2013年2月28日

話(「なかもとしげるさん」)


週刊少年ジャンプ」で連載されていた
「ドリーム仮面」、40年の年月を経て、
ドリーム仮面 ぼくだけの家」という
絵本になりました。

なかもとしげるさん、失踪されたと
云われていましたが、実は、引っ越しを
繰り返しているうちに、住所の連絡ができず、
わからなくなっただけで、とのこと。

長崎の崎戸で育ったなかもとさん、
高校時代は詩を書く少年でした。
ガールフレンドに手紙を書くときに、
一篇ずつ詩を添えていたそうです。

みつはしちかこさんの
小さな恋のものがたり」の
詩とイラストレーションコンクールで、
大賞も受賞されています。「ぼくの天使へ」
という詩画集で、なかもとさんの詩を
楽しめます。

たくさんのお仕事を経験され、今回の絵本
「ドリーム仮面 ぼくだけの家」でも、
そのことが生かされています。
無駄なことはひとつもないんだ、と
なかもとさんぽつり、呟いてました。


2013年2月27日

話(『宇野亜喜良さん「さよならの城」展』)


六本木ヒルズ」での宇野亜喜良さんの
展覧会、「さよならの城」は
寺山修司さんとの本のタイトルから。


今回は、発売されたばかりの
おおきなひとみ」の原画展も
行われています。詩は谷川俊太郎さん。
おふたりのサイン会の日で、それは
長い長い行列。

本を開くと、谷川さんの文章の文字が、
とても小さなページもあれば、
ぐんと大きなページもあります。
宇野さんの絵はもちろん、デザインも
すてきな一冊です。

おふたりとも、お年は80歳前後で、
男性として人間として、アーティスト
としての魅力いっぱい。一冊の本を、
おふたりで作られたのは、なんと
初めてなんだそうです。

サイン会を終えて、ジンジャーティーを
飲みながら、宇野さん、寺山さんの
思い出話をしてくださいました。
どれが真実かわからないような話、が
寺山さんには、多かったと。
まわりの人々に楽しんでもらおうと、
お話上手だったのですね。

2013年2月26日

話(「コートのリフォーム」)


もう15年くらい前から着ている
グレーのコート。もう少しわたしの
背が高ければ問題ないのですが、
とにかく丈が長い、長過ぎるのです。

Lily Baby」のゆりさんに、
何とかしてとお願いに行きました。
丈を切ってもらっただけでなく、
襟とポケットに、白いかわいい
刺繍のお花、かざってもらいました。

わぁ!みちがえます。うれしくなって
おともだちに報告すると「ユニクロ
なら新品が買えるよ、なんて云うのです。
そうじゃないんです、すきなものは
徹底してすきなんです。大切に、
大切にしたい気持ち、わかってねー。

ポタンもひとつずつ、しっかり
つけなおして、これでオッケー。
まだ寒い今年の冬、どうぞよろしくと
コートに挨拶をしました。


2013年2月25日

話(「田中ましろさんの短歌」)


3月3日、日曜日の「星くず朗読会」に
いらしてくださる、田中ましろさんから、
短歌がどんどんおくられてきます。

連作が5作品も。「異音」「白い犬」
「共犯者」「群れを眺める」
「貝殻に話す」新作の短歌を100首
おねがいしますと、たいへんなことを
おねがいし、それに応えていただいて、
とてもうれしいです。プレゼントの
リボンをほどくときの気持ち、
あじわってます。

日々ご多忙の田中さんですが、
なんとパワフル、当日のみ配布の、
短歌+詩の冊子もつくって
くださってます。

田中ましろさんの声を聴きに、
ぜひおでかけくださいね。

2013年2月22日

話(「伊藤正道さん」)


昨年のやなせたかしさんの
お誕生日パーティー&
詩とファンタジー」賞受賞式の
会場に、伊藤正道さんが
いらっしゃらなくて…どうしたの
かしら、ぜったいにお忘れになる
方ではないのに、と不思議に
思っていました。まさか、
お亡くなりになったなんて
考えもしませんでしたから。

ギャラリーまぁる」での個展では、
伊藤さんがいつも笑顔で
迎えてくださいました。今年は、
伊藤さんのお姉さまが
いらっしゃいました。

伊藤さんが机の傍に、いつも飾っていた
絵がこれです、と教えてくださったり、
さすがお姉さまです、優しさにあふれて。

伊藤さんが中学生のときに、横浜から
鎌倉に移り住んだ当時のお話も。
鎌倉には親戚が多くて、小町通りの
「イワタコーヒー」店もいとこさんの
お店だそうです。ホットケーキが有名で、
このごろいつ前を通っても大行列が
できている、人気の老舗です。

