2011年1月31日

「クリップ」49・雪の号










CLIP」49の編集が終わりました。巻頭詩の
タイトルから"雪の号"にしました。

「CLIP」は巻頭詩+30篇の詩からなる簡素な
冊子です。2ヶ月毎につくって、9年目に入りました。
詩とメルヘン」がそろそろ休刊になるというころ、
始めました。

詩集のかたちですが、わたしからの手紙とおもって
読んでいただいてます。1年に一度しか会えない方も、
3年に一度しか会えない方も、いつもお話している
ような気がして、久しぶりの感じがしないそうです。
あみちゃん(娘)にも会ったことないけど、
よく知ってる女の子みたいとか。

冊子の「CLIP」から、かまくら春秋社の
伊藤玄二郎社長が、詩集「クリップ」をつくって
くださり、やなせたかし先生が、かわいい絵を
描いてくださいました。

それからしばらくして「詩とファンタジー」の
誕生につながったのです。

「CLIP」は、名刺代わりのようでもあり、たくさんの
方に出会えました。小説家の庄野潤三さんが
お亡くなりになって、「CLIP」へいただくお手紙は、
もうこれからは読めない、とさみしくなりました。

でも、また新しい出会いが生まれて、人生は
だから素敵と思います。窪島誠一郎さんとの
縁結びも「CLIP」です。

はじめて読んでくださる方は、ぜひメールで
お問い合わせくださいね。

2011年1月27日

八鍬瑞子さん

現在「キッド・アイラック・アート・ホール」で
詩人で彫刻家の井手則雄さんの作品展
企画された八鍬瑞子さん。

会期中は、一日おきくらいに、いらしてます。

アクティビスト(=活動家)の八鍬さんは、
鉄の作品をつくるばかりでなく、街に立って
さまざま運動をされています。

パレスチナ・イスラエル問題の専門家でありますが、
きょうは、井手さんの詩や恋のお話を伺いました。

井手さんと八鍬さんの出会いは、仙台でそれぞれ
61歳と30歳のとき。アーティスト仲間で、同じ会に
所属していたそうです。

井手さんは恋多き人生で、3回のご結婚と4人のお子様、
そして八鍬さんが最期の恋人。没後25年の井手さんは、
69歳で突然、亡くなられてしまいました。

相手が生きていたら、またいろんなことがあって、
けんかしたり、別れていたかもしれないけど、
そうじゃないから…。いつも、いまでもずっと
いっしょにいるお気持ちなんですね。

詩のことばは、心の奥のほうで生まれるから、
胃が痛くなるおもいで、詩を書いたこともあるって
言ってたわ、と井手さんの詩集を前に、いろんなこと
ぽつぽつ、お話ししてくださいました。

人生、ドラマチックじゃないと退屈しちゃうわって。
またぜひ続きをとお願いして、名残惜しくおわかれ
してきました。

2011年1月26日

話(「ホームドクターのU先生」)

このところ、喘息も暴れないでいてくれるし、
わたしは風邪もひかず元気にしています。

花粉症のお薬をいただいたり、予防接種の
時しか、お目にかかることもなくなって
きたのですが、ご近所のU先生には、
10年以上お世話になっています。

ここ数年、娘の反抗期にわたしがじたばた
してしまい「こんなとき、親は安定剤を飲んで
対処していいのでしょうか」と診察の最後の
時間に、こっそり訊きに行ったり。

どこか痛みはじめると「癌ではありませんか」と
怯えた声でわたしが質問するので、いつも
アハハと笑っています。年齢不詳の先生は、
10年間まったく変わりません。

「これは美しい本です!」と太鼓判を押して
くださり「詩とファンタジー」を待合室に
置いてくださっています。順番を待つ患者さんが、
1篇の詩や1枚の絵に出合って、こころが和らぎ
ますように。

先生のストレートな感想も、こんどお訊きして
みましょう。実は、とーってもロマンティック
だったりして…。

2011年1月25日

高畠純さん

高畠純さんの絵本三冊、「おっとっと」、
にょきにょきのき」、「十二支のしりとりえほん
の原画展です。「ピンポイントギャラリー」にて。

螺旋階段を下りて、地下のギャラリーからは、
もうお客様があふれています。壁面いっぱいに
飾られた絵も、見えません。でも、せっかく
来たのですから、ごめんなさい…と云いながら
全部見なくちゃ。

