2011年8月14日

話(「おまえ」「あなた」)

おともだちの智恵ちゃんと、表参道でお茶、
そしてお夕食をしました。

わたしたちは、おんなふたりですが、まわりは
男女ばかり。それも、わたしたちより、
年上のかんじのおふたり連れ。

向かい側のお席に、たのしそうなおふたり、
ちらっちらっとみてしまいます。満面の微笑を
絶やさずに会話しているから、あのおふたりは、
ご夫婦ではないわよねと、勝手なことを
言い合って。

むこうのおふたりは、なんだかとっても
つまらなそう。淡々とそれぞれがお箸を
動かしている、落ち着いているといえばそう、
ああいう感じが、ごくふつうのご夫婦ねと
言ったり。

男のひとは「おまえ」って呼んでいるわ、
そして女のひとは「あなた」って。
「おまえ」なんて呼ばれるのいやよねぇ…と
智恵ちゃん。実は、わたしはそんなに
いやではなくて、黙ってしまいました。

若い頃は「おまえ」なんて呼ばれると、とても
親しくなったみたいで、うれしかったけどね、と
智恵ちゃんの話は続きます。

さて、智恵ちゃんはお家では、なんて
呼ばれているのでしょう。ふふふ。

2011年8月12日

宇野亜喜良さん










「伯爵令嬢小鷹狩掬子の七つの大罪」プレビュー公演。
下北沢の劇場「ザ・スズナリ」。

今回は、寺島しのぶさんのご出演もあり、チケットは
即日完売。なんとか手にしたチケット、最前列で
観て来ました。

首に白いタオルをひっかけて、黒いTシャツ、
黒いパンツの宇野亜喜良さん。「最後、舞台に
水を流すんだけど、それがどうなるか心配で…」と。
「ザ・スズナリ」、熱気でいっぱい、通路も
補助席で埋まっています。

「僕が自由に物語を書き足しても、寺山さん、
僕ならゆるしてくれると思うから、今回もね…」と
宇野さんのお話を聞いて、始まる前からどきどきです。

劇中に、宇野さんのお人形が静かに、登場します。
女優さんに負けない力を発揮するのです、もう
釘付けです。そして人形遣いの方のみえない存在感。

舞台は最後、ほんとうに水浸しになりました。
そこに月が映るのです。誰もいなくなって舞台に
月だけが…。この余韻の美しさ、これが
ほんとうに素敵です。

パンフレットには、寺山修司のミニ詩集特集。
寺山さんの装丁を、なんと47冊も手がけられた
宇野さんの絵とともに、寝る前に、ゆっくり読みます。

2011年8月11日

内田新哉さん










表参道の「ギャラリーコンセプト21」で、
今年は真夏の水彩原画展「少年と夏の草道」
内田新哉さん。

Tシャツにジーンズ…の内田さんは、10年前から、
いえいえ20年前から、少しもかわっていないのです。

表参道の会場には、ひまわりのアレンジメントが
あちこちに飾られ、内田さんの絵の雰囲気に、
ぴったり合っています。

内田さんは、笑顔も声もことばも、ほんとうに
優しくて、いつも内田さんのまわりには、
ファンの方々がいっぱい。

ギャラリーの端には、桜の季節を描いた絵もあり、
内田さんの絵には欠かせない自転車、そして
学生鞄が置かれていて…その皮のぺったんこの
学生鞄のなつかしいこと。いつのまにか、
見ることがなくなりました。男子の白い布製の、
肩掛け鞄も同じようになつかしいです。

名古屋にお住まいの内田さん、こうして毎年
東京で個展を開いてくださるので、一年に一度は
お会いして、お話しできます。

「詩とメルヘン」でデビューされた内田さんの
ご活躍の世界は、とても広くなっています。
「詩とファンタジー」でも、たびたびお世話に
なっていて、毎回快く描いてくださいます。
続いてよかったですねぇ…としみじみした
おことばをいただきました。

