべてがわたしへの
クリスマスプレゼント、本が何十冊入って
いたのでしょう、それはそれは感激しました。

あのころ、ネットで本を購入なんてありません
でしたから。マンハッタンの紀伊国屋書店では、
高かったし、読みたい本が揃っているわけでも
ありませんでした。

一冊ずつきれいに包まれた本のプレゼント、それも
大きなスーツケースにいーっぱい、一生忘れません、
智恵ちゃんのようにわたしも心に残るプレゼントを
したいです。

2011年7月16日

話(「石井睦美さん」)

石井睦美さんのご本は読んでいたけれど、
メールでのやりとりで、おしゃべりも
していたけれど、ご本人にお会いするのは、
きょうがはじめて。改札口で、どきどきしながら
待っていました。

お互いの住まいの真ん中、下北沢のイタリアン
レストランで。駅からとても近いのに、
静かな佇まいでとびきり美味しいお店。

石井睦美さんのご本、たーくさんありますが…
今年の日本児童文学者協会賞ご受賞の
皿と紙ひこうき」。舞台は大分県の日田市、
焼き物の里の小鹿田(おんた)。

わたしのとても親しくしていたひとの、故郷が
日田でした。その彼の案内で、日田の町も
小鹿田(おんた)の里も訪れたことがあるので、
風景がぱーっと広がりました。
一面にきんぽうげが咲いていたなぁ…。

故郷に住み続けるひとと、故郷を出て行くひとと、
どちらにも複雑な思いがあって、人生の中での
出会いが描かれています。

ヤングアダルト向けの一冊になってはいますが、
おとなが読めば更に深く楽しむことができます。
過ぎてしまったあの頃への思いが、いろいろ
ありますから、登場人物のあのひとにも、
このひとにも気持ちが重なるのです。

ご本のお話だけではありませんでしたが、
出会いに感謝しながら、お店も移りながら、
6時間のおしゃべり、おんな同士ならではでした。

2011年7月12日

小川かなこさん










荻窪「6次元」のギャラリーで、小川かなこさんの
個展「Pool」でした。4日間だけの開催、
もっと長くというお声もいっぱいあったそうです。

開催中は、毎日その場所にいたいと思うと、
この期間が精一杯で、と、かなこさん。

かなこさんの絵を見に、かなこさんに会いにみえる
方々で、きょうの「6次元」もたくさんのひとで、
あふれていました。

赤・緑・青・黄色、かなこさんの色は、夏に向かって
溌剌としています。古風でもあり、現代的でもある
女性が、その色に負けない表情の、意思をもって
存在しています。

とても暑い日で、アイス珈琲をお願いしました。
お抹茶茶碗にカラコロ氷の音がして、両手で
ぐっと、いただきました。ストローでなく、
こうしていただくのも、いいかんじ。

イラストレーター、カメラマン、ジュエリー作家と
「6次元」では、いろんな方に出会えます。
そして初めてなのに、すっとお話できる
雰囲気を持った方々が集まり、
とてもすてきな場所になっています。

2011年7月8日

話(「智恵ちゃん」)

智恵ちゃんは、むかしむかし内幸町での、
新卒OL時代の同期のお友だちです。

智恵ちゃんは早くに結婚していましたが、
それでも独身の仲間といっしょに、遊んで
くれました。

バブリーな時代でしたから、銀座でのディナーも
よくあって、そのあとに二次会、そして月島に
住んでいる智恵邸にお泊りでした。

智恵ちゃんのご主人さまは、広告代理店に
勤務されていて、明け方帰ってきます。
「はい、おみやげー」と折り詰めのお寿司の
おみやげ、妙な時間にパクパク食べました。
あのころ、みんな体力あって元気でしたねぇ。

わたしが退職するとき、智恵ちゃんと京都旅行を
しました。なぜかわたしの父もいっしょ。いま
おもうと、とても不思議。タクシーで観光できるし、
おいしいもの食べられるし、まぁいいか、
だったのかしら。

そんな3人での旅行のおもいでもあって、
きょうは横浜で、その3人でランチ。

智恵ちゃんは時代小説、時代劇にくわしくて、
わたしの父とも話を合わせてくれます。
わたしは、ぽかんとしているだけで、智恵ちゃんに
お任せ。ランチのあと、珈琲専門店でも、
にぎやかにおしゃべりする3人でした。

話が弾むって、とてもしあわせ。次回は、
もんじゃ焼きの月島に、ぜひ行きますね。

2011年7月7日

話(「安西水丸さん」 )

青山の老舗書店「山陽堂」さん。谷内六郎さんの絵が、
建物の壁面に描かれているといえば、あっ、あそこね、
と思い浮かぶのではないでしょうか。









その「山陽堂」さんが新しくなって、ギャラリーも
できました。木の香りのする空間で、安西水丸さんの
「幻のシルク」個展です。

幻のシルクスクリーンが、ふたつのフロアーにいっぱい。
水丸さんのお気に入りの作品ばかりです。

見たもの、想像したものが、水丸さんの線で軽やかに
描かれて、このシンプルでおしゃれで、かっこよくて
かわいい線に、あこがれます。

7月になったばかりの表参道、わぁーっとひとが
あふれていました。暑いけれど、外を歩きたくなります。
できれば、ソフトクリームを食べながらとか、仲良しと
おしゃべりしながらとか。

きょうはこのほかにもふたつの展覧会をまわったので、
大急ぎの早歩き。オープニングパーティーでいただいた
ビールで、真っ赤になって、また帰り道を急ぎました。

もっとゆったり時間を使わないと、汗ばっかりかいて
しまいますね。