こんなふうに自由に"色"を使えたら、
心も飛び跳ねそう。描かれた動物たちも、
額から飛び出してもおかしくないほど元気。
高畠さんの笑顔も、やっぱりとっても明るいのです。

奥様が作られた牡蠣のオードブル、すごく
おいしかったです。ウーロン茶ではなく、
ワインにすればよかったなぁ…。

高畠さんは岐阜にお住まいで、お母様は
やなせ先生と同い年の92歳だそうです。
やなせ先生のお話になると、このごろは
きまって「もう90歳超えられているのに、
お元気ですよねー」って。いつお会いしても
そうですから、その元気はホンモノです。

高畠さんのお写真は、こんど酔っていないときに
ということで、次回のおたのしみです。

2011年1月24日

話(「小手鞠るいさん」)

会った瞬間に、両腕広げてハグなんて、ここは日本だけど
いいですね。西新宿の、小手鞠るいさん=川滝かおりさん
お気に入りの喫茶店でおしゃべりしてきました。

カモミールティーとユーカリティーをポットサービスで。
かおりさんはアメリカ、ニューヨーク州の北、
ウッドストックの近くでアメリカ人の彼と
ふたり暮らしです。

9時には寝てしまうと、4時頃には目が覚めるそうです。
小説の執筆は、朝から集中して3時間、そのあとは、
趣味のジョギングで森の中を走ったり、手作りの
ランチでゆっくりと。

日本で暮らそうか迷ったこともあるけど、かおりさんは、
アメリカでの生活がストレスもなく、ぴったり合って
いるとのこと。孤独には、とびきり強いんですって。

「わたしの原点は詩とメルヘン」とはっきり宣言されて、
いまでも「詩とメルヘン」とやなせたかし先生を、
故郷のように思ってくれます。

新潮文庫になった「エンキョリレンアイ」シリーズ
3部作の「レンアイケッコン」では巻末にやなせ先生に
よる当時の新聞掲載された書評と、文庫のための
あとがきのふたつの文章が読めます。

アメリカではカントリーライフ、日本に来るとみんなが
おしゃれでびっくりしちゃうと。

さっそくネイルサロンに行ったり、別れ際、これから
まつげパーマに行ってきまーす、また来るからねと
明るく手を振ってバイバイを。

2011年1月23日

木原未沙紀さん







ポスターハリスギャラリー」で開催中の
イラストレーター木原未沙紀さんの個展

ミステリアスな動物や爬虫類が、貴族的なおしゃれを
楽しんでいます。レースや、アンティークフラワーが
コラージュされて、木原さんのオリジナルワールド。

木原さんは、動物がだいすきなんですって。もうすきで
すきでたまらないってくらいすきなんですって。進路を
決めるとき、美大にするか動物関係の専門学校にするか、
とても真剣に悩まれたそうです。

絵をみているとわかります、どれだけ動物に愛を
注がれているか。正面を向いて、こちらが目を
逸らすことができなくなるものや、とぼけたように、
首を傾けているものやら、ギャラリー内を
挨拶するように廻りました。

途中から宇野亜喜良さんもいらして、やっぱり木原さんの
動物たちに捕まってしまいました。そう簡単には
帰しませんよという表情の動物たちですから。
DMに寄せられた、宇野さんのことばも素敵です。

こってりした作品は、アクリルケースにおさめられ、
現代的です。木原さんの初めての個展、
ぜひおでかけくださいね。

「ポスターハリスギャラリー」は、ちょっと怪しい
雰囲気の中に、寺山修司の本からグッズまで、
いろいろそろっています。お時間のある方は、
こちらもいっしょに楽しめます。

2011年1月22日

森祐子さん





渋谷のBunkamuraの1階、アート&クラフツ
展開中のイラストレーター森祐子さんの雑貨たち。

久しぶりにお会いした森さんです。いままで、
青山、自由が丘、国立、経堂と作品展のたびに
おじゃまして、かわいい作品の前でうっとり、
手に触れたりもして。

今回は、うさぎ、りす、ろば、かえる、パンダなどを
主役にした、小さなバッグやアクセサリー、
ブックカバーなど、どれも愛らしく。

以前に買ったりプレゼントしていただいた、ブローチや
バッグ、まだまだ現在も、活躍させていただいてます。
お気に入りのものは、ながーくながーく使います。

銅版画をシルクに刷って、ブックカバーにしたり、
アンティークの布地を使って、なつかしいかわいさを
表現されたり、どれにしようかなって、決められない
くらい迷います。

