話(「終戦記念日」)
美容師の山田さんに「終戦記念日ですね」と
後ろから話しかけられました。そうです、
8月15日。
「終戦記念日だね」と朝、娘にわたしも
話しかけたのですが、「そうだね」で
終わってしまったことを、山田さんに
伝えました。
わたしがこどもの頃は、父や母がもっともっと
戦争の話をしてくれたのに、わたしは何にも、
娘に話せなくて、心残りでもやもやしていると。
山田さんは、わたしよりずっと若いのですが、
ご両親は同年代。やっぱりご両親からは、
戦争の話、よく聞いていたと言います。
父も母も、戦争中は、まだこどもでした。
こどもだからこそ、記憶していることを、
繰り返し話してくれました。
食パンが食べたくて、食パンの絵ばかり
描いていたこと。家にあった着物やお雛様は、
みんな米軍に売ってしまったこと。家族と
離れないで暮らしていたから、それでも
幸せであったこと。
あぁ、父に電話くらいすればよかったなぁと、
夜中になっておもいました。
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