2012年3月31日

スドウピウさん


スドウピウさんの「春の小品展」へ。スドウさん
ご自身が、春のひだまりのような方です。

暖かくなり、空も青く、休日の銀座はにぎやか。
文房具専門店「伊東屋」も、新学期を迎えるための
商品がいろいろで、混雑していました。

8階のギャラリーで、小さな額の中の動物や女の子を、
からだをぐーっと近づけて見てきました。

青い芯のシャープペンシルで描かれているそうです。
0.5ミリの。青い芯は弱くて、すぐに折れてしまうと。
薄い少しくすんだ色の紙、くしゃっとなったり、
破れてしまうこともあるそうです。そのときには、
ああっと思いながら、描きなおし!と教えて
くださいました。

色鉛筆の芯をとがらせて、きれいなピンクで
背景が塗ってあります。3回くらい繰り返し塗ると、
色紙のようにきれいになるそうです。

春の作品、お花の絵もいろんな種類がありました。
色は、ほとんど2色なのですが、こんなに
暖かく感じるのは、スドウさんの気持ちが、
春なのですね。

2012年3月30日

話(「ジュンク堂の兼森さん」)

いよいよ新宿の「ジュンク堂書店」、今月末で
クローズです。「ジュンク堂書店」だけでなく、
三越アルコット店」のビル内のお店がそれぞれ、
閉店に向けての少しさみしい活気に満ちています。

8階の児童書売り場に、向かいました。担当の
兼森さん、ちょうどいらっしゃって長めの立ち話を。

7年間、兼森さんはここの売り場で、児童書の紹介に
力を注いでいらっしゃって、そのお仕事を
振り返るように、数々の絵本が並べられていました。

一冊一冊に、兼森さんから作者に向けてのメッセージが、
直筆で添えられています。その場にいると、胸が
いっぱいになってきます。

今月は、出版社の方や、作者の方、お客さまも
たくさん訪ねていらして、にぎやかでうれしいと。
4月になって、ぐっとさみしさを感じそうですと
兼森さん。

きっとまた、児童書の新しい売り場で、兼森さんの
笑顔にお会いできるでしょう。

2012年3月29日

話(「横浜」)

父も横浜暮らし、単身赴任でいまは大阪にいる
弟ファミリーも横浜暮らし、親戚の集まりがあれば、
わたしも横浜に出向きます。今回は、娘の
大学合格祝いのお食事会、そして母のお墓参り。

娘や従妹たちの成長ぶり、ここまで母は
立ち会えなくて、残念だったねぇと、
大勢でお墓まで。

みんなで向かうと、しんみりすることは
ひとつもなくて、こうして元気にしあわせに
してるからねと、母に報告。

父は「孫の結婚式まで、見届けるのは無理だな」と
いうのが最近の口癖。父の独り暮らしの家で
解散しますが、最後のお茶をそこでまた。
それからが長かったりするのです。

近所のケーキやさんで、ガラスケースに
並んでいるケーキ、あらゆる種類を弟が買います。
人数分など関係ないようで、おおきな紙箱に
いーっぱい。ひとり二つか、三ついただいて、
満足満足。

親戚集合の号令をかけるのは、いつも弟です。
次のイベントはなんでしょうか?

2012年3月28日

話(「音楽会」)

お友だちの瞳さんに誘われて、クラシック
コンサートへ。

大友直人さん指揮の新日本フィルハーモニー
交響楽団。イタリアのオペラと、イタリアの
地にちなんだ数々の曲を。

「いい音、いい声、こころがのびのびするねぇ」
「気持ちいいねぇ…ホンモノいいねぇ」有名な曲、
聴き慣れた曲は、すーっと耳に入ってきて、
その馴染み方がとてもいいです。

終わってから、ケーキと珈琲、そしておしゃべりを。
話す声まで澄んでくるように感じます。

瞳さんのお嬢さんが就職活動中で、その厳しさを
知ると、受ける会社は、どこまでもウェルカムだった、
わたしたちの時代は、何も苦労がなかったのねぇと。

どの時代でも、前向きに楽しく生きるひとがいいね、
自分の人生を、気持ちの持ちようで、楽しく
しないとね、と"楽しく"が今日のキーワードでした。

2012年3月27日

話(「お花紙」)