今年は、神戸や横浜の元町での展覧会もあるそうです。
どちらも、森さんにぴったりの場所です。

以前、森さんのパステル画と、わたしの詩で、
約束」という手製詩画集をつくっていただいた
こともあります。

また、ぜひいっしょに、ご本つくりもしましょうね。

2011年1月21日

岡山伸也さん

3月5日の「星くず朗読会 シリーズ4」DMの
イラストレーションを岡山伸也さんに
おねがいしました。

内田麟太郎さんは、岡山さんの絵をとても
気に入っていらして、油絵の原画も、お手元に
お持ちです。どの絵かしら?

わたしも、国立のギャラリーで岡山さんの
個展をみてから、すっかりファンになりました。
麟太郎さんつながりの岡山さんに、当日は
原画も飾っていただきます。

岡山さんは、茨城県結城市に住んで
いらっしゃいます。4人きょうだいで、
きょうだいのやりとりから、それぞれの
絵の場面がであがることもあるそうです。

前回の朗読会には、おかあさま、おばあちゃまと
ごいっしょにいらしてくださいました。
ご家族とっても仲がいいのです。

今回は、何か"親子"をモチーフにした絵を、
お願いしました。麟太郎さんは、おとうさまも
詩人で"詩人親子"なのでぜひにと。

DMご希望の方は、stardustreadings@gmail.com
にご連絡ください。

できあがり次第、郵送いたします。

2011年1月20日

山田緑さん

恵比寿の「ギャラリーまぁる」で開催中の展示
「物語のなかのねこ」展

4年前、青山のギャラリーでお会いした山田緑さん。
今回は「ねこ」がモチーフのグループ展。ほかに
3人のお仲間が参加されています。

白いねこばかりを、5匹。内田百閒の「日没閉門」、
沖の稲妻」、「凸凹道」、「旅順入城式」を
テーマに、お家で飼われているねこをモデルに
描かれています。

朱の布に花模様のお座布団に、堂々と座っているねこ、
かわいい、だけではない独特の雰囲気を持っています。
どんな性格なんだろう...このねこって思います。

山田緑さんは、石川県能登島のご出身。お父様は
焼き物をされ「案山子窯」という工房を開いています。
緑さんは、そちらでも展覧会をされています。

猫好きのおかあさまのご希望で、テーマは猫に限るとか。
緑さんの描く"ちょっとふしぎな女の子"もだいすきなの
ですが、それはご実家の工房では、だめなんですって。

では東京でまた、緑さんの少女たちに出会えますように。

2011年1月19日

「詩とファンタジー」冬星号










詩とファンタジー」最新号、本日書店に並びます。
どうぞよろしくおねがいいたします。

できたての「詩とファンタジー」をめくりながら、
「まぁ、いいんじゃないか」というのがやなせ先生の
口癖です。

来月には、やなせ先生92歳です。お祝いは、毎年
盛大に赤坂プリンスホテルで。その赤プリも、
この3月でクローズします。

「赤プリさようなら」という、やなせ先生ご本人
作詞・作曲の歌のさわりの部分を歌ってくださいました。
当日はみんなで歌い、振り付けも決まっているそうです。

「俺はもう死ぬよ」というのも、もう何年も前からの
口癖です。「もう終わりだよ」云いながら、
詩やイラストレーションの選を続け、先生ご自身も、
詩と絵を毎号かいてくださってます。

やなせ先生の冗談はきつく、お写真を撮っているときに
「これは遺影だな」とか「享年92歳」とか、にこにこして
おっしゃるのです。また、次号もよろしくおねがいしますと、
ご挨拶して帰るのですが、そのときには、先生は楽しそうに
鼻歌を歌われています。よかった、よかったお元気な証拠。

「詩とファンタジー」では常時、作品を募集しています。
ぜひ詩のご投稿を、イラストレーションのコンクールに
ご応募くださいませ。

イラストレーションの選評は、ちょっぴり辛口です!