2011年8月10日

島村洋二郎










37歳の生涯の島村洋二郎「青い光」遺作展へ。
「キッド・アイラック・アート・ホール」。

洋二郎の姪御さんの島村直子さんが、ギャラリーに
いらして、絵のこと、人生のこと、お話をして
くださいました。

最初の結婚、2回目の結婚とも、うまくゆかず、
おふたりのお子さんはアメリカ人に引き取って
もらったこと。

貧しくて油絵が描けずに、パステルを選んだこと、
死の直前まで飢餓状態であったことなどなど、
なんてお気の毒と思います。

でも、叔父のおもいでは、ほとんどないのだけれど、
叔父の絵がだいすきという、直子さんのおかげで、
島村洋二郎作品はこうしていまも、遺作展が開かれる
しあわせに恵まれています。

直子さんが洲之内徹さんに、洋二郎さんの絵を
みていただこうと、銀座の画廊の持ち込まれた
ときのお話など、感動します。愛するひとの力に
よって、作品は生き続けるのですね。

展覧会場の硝子ケースの中の詩画集
スティーヴンスンの「童謡の花園」、直子さんが
そっとだしてきてくださって、掌にとって
みることができました。この時代の挿絵、
とてもすてきです、1940年代。

展覧会はもう終わりですが、ぜひ画集なとで
島村洋二郎作品をみてください。

2011年8月9日

牧野鈴子さん










牧野鈴子さんの、池袋の東武デパートでの絵画展。
「A MID―NIGHT'S DREAM 第6回」
1970年代の作品から、新作まで。

おしゃれな牧野さんが、会場で笑顔で迎えて
くださいました。「詩とメルヘン」の大大大先輩の
牧野さん、いつお会いしても気さくです。

えーっ、こんなに素敵なフクロウのリングが
300円!と、かっこいいお洋服やアクセサリーを、
びっくりするほどのお値段で発見されていて、
毎回のたのしみです。

「マッチ売りの少女」の絵本、少女のあこがれる
世界の透明さが、少女の絵の背景に美しく
描かれています。

こちらの絵本は、市販されていなくて、漢字に
ふりがなもなく、あら、どうしてかしらと
お訊ねすると、「石井式国語教育研究会」の
教材でした。

「はこちゃんのおひなさま」
「海をわたったヒロシマの人形」
共に戦争にまつわるお話、牧野さんが
絵を描かれています。

「はこちゃんのおひなさま」のときには、お兄様との
お別れ、「海をわたったヒロシマの人形」のときには、
15年暮らした愛犬との別れが重なってしまい
ましたが、悲しみに浸る間もなく、お仕事に
没頭されたそうです。

どちらも読み終えて、じーんと胸に手を当てて
いたくなる絵本です。原画も、絵本もどちらも
すばらしいです。

2011年8月8日

やなせたかし先生

「詩とファンタジー」では、毎号"対談"を行っています。
発売中の今号は、戸田恵子さん。

次号の対談も、曙橋の「やなせスタジオ」で
楽しく終えました。やなせ先生は、秋の号なら
このシャツがぴったりでしょうと、シックな装いで。

そして、対談のお相手は漫画家の西原理恵子さん。
おふたりとも、高知県のご出身。ほんぽん、ひやひや
するような本音トークは、気持ちよくて、きっと
誌面でもそのままを、お伝えできるとおもいます。

やなせ先生は、西原さんの吉祥寺の豪華なお家、
スタジオに、ぜひ行ってみたい、とお元気です。

それもそのはず、2年間で10回も入院されていた
やなせ先生ですが、病気は完治しました、もう
病院には遊びに来ていただくだけでオッケーです、
というドクターのことばに、それはそれは
うれしかったとのこと。

対談のお相手は、やなせ先生ご自身のリクエストです。
いつも女性ばっかり…とわたしたちは、くすくすと
笑っています。お写真を撮るときなど、女性となら、
ぴったり寄り添った一枚になりますものね。

さぁて、次号の特集はどうするか…といつも
アイディアをくださいます。そして
「詩とファンタジー」を東北に5000部ほど
プレゼント、これからもそれは続けていきます。

