2012年12月28日

話(「M先生と忘年会」)


忘年会って、職場の仲間や友人たちと
するイメージですが、M先生とわたしと娘と、
3人の忘年会をしました。

M先生は音楽業界でお仕事されているので、
これから年末までは、もうノンストップの
忙しさ。娘は学生のくせに、イベントやら
バイトやらで、この日しか空いてないと
いうことで、やっと日にちが決まったのです。

今回は"蟹料理"。何を食べたいって訊かれて、
蟹って答えるのは、野蛮なかんじかなぁと、
娘も遠慮していましたが、ここは食べたい
ものを言わないと、困らせてしまいます。

「未成年だから、アルコールはすすめられない
けど、そこは自分の判断で」とM先生は娘に。
いろいろな話から、選挙の話になっても、
「そうかぁ、まだ選挙権もないんだなぁ…」と。

3人がそれぞれの世代を生きていて、美味しく
食事しながら、話がははずむのは、とても
しあわせです。帰り道、こんなきれいな
キャンディをふと買ってしまうほど、師走に
浮かれる夜でした。


2012年12月27日

話(「アドベントカレンダー」)


今年のアドベントカレンダーは、
スイスに住んでいるエミちゃんからの
贈り物。

12月に入ってから、毎朝ひとつ
いただいてます。チョコレートのために、
ゆとりのある珈琲の時間をと、少し
早起きして。

ミルクチョコレートのときは、娘と
半分ずつ、ダークのときはわたし、
ホワイトのときは娘と、なんとなく
決まってます。

エミちゃんからは、ときどきスイス便りの
メールが届きます。「冬の湖畔に、
ライトアップされたツリー、キラキラの船や、
ホテルやカジノを通り過ぎて歩くのも、
楽しいものです。大きな橋も、光のベールを
被って、なんだかおとぎの国にきたよう。」

ルツェルンいう町を歩きながら、エミちゃん
こどものようにはしゃいでいそうです。


2012年12月26日

佐々木悟郎さん









イラストレーターになられて30年の
佐々木悟郎さんの展覧会。たくさんの
絵の中から、悟郎さんが選ばれた
ベスト作品ばかり。

ニューヨークの風景にも、日本の
スカイツリーにも、悟郎さんの
光が降り注ぐ水彩画は、統一感が
あります。

広々した町を描かれても、小さな
オブジェを描かれても、すがすがしくて
優しくて、気持ちよいのです。

30年ほど前の作品も、別室に
並べられています。あぁ…これも
悟郎さんが描かれていたと、
記憶がよみがえるようです。

オリジナルの日記帳には、旅の
スケッチから、ジーンズを一本
買うときの気持ち、などいろんな
ことがぎっしり書き込まれています。

絵と文章でそのときそのときが
表現されているので、とても
たのしいです。一冊一冊読んでいると、
時間が足りなくなってしまいます。

2012年12月25日

山口マオさん








小さな革命」展で山口マオさんに
お会いしました。

今回の展覧会、すべての絵に示されて
いるのは額代のみ。いつもなら、
マオさんが絵の値段を決めるところを、
欲しいと思ったひとが自分で値段を
決めるのです。それもオークションだと、
お金のあるひとが有利になってしまうと
いうことで、欲しいという気持ち優先の
早い者順です。

どんなことになるのかは、
やってみないとわからない、
マオさんの革命なんです。

英字新聞を白塗りしてから、その上に
大きな猫、犬の絵。新聞紙だと
気持ちが楽に描けるんだって、マオさん。

年始からは、「トムズボックス」での
個展も控えていて、さぁこれからまた
どんどん描かなくちゃって。

また、来月をたのしみにしています。

2012年12月21日

「クリップ」60号








1年に6冊、偶数月に発行している
「クリップ」、60号になりました。

今回は1回お休みしようかなぁ…と
思っていたところ、元気づけてくれる
お友だちのおかげで、できあがりました。

高校時代のとってもユニークな同級生、
なんとなんと、入院中に"印刷用紙"を
どっさり持ってあらわれたのです。
えーっ、これどうやって持って帰るの?
とびっくり。

いつも「クリップ」をつくるのに、
紙がいっぱい必要でしょ、また新しい
ことばが生まれたら、詩を書くでしょ、
それには、このグリーンの紙が
いいよって、すごい説得力。

四方田犬彦さんからは、エッセイを
届けていただき、さぁ、がんばらなくちゃで
たのしく作業もすすみました。

いつも読んでくださる方も、
はじめて読んでくださる方も、
どうもありがとうございます。

2012年12月20日

17音の宇宙











愛うえお 
かきくけこさし
すせそたち

DMの下谷二助さんの17音が
たのしくて、俳句や川柳に寄せられた
イラストレーション展へ。

オープニングでは、絵をみるより、
ワインをいただき、「ハムカツ、
シウマイおいしいのよー」と
すすめられて、ぱくぱくいただいて、
みなさんとのおしゃべりに
花が咲きます。