伊藤さんの絵の海をみていると、やっぱり
鎌倉の海につながってみえます。


マールのオーナー  伊藤さんのお姉さま


2013年2月21日

話(「バレンタインデー」)


娘の女子高生活が終わったので、狭い
我が家が、徹夜のチョコレート工場に
なることはなくなりました。クラス全員、
クラブ全員でチョコレート交換して
いましたから。お掃除係のわたしと
しては、かなりほっとしています。
それでも、義理チョコこそ手作りだと、
今年もがんばっている娘です。

このごろのバレンタインデーは、
おともだち同志でのプレゼントも、
ごくふつうになってきました。

小学校の3年生くらいのときだった
でしょうか、50円?のチョコレートを
おともだちと、贈り合いました。
その彼女とは、バレンタインデーの
前後には、毎年会おうねと約束して
います。わたしたちの、はじめての
バレンタインデーのおもいでを
共有しているおともだちです。

3歳の男の子が、ママといっしょにつくってプレゼントしてくれたチョコレート


2013年2月20日

「詩とファンタジー」春の号へ












詩とファンタジー」は季刊誌です。
あっというまに3か月が巡ってきます。
6年目の春の号の選考日、連休中の
鎌倉へ。

投稿原稿が、いくつかの山になって
います。「詩とファンタジー」に
集まる原稿は、手書きがとっても
多いです。これはこの雑誌の
ひとつの特色に、まちがいありません。

現代詩では、9割がパソコンでの
印刷原稿ですよ…とお手伝い
いただいてる城戸朱理さん。

春の号です。桜、卒業…の詩が多く
集まりました。テーマが重なると、
この中からひとつねって、みんなで
じっくり。

やなせたかし先生が選ばれる新鮮な詩、
独自の視点のある詩、次号の18篇は
どんな詩になることでしょう。

ご投稿も随時受け付けています。
そして掲載作品には、1篇5000円の
掲載料をお支払いしています。
(これは、えっ…知らなかった
という方がとても多いので)
どうぞよろしくおねがいいたします。

2013年2月19日

話(「はじめての下北沢」)


下北沢ははじめて!というおともだち
2人と、下北沢は、久しぶりという
おともだち1人とわたしの4人で、
ランチをして、おさんぽ。

はじめてのおともだちは、千葉と神奈川
から。このごろのショッピングモールは、
どこにも同じお店が入っていて、
飽きてしまったというおふたり。

下北沢は、ひとつひとつのお店が
個性的!とわくわくしていました。
云われてみれば、細い路地にもお店が
ぎっしりあって、のぞきたくなるような
雰囲気の古着屋さんやリメイクのお店、
雑貨屋さん、たのしい街です。

お茶もして、ぐるぐる歩きまわって。
下北沢のおみやげ、お菓子なんて
あるかしら、と訊かれました。
思い浮かびません…あっ、ここの
パン屋さんは有名よと「アンゼリカ」で
名物のあれこれを買って帰って行きました。


2013年2月18日

帰ってきた寺山修司











京王線でふらりと「世田谷文学館」へ。
しばらくぶりの芦花公園の駅、
すっかり新しくなっていました。

寺山修司の作品が、年齢を追って、
俳句→短歌→詩と展示されていて
若き日の寺山さんの行動力に、
感動します。

企画展「帰ってきた寺山修司

高校時代に、全国の友に呼びかけて
俳句の仲間をつくることだって、
いまのように、インターネットを
通してのような手軽さはありません。
それはそれはエネルギーといい、
努力といい、たいへんなものです。

たくさんの手紙も展示されています。
ほんとうにたくさん。手紙を
書かなければ、やりとりができず、
ものごとがすすまなかったのでしょうが、
ことばを書くことが、やっぱり
だいすきだったからでしょう。

なんて素敵なことば…が手紙の中にも
あります。アフォリズムの天才で
あることが、よくわかります。

2階では作品の展示、1階に設置された
「短歌の森」では、寺山さんの
声の朗読が流れています、森の中で。

直筆の文字や、声には、強くこころを
揺らされます。ことばのひと、
寺山修司に会えてうれしい午後でした。

2013年2月15日

話(「三島由紀夫」)


「きょうは1日つきあえるよ」と
春休みの娘に云われて、「何して
あそびましょ、何処にいきましょう」と
たのしみにしていたら雪でした。

寒くて寒くて、一歩も外に出たく
ありません。DVDで「11・25自決の日
三島由紀夫と若者たち」を観ました。

近所の下高井戸の映画館に、
若松孝二監督が舞台あいさつに
みえる日に、観に行こうねって
約束していたのですが、その直前に
突然お亡くなりになられて、映画も
それから観ていなかったのです。