「詩とファンタジー」では、特別のページを設けて、
東北にお住まいの方々の詩を募集中です。
ぜひ、そのページに絵を描かせてくださいという、
イラストレーターさんもいらっしゃって、
次号の準備は、すすんでいます。

2011年8月4日

「星くず朗読会」 シリーズ6

ちょうど1ヶ月後・・・

「星くず朗読会」
シリーズ6は
今までとは
少し違った
内容で
お届けします。

詳細は上記の画像↑をクリック!
みなさまのご来場、お待ちしております。

ご予約はコチラ→ stardustreadings@gmail.com

日時:
2011年9月4日(日) 15:00~16:30

場所:
(京王線・京王井の頭線「明大前」駅 徒歩2分)
世田谷区 松原2-43-11    03-3322-5564

入場料:
2000円(コーヒー・クッキー付き)
定員20名

「クリップ」52号

「薔薇」

薔薇のうたが
垣根越しに
聴こえてくる

光をしたがえ
雨をしたがえ

わたしも
立ち止まって


「クリップ」51号の巻頭詩に、noaさんが
絵を描いてくださいました。
とってもうれしいです、
どうもありがとうございます。

そして、「クリップ」52号ができあがりました。
今回の巻頭詩は「ノウゼンカズラ」
クリップに寄せてのエッセイは、内田麟太郎さんに
いただきました。こちらもどうぞおたのしみに。

よろしくおねがいいたします。

2011年8月3日

話(「神保町 ふたつのオードリー」)

高校時代の同級生との、定例夜のお食事会、
7月篇です。

神保町の「鴻」での待ち合わせにしました。
それぞれ時間通りに着いたのに、あっ、まだ
来ていないとおもって電話。

「お店の真ん前にいるよ」
「えっ、わたしも真ん前にいるけど…」
ちょっと斜めかなぁとおもったりして、
くるりと見渡してみてもいません。

三省堂の近くの「鴻」ね、と云ったけれど、
おもえばおかしい…。ちょっと場所が不確かだから、
早めに行くねということば、聞き流しましたが、
大通りに面して、ちっともわかりにくいところでは
ありません、わたしの「鴻」は。

「スープカレーのお店よね」というわたしに
「飲み処だよ」って。これはますますおかしい、
「鴻」、おなじ方の経営でふたつのお店が
あったわけです。レトロな雰囲気は共通してます。

三省堂の前まで行って、無事に会えました。
今回は飲み処さんの「鴻」へ、家庭的なお料理が
美味しくて、何より居心地がとてもよくて、
80年代の音楽がずーっとかかっているところが、
またよくて。

待ち合わせの段階で、笑ってしまって、それから
ほとんど笑ってました。音楽がわたしたちを、
高校時代に引き戻してしまった、ということに
しておきます。

2011年8月2日

横田沙夜さん

「ビリケンギャラリー」で、横田沙夜さんの個展
「兎頭のささやき」開催中です。

横田さんにはじめてお会いしたのは、吉祥寺。
舟崎克彦さんの、大学での教え子さんで、
卒業されたばかりの頃だったでしょうか、
ご紹介していただき、絵をみせていただきました。

今回の展示では、"兎頭"を被った少女の水彩画が
並んでいます。少女の顔、目にとても特徴があって、
しあわせに満ちながら、寂しさを湛えたような表情。
不安そうな少女に、手を貸そうとすると、結構です
と、ぴしゃりと云われそうにもみえます。

背景を丁寧に描き込んだ絵より、少女に焦点を
絞って描いたもののほうが、人気があるようです。
この絵は、どんな方が買われたのかしら、と
そんな興味もわきます。

"兎頭"を被って、さらにそのうえに紙風船を
のせた絵、横田さん、実は村山槐多がだいすきで、
槐多の紙風船の絵をおもって、この一枚を
描いたそうです。

硝子ケースの中には、小さな小さな絵も飾られています。
横田さんも、その絵の少女のように、可憐です。
横田さんの在廊日に、ぜひ「ビリケンギャラリー」に
遊びにいらしてくださいね。