お花紙といえば、すぐに桃色が思い浮かびますが、
とーってもたくさんの色があるのですね。

わたしが幼稚園の時、先生がつくって
くださったお花紙のお花を、右手、左手、
それぞれ中指にゴムで留めて、みんなで
くるくる踊った記憶があります。

そういえば、運動会のときにも飾りとして、
紅白のお花があったかなぁという
ぼんやりとした記憶も。

今年は、そのお花紙で何十個もの桜の花を、
つくってみました。おなじことを、繰り返す
作業がすきです。なにも考えずにひたすら、
ひと花、ひと花咲かせてゆく…。
指先を湿らせて、ふんわり花びらを開いて。

催しが終わると、お花紙の桜は用済みとなり、
捨てられるのですが、それもまたよし。
ほんとうの桜のように、潔く散って、また来年。

2012年3月26日

話(「同級生のねこちゃん」)

ねこちゃんは、高校時代の同級生です。
わたしの旧姓は「たかはし」、ねこちゃんの
旧姓は「たけだ」。あいうえお順に
教室の座席が決まっていて、席が前後でした。

はじめてお話ししたのは、入学式の日って
いうことになるのかしら。卒業後は
なかよしグループみんなで会うことが
ほとんどで、ふたりで…ということは
なかったのです。今回は、ふたりきり。

ねこちゃんのお家で、いちごやケーキを
いただきながら、えっ知らなかったわ
というお話、いっぱいできました。

駅まで迎えにきてもらい、帰りも送って
もらいました。そのときも、ずーっと
おしゃべりをしながら。

「ねぇこれ見て!」と地面を指されて、
すごい段差にびっくり。1年前の大震災で、
ここまで地面が沈んでしまったとは。
ビルの入口の玄関口の地面が、どすーんと
広範囲に渡って低くなってます。

応急処置はされているのですが、そのままです。
驚いたのは、1年が過ぎてもそのままの
状態ということ。住民の意見がそれぞれで、
工事がすすまないそうです。

「まぁ住んでいられるから、いいけどね」と
ねこちゃんは、あきらめたような声でした。
1年はあっというまですが、何事も
思うようにはすすまないものです。

2012年3月14日

話(「福岡の和菓子」)

福岡に住むおともだちから、和菓子が
贈られてきました。ピアニストの彼女の、
欅の美しい町、赤坂に、もうずいぶん前に
遊びに行ったことがあります。

でも、ここ数年は会っていません。猛烈に
忙しくお仕事をしている彼女なのです。

「淳子さん、あみちゃんが高校を卒業
するまでは、がんばるのよ」といままで、
何度も云われてきました。ひとつひとつ
山を乗り越えるのに、いつも遠くから
励ましてくれる友です。

娘の卒業のお祝いに届いたお菓子ですが、
宛名は淳子さま・あみさま。半分ずつ
なかよくいただきますね。

一時アンティークカップ集めに、夢中に
なっていました。その中からひとつ選んで、
お茶の時間をゆっくりと。

卒業式は、3月22日。それまでしっかり、
友のことばを思い出しながら過ごします。

2012年3月13日

CLIP DANCE

梅川紀美子さん、雑誌「詩とメルヘン」を通じて
出会ったお友だちです。詩集「CLIP」を読んで
くださっている梅川さん、今回こんな素敵な
イラストレーションを描いてくださいました。

動きます…どうぞみてくださいね。
梅川さん、パソコンにはとても詳しいのです。
どんなふうにして、こうして出来上がったのか、
どんなに説明をされても、わたしには解りません。

「CLIP」56冊分を読みながら、梅川さんが
すきな作品を選び、「いまつくっています…
ここまでできました」と連絡をいただいている
うちに、完成していました。

「CLIP」の詩が、イラストレーションと共に
楽しく踊り始める…「CLIP DANCE」と
このコラボレーションは名づけられました。
どうぞ、みにいらしてくださいね。