三島由紀夫=平岡公威は、平岡の
父(義父)の兄です。「三島さんとはね…
こんなことがあったよ」とまわりの方に、
教えていただくことが多いです。
親戚目線で映画を観てしまったけれど、
娘は自分と同じくらいの年齢のひとが
観て、どんなふうに思うのかなぁって。


右側が義父です。秀才の兄の下で、とにかく自分はやんちゃに育ったと云ってました。





2013年2月14日

話(「洋食屋さん 神保町」)


昔ながらの洋食が食べたい!という
おともだち、それなら神保町に
しましょうと集まりました。

「ランチョン」なら広いから、
ランチタイムでも、少し待てば
だいじょうぶ。夜は何度か行ったことが
あるのですが、お昼ははじめてです。
海老フライ、カキフライ、メンチカツ、
すべて美味しそう。おともだちは、
ビールも飲みながら。

昨年の夏の入院で出会って、最初は
病気のことが話の中心でしたが、
元気になってくると、いつのまにか
もう別の話を。

病気のこと以外は、家族に心配を
かけたくないから、結婚する!と、
輝いているのは、ぐんと若い
おともだちの幸子さん。いまは
いろんな方に出会って、忙しく
されています。病院で同室だった仲間は、
みんな彼女の応援団になってます。
幸子さんはこれからのひとだもんねって、
希望を託してます。

幸子さんからの楽しい報告、つぎは
3月ねって。約束はしないで、
会いたいときに会おうねって、
おわかれしました。


2013年2月13日

話(「寺山修司没後30年」)


渋谷の「ポスターハリスギャラリー」で、
笹目浩之さんにお会いしてきました。
寺山修司記念館」の副館長さんも
していらしゃいます。

寺山修司没後30年で、これから展覧会、
演劇、映画祭など、ぞくぞくと
あるようです。そして本の出版も…。

詩とファンタジー」でも次号は、
寺山修司特集に取り組んでいます。
寺山修司と、若い頃に一緒に
お仕事をされていた、宇野亜喜良さんに、
寺山ワールドをつくりあげていただこうと、
たのしみな企画です。

寺山さんは、いろいろなお仕事を幅広く
されていましたが、「詩とファンタジー」
ですから"詩"に特化したいねと。
どんな詩を、大きな誌面でご紹介できるか、
どうぞ次号もよろしくおねがいします。

寺山修司没後30年記念認定事業マーク

2013年2月12日

話(「渋谷で映画」)


レ・ミゼラブル」を観ようねと、
朝一番で幼なじみと待ち合わせ。
早目に行ったつもりなのに、目の前で
完売。水曜日のレディースデー
でしたからね。あとおひとり…それも
最前列の席がひとつ、と云われてがっかり。

チケットはネットで取るべきだったとか、
早く着いたほうが、並んでおくべき
だっとか、ふたりでくよくよ云い合い
ながら、気を取り直して、それなら
ほかの映画にしましょうと。

東ベルリンから来た女」を「ル・シネマ」で。
主人公の女性が自転車に乗る場面が多く、
いつもスカートで、踵のある靴で、
かっこよく。東ドイツと西ドイツの
光の色さえ暗く感じるような、重たい
テーマ、見終わった直後より、
自宅に帰ってから、沁みてきました。

予定通り、映画の日となって、
めでたしめでたしでした。

2013年2月8日

山下アキさん










青山の「HBギャラリー」での
山下アキさん「君住む街角」展。

ポストカードサイズのDMでは
わからなかったのですが、今回の
山下さんの作品は、折り紙を細長く、
小さく、手でちぎって貼られています。

似顔絵の上手な山下さん、長崎での
おとうさまや、中国でのおにいさま
はじめ、おともだちや、
イラストレーターさんをモデルにされ、
たのしい作品がいっぱい。モデルの
みなさん、ほんとうにいいお顔で、
そしてとてもよく特徴をつかまれて、
あっ…これはあのひとだって
すぐ判ります。

トーヨーの50色の折り紙がとても
すきで使ってますと山下さん。
山下さんの指先ならではです、
こんなに細かくちぎって貼れるのは。

写真は、安西水丸さんを描いた作品

2013年2月7日

田中靖夫さん










青山の「ピンポイントギャラリー」での
田中靖夫さんの「からすとガイコツ」展。

からすはワイヤーでぐるぐると
作られていて、ガイコツは
カラフルな粘土で。どちらも
お持ち帰りできるように、
販売されています。

からすのいる風景の絵が、とても
素敵です。街でからすが飛んでくると、
腰を屈めて小さくなっていなく
なるのを待っています。あの、
おおきさ、怖いから。からすの
飛んでいる風景なんて、ゆっくり
あじわったことがありません。