聖五月
瞳と甲冑に
星映す

こちらは「左亭」という俳号の
宇野亜喜良さんの句。

17音の宇宙に迷いこんだり、
立ち止まったり。文字と絵の
ほどよい距離感に、気持ちよく
酔います。

2012年12月19日

話(「時のカタチ 間のカタチ」)


銀座の「和光ホール」で
時のカタチ 間のカタチ」展をみたあと、
"時と間"をテーマにした、穂村弘さんの
お話をきいてきました。穂村さんは、
時計のコレクションされているのですね。

一緒に行ったお友だちの瞳さん、和光には
お馴染みでも、穂村さんのトークショーは
初めて。メモをとりながら、真剣な
眼差しでした。

「ホールの空間も素敵だし、穂村さんの
短歌の読み込み方も、素人にもとっても
よくわかって面白かったわ」と瞳さん。
穂村さんを、もっと年配の方とおもって
いたようで、登場してその若さに
驚いていました。

紹介された短歌の中から、寺山修司の作品、
演劇的な歌ですねぇと…。

売りにゆく柱時計がふいに鳴る横抱きにして枯野ゆくとき

今回は書籍の販売もなかったのてすが、
サインやお写真はどうぞとのことでした。
恥かしがる瞳さんでしたが、いっしょにパチリ。
記念写真にね。


2012年12月18日

田村セツコ展


20代から60代、4人のおともだちと
弥生美術館田村セツコ展へ。

おしゃれ、おちゃめ、おてんば…
ほんとうにこのことばがぴったりの
セツコさんの描く女の子たち。

デビュー前の高校時代の絵画作品から
展示されています。若いときから、やっぱり
特別なセンスの持ち主だったのですね。
絵の世界に導いてくれた師との出会い、
セツコさんが出されたお手紙、セツコさんの
歴史がとてもよくわかるようになってます。

レターセットやノート、ハンカチから
エプロンまで、セツコグッズがあふれていた
時代の様子が、伝わってきます。「りぼん
なかよし」マンガの付録にも、セツコさんが
いっぱい。1970年代の底抜けに明るい、
しあわせ感に満ちた会場です。

最近の美術展では、必ずクリアーファイルが
おみやげで売られていますね。きっと、
何十年か後にはこれも懐かしいものに
なるのかしら。

2012年12月17日

話(「チーズケーキと聖句」)


今月は自宅で静養…ということを
心がけているので、おともたちが
明大前まで遊びに来てくれます。

そんなに地元に詳しくなかったのですが、
訪ねてくれるおともだちのために、
美味しいところを探して、ランチの
できるところに詳しくなってきました。

小学校一年生のときに出会った、修子ちゃん。
チーズケーキを焼いてきてくれました。
つぶれないように缶に入れて、
クリスマスクロスでラッピング。

修子ちゃんはクリスチャンで、聖句を
添えてくれます。「わたしはぶどうの木、
あなたがたはその枝である。人がわたしに
つながっており、わたしもその人に
つながっていれば、その人は豊かに
実を結ぶ」ヨハネ15:5

わたしは違うのですが、よくクリスチャンと
思われます。どこかにそんな雰囲気が
あるらしいのですが、わたしには
さっぱりわかりません。修子ちゃんは、
わかるわかるって笑ってました。


2012年12月14日

田村セツコさん










水森亜土+田村セツコ+ささめやゆきさんの
三人展。ラブリーな亜土さん、セツコさんの
間に、シックなささめやさん。

亜土さんの絵も、セツコさんの絵も、
とってもなつかしくて、そしていまも、
きらきらかがやいています。女の子
だったころ、をおもいだすような気持ちに。

田村セツコさん、絵の中から飛び出してきた
ような笑顔で、みなさんを迎えてくださいます。
くるんとカールした髪や、細い三つ編み、
とてもかわいいです。

ささめやさんの絵には、アルファベットが
たくさん書かれていて、文字も絵と
おなじように、センスを感じてため息
こぼれます。あえて出にくいペンを使って、
かすれたように描いたり、紙の表だけでなく、
裏からも書いて仕上げられています。
できあがるまての秘密のお話、に感動します。

2012年12月13日

長野ともこさん









暖かい日中に長野ともこさんの個展
BAGDAD CAFE」に。毎日3時まで
在廊してます、とDMに書いてあったのです。

久しぶりに会って、ふたりハグして、
ぽろっと涙まで。いちばん最初に会った
10年以上前のことなど思い出して、
いっぺんに懐かしさが押し寄せてきました。
いっしょに詩画集つくったり、コラボ展したり、
一所懸命だったよねっ、楽しかったねって。