001「夜」


002「女」


003「火」


004「石」


005「裁く」

2012年3月11日

小池アミイゴさん










小池アミイゴさんの個展「東日本」SPACE YUI」にて。

ギャラリーには、たくさんの野の花が咲いていました。
笑顔の花もいっぱいでした。

「3・11後の東日本に在って、ボクができることは、
ボクが美しいと感じたものを、描くことなんだと
思いました。」アミイゴさんのことばです。

暮らしていて、美しい!と感じるときのしあわせ、
それがなかったらどんなにかつらいことか。
書いたり、描いたり、伝えたり…。仲間に出会うと
うれしい。

アミイゴさんの風景画も、人物画も、美しいと
感じたものが表現されていて、海の灯台も、
畑の中の家も、働くひとの姿も一見寂しくみえても、
生き生きしています。

この美しさは、あしたに続いています、という力強さ。

3・11の日曜日も、ギャラリーは開いています、
きっとアミイゴさんも、そこにいらっしゃる
ことでしょう。どうぞ、おでかけくだいね。

2012年3月10日

高部晴市さん








高部晴市さんの絵本「おひさん」の原画展
ピンポイントギャラリー」でみてきました。

高部さんのスタートは、イラストレーターです。
自作の絵本を持ち込んでいた頃は、なかなか
それが実現しなくてがっかりしたことも
あったそうです。

架空社」との出会いがあって、
ひとりの編集者との出会いがあって、
初めて絵本が出来上がり、それからは
また一冊、また一冊と続いて。

絵本作家の長新太さんとは、長年お手紙の
やりとりをされていて、どんなにか励まされたこと。
はじめての絵本を、長さんが新聞の書評で、
とてもほめてくださって、うれしかったことなど、
お話ししてくださいました。

いろいろな方の意見をきくことも大切だけど、
それよりももっと大切なのは、確かな自分の
気持ちなんだなぁと思いました。

おひさん」は絵もたのしいけれど、お話も
"おひさん"がどこかお茶目で素敵です。

高部さんの名刺には、イラストレーターでも、
絵本作家でもなく、「画耕 高部晴市」と
記されています、絵をみているとほんと、
ぴったりです。

2012年3月9日

「星くず朗読会」シリーズ8

川浦良枝さんをお招きしての朗読会
川浦さんの優しいお人柄のおかげで、
ほんわりたのしく、みなさんとの
ひとときを過ごせました。

川浦さん「詩とファンタジー」の19号では
「ポスト」という詩に、絵を描いて
くださいました。そして、その詩を朗読、
ありがとうございます。

作者の関根裕治さんも、いらしてくださって、
それはそれは、喜んんでいらっしゃいました。
誌面上の詩と絵の出会いから、ぐっと
近づいたかんじです。

川浦さんのチャリティー原画も、壁に飾って、
ケーキをいただきながらのおしゃべりも
たのしかったです。

お手伝いしてくださったもみなさま、
いらしてくださったお客さま、
どうもありがとうございます。

2012年3月7日

話(「あみ 18歳」)

娘の18歳のお誕生日、今年はお家でなく、
近所のビストロのランチへ。夜のほうが
落ち着くのですが、ふたりの都合が
どうしても合わなくて。

予約のときに、ケーキだけはディナータイムの
豪華版でお願いしてました。飴細工でおおわれた、
すてきなケーキ。真っ赤なプレートに、
チョコレートで名前も入っています。

「お誕生日なんて、もうそんなにうれしくないよ」
なんてクールに云ってる娘です。
お祝いしたいのは、わたしなんです。

「自立しているから、独り暮らしは必要ないな」
と云ってます。大学は自宅から通えるところなので、
とりあえずあと4年間、いっしょに暮らすことに
なりそうです。

わたしの倍くらい、食べるスピードがはやい娘です。
「ゆっくりおねがいね」そう云ってもやっぱり、
はやいです。親子なのに、違うところばかり
目につきます。

お互いに足りないところを補い合って、
これからもよろしく。

2012年3月6日

伊藤正道さん

2月18日のやなせたかし先生の
お誕生日パーティーで、いらっしゃるはずの
イラストレーターの伊藤正道さんが
みえないので「あら、どうしたのかしら」と
とても心配していました。