2011年1月18日

井手則雄さん










井手則雄詩集「黄昏の皮膚」より

「海辺」

はるかきて
海の真昼の静かな明るさ
たゆみないひねもす波の白さ
わたしたちは愛しあおう
わたしは自分に言いきかす
この碧い瞼の少女の視野が
やがて疲れて倦むような
あの水平線にとどかぬうちに
壊れてしまうような
そういう奪い方をしてはならない


…この詩にはまだつづきがあります。
つづきを読みたい方は、
キッド・アイラック・アート・ホール
地下の「ブック・カフェ槐多」に、
ぜひいらっしゃってくださいね。
井手則雄さんの第一詩集から揃っています。

そして、上の階のギャラリーでは、井手さんの
デッサン・立体作品の展覧会を開催中です。

「- 鉄の詩 - 井手則雄 <遺されたかたち> 展」
詩人であり、彫刻家であり、美術評論家であった
井手則雄、没後25年展。








「ブック・カフェ槐多」には、本を読む人々を、
ほっといてくれる優しさがあります。午前中の
清らかな時間に、夕方の黄昏てゆく時間に、
おひとりでゆっくり。

2011年1月17日

話(「小手鞠るいさん」)

恋愛小説の名手、小手鞠るいさん。

詩とメルヘン」で詩人としてデビュー、そのときの
ペンネームは"川滝かおり"さん。いまも、かおりさん、
かおりさんと呼んでます。

十代の終りに雑誌に投稿した詩に、かおりさんから
お手紙をいただきました。ふんわりした大きな文字が
並んでいました。

手書きっていいですね。よーく憶えています、
そのときのうれしかった気持ち。かおりさんは
確か京都にお住まいでした。

それから長いおつきあいです。わたしがニューヨークに
住んでいた頃は、よくお電話でお話してました。だって、
メールなんてなかったんですものね。

「詩とメルヘン」が休刊になって、さみしくしていた頃、
やなせたかし先生のところに、いっしょに行って
くださったのが、帰国中のかおりさんでした。
詩とファンタジー」をはじめる、第一歩を力強く
応援してくれました。

はじめることも、つづけることも、本当にみんなの力が
あってこそ。アメリカ在住のかおりさんが、一時帰国の
たびにわくわくします。今年はもうすぐです、また
ものすごい勢いで、いろんなこと教えもらいましょ。

2011年1月16日

話(「歩くこと」)

大病をされて、余命三ヶ月と宣告されたM先生から、
「歩くこと」のすすめのお話をうかがいました。

余命を告げれられて、あまりのショックで
考えがまとまらない、そんなときに速足で
長時間歩き続けたそうです。

速足で歩くと、歩くことそのものが目的になり、
考えることなどできなくなって、病室に帰るなり、
パタンと眠ってしまったと。

病院では、びっくりされたり、褒められたり
だったとのこと。余命を告げられた、その夜の
ことですから。

ほんとかなぁ...とわたしも歩いてみました。
速足で長時間、頭の中がすーっとしてきました。
お腹はすくし、疲れるし、考えることなんて
どうでもよくなりました。

歩くことだけに意識が集中するのですね。
ちっぽけな悩みなどは、すっとんでいきます。
ぐっすり、朝を通り越してお昼まで眠れます。

あなたの役に立つかわかりませんけど...とM先生は
おっしゃっていましたが、はい、とってもよかったです。

2011年1月15日

窪島誠一郎さん

信州・上田にお住まいで、度々東京に
いらっしゃったり、全国を駆け巡る
窪島誠一郎さん。

「信濃デッサン館ニュース」を発行して
いらっしゃいます。現在、100号、
信濃デッサン館は32年目を迎えます。

編集後記の一部をこちらでご紹介します。

私はやはり自分の仕事の「理念」や「志」を
大事にしたいと思う。どんな苦境に立っても、
自分はなぜこの美術館をつくったのか、
何のためにこの仕事をはじめたのか、
それを忘れるくらいだったら、明日にでも
この美術館をとじてかまわない。

大きな仕事でも、小さな仕事でも、自分が
選択した仕事に取り組んでいながら、
いつのまにか流されて、最初の「志」を
忘れそうになることがあります。

それを忘れるくらいなら…そうです、
とても大切なことです。

2011年1月14日

内田麟太郎さん

立川駅の時計の下で待ち合わせ、文通や詩の
やりとりを重ねてきましたが、きょうが初対面。

3月5日の朗読会の打ち合わせです。

一日に三回寝るという内田さん、夜寝、昼寝、夕寝、
夕方のお時間をお借りしました。

「むかしちょっとエロティックな詩を朗読したら、
生徒を引率してきた先生が、みんな引き連れて、
さーっと帰ってしまったことがあった」そうです。
そういう時代だったのですね、きっと。

