学生時代の友人、理香と下北沢で春休みのランチ。
「携帯忘れちゃって、会えなかったどうしよう」と
理香は慌ててました。携帯電話を忘れると、
ほんとにそれだけで、落ち着きません。
そんなとき、むかしの出来事を思い出しました。
理香には、北大に憧れのひとがいました。
同い年だったのかな。その彼に、届けてほしいと
頼まれたのは、手編みのセーター。
東京にいたわたしは、北海道大学で寮生活を
している彼に、そのおおきな包みを持って、
出かけたのです。
携帯もなければ、繋がるのは寮への呼び出し電話。
いったい、どうやって待ち合わせたのでしょう。
そのへんのことは、まったく憶えていないのです。
セーターは確かに手渡して、わたしには初対面の
北大の彼、帰りは駅まで見送りに来て、汽車の中で
別れたような…。
「わたしそんなこと、よく頼んだよねぇ」と
きょうの理香。「ニコニコして、いいよって
云ってくれたの、だからね」とつづけて理香。
「あのころは、時間がのんびり流れていて
よかったわ」とわたし。
きっと、きょうの日のことも、いつしか思い出に。
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