「行きます」とおっしゃったら、絶対に
いらしてくださる方なのです。

前日に、急逝されていらしたと知って、
本当に驚きました。

鎌倉の海のそばのアトリエで、初めて
お話しした日のこと、桜の美しい季節の
お茶会で、伊藤さんが足をしびれさせて、
笑いが止まらなくなった日のこと、
きのうのようです。

雑誌「かまくら春秋」では、
「ジオじいさんの日々湘南」を連載、
鎌倉の歴史をイラストレーションで
描かれていました。3月号が最終回。
「ご覧いただきありがとうございました
マサミチ」のことばが、偶然ですが、
ほんとうに最後のご挨拶になってしまいました。

お話の途中で席を立たれ、なぜか戻ってこない
伊藤さんを探しに行きたい気持ちです。

2012年3月5日

「詩とファンタジー」イラストコンクール選考会

「寒いねぇ、3月なのに寒いねぇ」と集まって
たくさんのイラストレーション応募作品を、
ひとつずつじっくりみていきます。

おおきなテーブルの上に作品をならべて…。
審査の先生方が、連続して応募して
くださる方には、少し辛口な意見を、
はじめての方には少し優しい意見を。

技術力が高くても、感覚が古いなぁと
感じられるものは、"残念"という箱に
しまわれます。"現代の抒情"を
「詩とファンタジー」では求めています。

7作品を選ぶのですが、どうしても最後の最後、
絞り切れず、今回は8作品になりました。
トップを選ぶときより、最後のひとつの作品を
選ぶときのほうが、苦しそうです。

作品のタイトルや年齢も、なるほどねぇ…と
参考に確認しています。

色彩も画風も、バラエティに富んだ作品が
揃いました。次号での発表を、おたのしみに
してください。

2012年3月3日

話(「さち子さん」)

親戚でもあり、娘の幼稚園のときの
ママともだちでもある、さち子さん。
久しぶりに、夜おしゃべりに寄ってくれました。

「あした、あみちゃんのお誕生日だから、
その日に間に合うように」とプレゼントを
届けてくださったのです。

さち子さんは、理系のママで、娘に
数学や理科の勉強を教えてくださった
時期もあります。博学ママで、わたしも
頼りにしているのです。

ピンクの花束に、キュートなチョコレート
(写真)にお紅茶のプレゼント。お花があると、
お部屋が明るくなって、思考まで明るく
なるような気がします。

主役の娘は、夜中に帰ってくるので、
お雛様の前に飾っておきました。

2012年3月2日

話(「親子のぞうさん」)

雪で一日、家の中にこもっていました。
「親子のぞうさん」できあがりました。
てのひらサイズです。ひとつ作るつもり
でしたが、もう少し小さいのを作ってみたいと、
親子になりました。

耳にはピアス、それから、あれは何て
云うのでしょう、インドの女性がおでこに
ペッタンと貼っているのは…。それも
つけてみました。

娘と向かい合って、職人気取りで
ちくちくちくちく。
お茶を飲んではひとやすみ、また
ちくちくちくちく。

これから春に向かって、忙しくなるという
娘との、こんな静かな一日も、とても
貴重なのかもしれません。

そのあいだに「雪の日サービス、20%オフ」
というお知らせが、娘の携帯に届きました。
近所のファミレスからです、夜はそこで
済ませてしまいました。

2012年3月1日

話(「お雛様」)

朝起きてみると、雪です。横浜の父と
ランチの約束をしていましたが、
きょうはやめにしようねと。たまに
親孝行もどきをしようとすると…雪。

地元の小学校は、いつも通りあったようですが、
幼稚園はお休みで、かわいい声が雪の中から、
聞こえてきます。カラフルなダウンを着た
ちびっこを見ながら、わたしは外出せず。

午後になって、娘に雪かきをお願いしている
あいだに、わたしはお雛様を飾っていました。
一年に一度、高いところから箱をおろして、
さぁどうぞ。

わたしが生まれた年のお雛様ですから、
すっかり懐かしいお顔、。母が遺した
メモ書きを見ながら、ここには桃の花、
ここには室町雛の木の札を、と
飾ってゆきます。

あしたは、ひなあられを買ってきましょう。
菜の花と桃の花も、忘れないようにしなくちゃ。