さて、3月にはどんな詩を朗読してくださるのでしょう。
会場のみなさんの雰囲気もあるからと、いろいろ
ご準備してくださるようです。

明大前で看板のお仕事をされていたという内田さん、
朗読のあと、窪島誠一郎さんとの対談も、
明大前物語で弾みそうです。

ライブなんだから、そのときの雰囲気を大切に
ということで、細かい打ち合わせは、なし、です。

絵本を一冊ご紹介します。
ぽっかりつきがでましたら」(文研出版

「ポッカリ月がでましたら」中原中也のフレーズから(※)、
内田さんのナンセンスが大暴れ?
声に出して読んでみてくださいね。


(※)中原中也詩集「在りしの日の歌」の一篇「湖上」による

「星くず朗読会」シリーズ4

事務局、ひげ☆ぼうず、です。

昨年末の記事でも触れておりますが、次回の
朗読会を下記の内容で予定しております。


「星くず朗読会」シリーズ4

【日時】 2011年3月5日(土) 17:00~18:30
【入場料】 1500円 (定員50名)
【会場】 明大前キッド・アイラック・アート・ホール
【出演】 平岡淳子(詩人)、窪島誠一郎(作家)
【ゲスト】 内田麟太郎(詩人・童話作家)


みなさま、ぜひお誘い合わせのうえ、お越しください。
お待ちしております!

2011年1月13日

セブンティーン、17歳

ギャラリー・エフにて開催中の展示。
「セブンティーン、17歳  SEVENTEEN 思春期に思うこと

大人の入り口、社会の入り口、思春期の真っ只中の
17歳をたくさんのイラストレーターがおもいおもいに
描いています。3月まで100人近く、友人、知人が勢ぞろい。

15歳、16歳、17歳っていうのは、それぞれの年の
特徴がすごく大きくて、ひとくくりにできない、と
おっしゃっていたのは、宇野亜喜良さんでした。

わたし自身のことは、都合よくあまり憶えていませんが、
娘をみていると、確かにそんな気がします。変化の
スピードといったら!

一枚の絵に、17歳の何をあらわすかなぁ…。絵は
描けないけれど、そんなことを思い描いてみましょう。

制服姿で、仲間と吉祥寺を歩いていました…そして…。

やなせたかしさん

寒い日々が続いていますが「詩とファンタジー」は
春の号の準備に入りました。

そして、やなせたかし先生の講談、第二弾を
聞いてまいりました。

練習の甲斐あって、物語の肉付けもかなり
できあがってきたということです。声音を
いろいろお持ちで、えっこれが先生と思うほど、
とってもかわいいお声も使われるのです。

原稿用紙に文字を並べてゆくのではなく、
すべて思い浮かんだことを頭の中で
まとめられて、声にのせる方法です。

聞いていると、情景が映像になって
ふわーっと浮かんできます。

お扇子にかわって、今回はドラムセットを
使用されていました。アンパンマンの
おもちゃの楽器で、とてもかわいい
太鼓&シンバル。

先生のお声は太く、元気元気でいらっしゃいます。
「もう、今度こそ俺はだめだー」とおっしゃるのは
毎回のこと。

来月のお誕生日パーティーに向けて、大特訓が
続きそうです。リズミカルなオリジナル講談、
また楽しみにしています。

2011年1月12日

中村邦夫さん








ギャラリーでは、いろいろな方に出会ったり、紹介して
いただいたり。

寺門さんの個展でお会いした中村邦夫さんは、荻窪で
6次元」を経営されています。

テレビ局のディレクターをしながら、もうひとつ
お仕事をされるのは、ひとつのからだでは大変ですが、
やりたいことを実現されて、パワフルで夢のある方です。

荻窪は、高校の三年間通っていた街です。なつかしいし、
ぜひ行ってみたいです。「6次元」は、いますごい人々が
集まるところなんだよと、あちこちで噂を聞いていました。
今年は"絵本"や"詩"に力を入れようと思っているという、
うれしいおことば、しっかり胸に。

若い人々を巻き込んで何かやってみたいんだとおっしゃる
中村さん。ご自身だって、まだ若いと思いますけど、
下の世代に伝えたいという気持ち、わかります。
楽しい企画をつぎつぎに打ち出してくれそうな感じ、
お話してるとわたしもじんじんしてきました。

お写真左が中村さん、右は「イーストプレス」の筒井さん。
筒井さんとも、あちこちでお会いするうち、すっかり
お馴染みさんになりました。

寺門孝之さん








ピンポイントギャラリー で開催中の展示
イラストレーター 寺門孝之さんの
「MILK ROSE CROWN」展

新春らしい、明るい色調の寺門さんの
大作から小品までの数々。

大学の先生でもいらっしゃる寺門さんは、
神戸と東京の往復をしながら、これだけの
絵を仕上げる時間はいつ?