今回は映画「BAGDAD CAFE」からともこさんの
印象に残った人物の絵、日本の映画では
ないのでみな外国のひと。

この女性の足の投げ出し方は、ともこさんの
描き方ねぇって…。色のセンスのよさも、
かわっていません。幼稚園のお嬢さんの
スケジュールとにらめっこしながら、
半年くらいですべて仕上げたそうです。

絵をみながら話しているうちに、もういちど
この映画、みたくなりました。音楽も
聴きたくなってきました。

2012年12月12日

話(「ノーアート・ノーライフ」)


「劇団はなめがね」の初めての劇場公演を
吉祥寺でみてきました。学習院女子中高演劇部
だったメンバーが、卒業して結成した劇団。

いま演劇に目覚めて夢中になっている娘が、
制作で関わっているので、応援に
行かなくては、とわたしも。

ケラリーノ・サンドロヴィッチ脚本
「ノーアート・ノーライフ」。脚本がいいと、
こんなに面白い舞台になるのですね。
演出や照明、演じているみなさんの
力はもちろんですが、まずは脚本。

中学高校時代、ときどきみてきた
仲間ですから、なかなか客観的に
お芝居の判断はできないけれど、
楽しくて笑いっぱなしの舞台でした。
「あの子がこんなに成長したのねぇ」と
ママたちも親目線です。

500円という入場料、安すぎるわ、
親料金2000円か3000円にして、
友人など学生は500円にすれば
よかったね、と終わってから。

女子だけの演劇、それもみんな男役、
気持ち悪いとか妙だとかは感じなくて、
とても自然でした。

何日も泊り込んでの制作でしたが、
打ち上げを終えて久しぶりに娘が
汚いかっこうで、疲れ果てて戻ってきました。


2012年12月11日

話(「ブックカフェ イズマイ」)


馬喰町…遠いと思っていましたが、
電車一本で到着。おともだちの
まりちゃんと現地集合、「イズマイ」に
行って来ました。

お店の明るさ・暗さがまず好みです。
ソファ席が空いていたので、ふたり
ならんでゆったり。ひざ掛けも
用意されています。

セレクトされた写真集や絵本、お茶を
いただきながら、自由に読むことが
できます。

こういうのすきでしょう…と
よくわかってくれているまりちゃん、
リトルゴールデンブックス」の
動物絵本を、持ってきてくれます。
この時代のこの雰囲気が、たまらなく
すきです。

焼きたてのパイ、何種類もあってとても
美味しいです。ポロポロといただくのに
苦労しますが、なんのその。

カフェでは男性同士のおしゃれな
2人組も…。時代ねぇ、とまりちゃんと
こそこそ話していました。居心地の
とてもよいカフェ、近くならひとりでも
寄りたいです。


2012年12月10日

話(「同級生 丸の内にて」)


ずーっとなかよしの同級生がいます。
わたしたち、都立高校で男女わけへだてなく、
ともだちになることができて、
最高の環境だったねと。

あの頃、こんなに先のことは想像する
こともなく、ただよく話したり遊んだり
していたけど、よかったー、と
しみじみお互いが思ってます。

"素顔"そのもので接していたから、
いまさらなにもかっこつけることも
ありません。"行動"も遠慮なく、
おもったままにとれます。

近くまできたから、寄ってもいい?
職場の近くで珈琲をいっしょに飲んで…。
暗くなってきたから、このまま飲みに
行こうかって。

クリスマスの丸の内を、わぁきれいと
歓声あげながら歩き、いつのまにか、
5人の同級生合流。こころ暖まる、
快気祝いを即座にしてもらいました。

病み上がりだからね、もっと本格的に
元気になったら、2軒目も参ります。











2012年12月7日

話(「外苑前 銀杏並木」)


晴れた日には、ウォーキング。
きょうは、夏の入院でなかよくなった
幸子さんと、渋谷で待ち合わせ、
外苑前まで歩きました。

コートはいらないくらいの、ぽかぽかの
暖かさ。外苑前の駅付近、ひとが
いっぱいです。ぞろぞろと、歩く方向は
みんないっしょです。

外苑前の銀杏並木、光が射してきれいです。
気持ちよくて、この並木がどこまでも
続けばいいと。

広場ではいちょう祭りをやっていました。
全国各地の名産品の出店、どの店先からも
とってもいい匂いがします。

幸子さんもわたしも、とても心配性です。
美味しそう!と近づくのですが、
「わたしたち、まだ病み上がりだから、
お腹こわしちゃうといけないから、
やめておこう」と何も買って食べることが
できませんでした。