それが、こちらのギャラリーでは、
あらいいわねぇと。早朝かしら、
夕暮れかしらと、からすの風景を
たのしめます。おおきなブルーの
ビニールシートが壁を覆って、
そこに絵が掛けられていて、とても
いい空の雰囲気です。

2013年2月6日

話(「五行歌の風祭智秋さん」)


信州にお住いの風祭智秋さん、歌会での
上京中に、時間をつくって新宿まで
来てくれました。

西新宿まで歩いて、静かなレストランで
おしゃべりです。フローズンビールや
スパークリングワインを飲む風祭さん、
ティラミス、ダークチェリーのタルトを
頼むわたし。

食べるものもずいぶんちがうけれど、
外見も中身もちがいます。
おともだちって、そんなかんじですよね。
ちがう相手に魅力を感じて、
いつのまにか一緒にいる…ような。

栃木から長野にお引越ししても、
変わらずパワフルに五行歌の
同人誌「彩」の編集発行をつづけている
風祭さんです。毎月の発行と別の
お仕事もされていて、大忙し。

「彩」は表紙の写真がとても
美しいのです。やはり五行歌を詠まれる
お仲間が、毎月身近なところで
そのお写真、撮られているそうです。

同人の高齢化…が進んで、とのことでした。
集団も年を重ねると、それはそうですね。
仲間作りって、たのしいけれど
たいへんです、理想通りにはいきません。


2013年2月5日

話(「西野正望さん」)


「幼なじみの絵の個展があるから、
行かない?」と同級生に誘われて、
銀座の画廊で待ち合わせ。

西野正望 「お米の島の物語」展

西野さん、小学生のときから教科書や
ノートによく絵を描いていたよって。
こどものころから、才能の芽が
あったのですね。

お米の島の物語の絵は、バリ島です。
そこには、変化しないことの美しさが
あって、豊かさにもいろいろなかたちが
あることを、感じます。

グラフイックデザイナーであり、
日本画家でもある西野さんの絵は、
こちらをみていただくと、ハッと
すると思います。

とても寒い一日でしたが、特別寒い
「海ほたる」に同級生の車で。
オホーツクの海に来たのかと
おもうほどでした。心に残ることを
かんがえてくれる、同級生のいつもの
ユーモアに、ぶるぶると笑いました。

2013年2月4日

「CLIP」アンソロジー


「CLIPアンソロジー」

詩集「CLIP」10周年のお祝いに、
北海道・千歳にお住いのお友だち、
若森あんりさんが、アンソロジー
「Drop」として、手作り製本で
プレゼントしてくださいました。

10年間60冊分の「CLIP」の詩1800篇の
中から、34篇を選んで、あんりさんの
絵も添えられて、ピンクとブラウンの
とても素敵な一冊です。

あんりさんの絵は、3ミリのボールペンの
点描画です。印刷すると、銅版画のように
みえます。ちょっと不思議な怖さもあって、
いいかんじです。

真剣勝負の作業に取り組んでくれた
あんりさん、張り詰めた気持ちも、
楽しんでくださったようで
とてもうれしいです。

詩集のタイトルを「Drop」にしたのは、
短い詩が多く、言葉がまるで
しずくのように落ちてくるイメージ
だったからと。

あんりさんがだいすきな詩は、
これねって、わたしもあんりさんの
心の中を、そっと覗かせてもらった
ように、わくわくしています。

北海道の雪の匂いと共に届いた「Drop」、
ぜひみなさんにも読んでいただきたいです、
あんりさんありがとう。



2013年2月1日

話(「ビリケンギャラリー」)


こちらが「ビリケンギャラリー
オーナーの三原さんです。背が
とても高くて、どこにいらしても、
すぐにわかります。"用心棒"のように
入口に立たれていると、ちょっと
こわいとおもうかもしれませんが、
商品ついて、作品について笑顔で
くわしく説明してくださいます。

ギャラリーで展示中の駕籠真太郎さんの
美少女絵についても、駕籠さんの
発想の素晴らしさについてを…
うん、うん…。

ともだちは実はひとりだけなんです」と
ami」をつくってくださったのも
三原さん。詩集にしても、歌集にしても、
読者の数は期待できないのに、これは
本にしたいとおもったら、すごく
エネルギッシュに取り組んでくれます。

「ビリケンギャラリー」の入口には、
いままでに三原さんが出版された本が、
きれいに並べられてます。本屋さんでは、
すぐに返品されてしまうことも多いけれど、
ここでは本がとてもあたたかく
扱われています。

表参道、骨董通りをてくてく歩いて、
ぜひ行ってみてください。