ゆっくり読むことを楽しみにしていた
東直子さんのエッセイ集「耳うらの星」。
大地震からの一週間に、ひとつのお話、
またひとつのお話と、刻まれた落ち着かない
時間に、それでもそのときだけは温かい
お紅茶をいただくような気持ちで読みました。
東さんも、こどもの頃よくお引越しを
されたんだ…。とても大きな共通点に、
ぷるぷると心がうれしく震えました。
小学校も中学校も、何度か転校をしました。
単身赴任などは、ありえないという
父だったのかしら。
転校してゆくのは、さみしいことだけれど、
さよならと手を振りながら、これからの
新しい生活にわくわくしてくるのも、
本当でした。
東さんが、こどもの頃の風景を描かれた
お話は特に、こども時代のわたしに再会する
ようで、自分では決して思い出さないような
ことを、運んできてもらえました。
独りの夜にそっと開きたくなる網中いづるさんの
赤いタイツの少女、の装丁の一冊には短歌や
短歌にまつわるお話も、挿まれています。
東さんの朗読を、ききにいく予定でしたが、
この時期ですから中止。被災地の方々にも、
まわりのわたしたちにも心おだやかに暮らせる
日々が訪れますように、祈ります。
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