年末年始に集中して仕上げたそうです。

いちばん奥の壁に飾られた大きな作品
「コーラス」、ひとりひとりの女性の
表情や立ち姿、お洋服の色などすべてに
魅了されました。

神戸にお住まいだった寺門さんは、
小磯良平さんに馴染んでいらして、
美術館で出会った「斉唱」がずっと
心に残っていたそうです。








そしてその絵が、寺門さんの中で
また一枚の新しい絵を生んだのです。

小磯良平さんの絵は、わたしも小さな頃から
眺めていました。母が小磯さんのファンで、
大きな絵皿や、やはり大きな紅茶のポットに
小磯さんの絵が描かれていました。

そんなこともあり、寺門さんの中の小磯さんに
出会えて、とてもうれしかったです。

寺門さんとの最初の出会いも、ピンポイント
ギャラリーでした。それから、たびたび
「詩とファンタジー」に描いていただいてます。

1月19日発売の「詩とファンタジー」も
どうぞおたのしみに。

2011年1月11日

宇野亜喜良さん

LECTURE 宇野亜喜良」 主催:メリーゴーランドKYOTO

真冬の京都のお寺で、宇野亜喜良さんのレクチャーが
あります。関西方面のみなさま、ぜひお出かけください。

こちらの徳正寺さんのご住職さまは、宇野さんの
若いおともだち。そしてむかしから、宇野さんと
おふたりで、すてきな絵本や物語を書かれる
今江祥智さんが司会をされます。

「今江さんのお誕生日もあって、一泊で行ってくるんだ」
と宇野さん。

東京からだって、聞きに行きたくなってしまいますね。

2011年1月10日

風祭智秋さん

五行歌誌「彩」を主催されている風祭智秋さん、
五行歌の新年会に上京されて、5年ぶりに
お会いしました。

新年会にふさわしい艶やかなお着物姿で、
あらわれました。お母様が、着付けをして
くださったそうです、似合ってました。

五行歌は草壁焔太さんが創始され、
「彩」はその活動を紹介する雑誌。

隔月の刊行、3人のお子様を育てながらのお仕事で、
日々大忙し、それでも上手に時間をつくっては、
ときどきお電話でお話します。

本名の"和香子さん"とわたしはお呼びし、
彼女からは"淳子ちゃん"と呼ばれています。
ずっとわたしのほうが年上なんですけどね。
それくらいの姉御肌の方なのです、頼りになります。

"和香子さん"は甘いものが大の苦手で、お酒なら
ぐいぐい、生ビール、ワインを飲みながら話す
"和香子さん"の横で、わたしはアイスクリームを
食べながらのおしゃべり、話の馬は合うのです。

また、東京に遊びに来てね。

うらたじゅんさん









山田勇男 うらたじゅん展「少年探偵団と人魚」

ビリケンギャラリー」の新年の展覧会です。

山田勇男さんには、あがた森魚 展の時に
お会いしてますが、うらたじゅんさんとは、
初めてです。

うらたさんは、関西にお住まいですが、会期中
何度かギャラリーにいらしてくださるそうです。

実は絵を見ても、男性か女性かわからなかったの
ですが、こちらのお写真が、うらたさんです。

大阪・守口で江戸川乱歩が居住していた建物
はじめ、あぁこんなところまだあるのねぇと思う、
なつかしい風景を写真に撮られてから、
そこに創作を加えて描かれるそうです。

うらたさんの漫画は、ストーリーも胸に沁みて、
いいんですよ、読んでみてねと、
「ビリケンギャラリー」オーナーの奥様、
みみこさんから教えていただきました。

漫画作品は →こちら からどうぞ。

2011年1月9日

宇野亜喜良さん

Aquirax Contact ぼくが誘惑された表現者たち
 宇野亜喜良・編」(ワイズ出版

宇野亜喜良さんの新刊、宇野さんがコンタクトした
39人のアーティストの作品と人間が楽しめる一冊。

表紙のブルーも、タイトルも、宇野さんに寄り添うと、
こんなにかっこよくなっちゃうのです。

宇野さんは、インタビューの達人でもあります。
いいわ、話してしまいましょうと、相手を
安心させるような優しさに満ちていますから。

そして宇野さんご本人へも、いろんなこと
訊いてみたくなるのです。

青木裕子さん

昨年までNHKのアナウンサーをして
いらっしゃった青木裕子さん。

テレビでは「スタジオ102」や
「関東甲信越小さな旅」、
また「ラジオ文芸館」、
「ラジオ深夜便」(朗読のコーナー)
でもおなじみです。

青木裕子さん、
キッド・アイラック・アート・ホール
冬の朗読講座」を開かれます。

ご自分のお声で、大好きな文芸作品を
読みたいという方は、ぜひぜひ
ご参加ください。

青木さんの朗読にも、ぜひ耳を傾けて
くださいね。美しい青木さんのお姿も、
そして何よりそのお声を楽しみに
いらしてくださいね。

昨年には「軽井沢朗読館」もオープン
されました。ゴールデンウィークに
緑の中の朗読館を訪ねました。
鳥の声のように、ひとの声も美しく響く
すてきなところでした。

2011年1月4日

話(「真弓ちゃん」)

18歳のときに出会ってから、ながーい
おつきあいのおともだち。

おなじ教育学科で、わたしたち小学校の先生に
なろうとしていたんですね。まちがって
ならなくてよかったと、お互いにおもってます。

当時、その大学には文B入試というのがあり、
文Bと云っただけで異端児扱いでした。
なにかをしでかすたびに、やっぱりねぇと
まわりが納得してしまうのです。常識から
かけ離れたところにいるような目で見られますが、
わたしたちはいたって常に真剣。

真弓ちゃんは「出番」をよく心得てくれている
貴重なおともだちです。何か危機を感じると、
飛んできてくれるのです、きょうは横浜から。

わたしが元気のないときに会うことが多いので、
わたしは痩せてるひとと思われてます。でも、
真弓ちゃんと話しているうちに、ぐんぐん
わたしは元に戻るのです。

石橋を叩き壊してしまうほど心配性の真弓ちゃんと、
橋のかかっていないところを平気で渡ろうとする
怖いもの知らずのわたしの性格は、ずいぶんちがいます。

だけど、そこがいいのかもしれません。ないところを
補い合って…おともだちってふしぎ。

2011年1月3日

話(「母娘短歌集」)

お年賀状どうもありがとうございます。
一枚も書いていないのに、いただいた
お年賀状は、とてもたのしく見たり
読んだりして、お正月にっこりしています。

わぁ…みんな元気でよかったと、一年に
一度の音信に温かい気持ちになります。

年末に年賀状を書くということが、
何十年もできません。やっぱり
おなじように、娘もできないのです。

我が家の習慣として、育たなかったのは
どうしてかしら。クリスマスに重点を置き、
はしゃぎすぎかもしれません。

お年賀状のお礼に、2010年の1年間の
「母娘短歌集」をお送りしています。
昨年はこんなふうでしたという、ご報告です。
過ぎてしまえば…ふふふ。

今年は、ぴょんぴょんもっと軽やかな親子を
演じられるでしょうか。

2011年1月2日

東直子さん

東直子さんの2007年の短歌日記が「十階」と
いう一冊の本になりました。

あっ、この色、この形、聖書をおもわせます。
ふらんす堂」さんのご本は、あこがれです、
どの一冊も魅力的なんです。本をつくるひとの
気持ちが、すーっと伝わってくるのです。

新年から、毎日ていねいに、一首ずつ読みたいと
思ったのですが、どうやら無理そう。東さんの
一年間を、あわてて追いかけてしまいそうです。

2007/1/1の歌は

「ないよりも泣く方がいい何度でも
麒麟のように焦がれていたい」

なんにもないよりも、なにかがあったほうが
いいと記されています。揺れても沈んでも、
じぶんの気持ちです、大切にしなくちゃ。

表紙には金箔の麒麟さん。麒麟は生涯
立ったまま眠るそうです。

八王子の丘の上の建物の「十階」に住んで
いらした東さんの日々のおもいに触れて、
くすっとしたり、ほろっとしたり、
生きることはこうなんだって安心したり。

短歌も添えられた文章も、装丁もすてきです、
ぜひ掌にとってみてください。