入院中もとびきり心配性のふたりでした。
在り得ないことまで心配してしまうのです。


2012年12月6日

話(「横尾忠則さん」)


「天才・横尾忠則の仕事は、見ておかないとね」
天才・宇野亜喜良さんの案内で、
ギンザ・グラフィック・ギャラリー」へ。
横尾さんのブックデザインが、一階と
地下のスペースいっぱいに。
横尾忠則 初のブックデザイン展

横尾さんのところに届く装丁のお仕事は、
ほとんどが著者から横尾さんにとの
ご指名だそうです。編集者より、その
過程や出来上がりに厳しい著者の存在も。

横尾さんと著者とのやりとりが、また
濃密です。そこで交わされた会話なども、
記されている展示で、楽しいです。

日本経済新聞に、瀬戸内寂聴さんの文章と
共に毎週連載されていた、「奇縁まんだら」の
原画も、新聞連載を思い出しながら、
みることができました。とても大きく
描かれています。

途中、宇野さんが本の解説をして
くださったり、かつて横尾さんと
いっしょに銀座に事務所を構えて、
お仕事をしていらした頃の話を、
ぽつぽつと。

横尾さんの若い頃の写真も飾られていて、
ほんとうに長い年月のパワーに、
驚くばかりです。


2012年12月5日

「アロハシャツ展」









クリエイションギャラリーG8」での
今年のチャリティーはアロハシャツ。
EAST ALOHA

イラストレーター、デザイナー177名の
方のそれぞれのアロハシャツ。福島の
工場で、縫製されたということです。

宇野亜喜良さんの作品には、雰囲気のある
女性とユニコーン?ピンクと水色が
効いてます。「僕はとても真面目でね…
最初の作品が納得いかなくて、もういちど
やりなおして仕上げたんだよ」と宇野さん。
珈琲でつけたおしゃれな染み、それがまた
とてもステキ。

アロハシャツって、絵柄によってアロハに
みえたり、これはふつうのシャツにみえる
というものも。

サイズもいろいろあって、オーダー注文に
なってます。届くのは、春を過ぎてから
ということなので、アロハの季節には
ちょうどいいですね。

お気に入りの一枚に、ぜったい出会えます。
12/21までの展示です、どうぞクリスマスの
銀座へ。

2012年12月4日

「詩とファンタジー」イラストコンクール









イラストコンクールの審査会も、
季節に一度。もう6年目、よく続いたねぇ、
なんとか続いたねぇと。

宇野亜喜良さんは、髪を短くされて
寒いんだよねぇと会場に。山口はるみさんは、
とてもおしゃれなニット帽を。このお帽子、
なんと100円ショップでみつけられたと。
だれにでも似合うわけではありません、
はるみさんならでは。

"猫"のイラストレーションの応募先品が、
なかなか多いので、こんど猫特集の号が
あってもいいかも…と話しながら、審査は
すすみます。

宇野さんのお家で飼われている猫は二匹。
古くからいる猫が、新入りの猫に対して、
やきもちがすごいそうです。食事を
とれなくなったり、失語症に近い状態で、
鳴き声もかすれてしまうそうです。

「何色の猫ですか」とお訊きすると
「サハラ砂漠のような色」と宇野さん。
鳥取砂丘ではなく、サハラ砂漠…
いい響きでした。

イラストコンクールの応募作品、随時
受け付けています。一篇の詩から、
絵を描いてみたいという方にも、
詩とファンタジー」が届きますように。

2012年12月3日

話(「お点前」)


現代の医療のおかげで、あっという間に
退院しました。「いかがですか、
お見舞いに伺ってもいいですか」と
ご連絡いただいて、もう自宅にいるの
っていうと、びっくりされます。

千葉の谷津から、訪ねてくれた
おともだちの裕ちゃん。わぁ、お荷物
いっぱいと思ったら、お茶道具一式を
運んできてくれました。それは
素敵なエンターテイメントでした。

秋の生菓子もどれにしようかな、と
迷うほどあります。それは丁寧に
お抹茶をたてていただきました。
ありがとう。

お抹茶茶碗も、じぶんでつくったという、
ガラス製めずらしいもの。"パンダと笹"が
彫り込んであります。パンダ好きですから、
御懐紙もパンダ柄でびっくり。

出張お点前で、家にいながら
とてもたのしかったです。


2012年11月29日

話(「アンバンマン」)


自宅に戻った娘から「アンパンマングッズが
いっぱい届いてるー!」と驚いた
声の聞こえそうなメール。

何かの懸賞に応募した記憶もありません。
宛名は確かにわたしで、送り主は
アンパンマン。きっとアンパンマンが、
応援にきてくれたのねって、嬉しく
なりました。

アンパンマンは、タオルセットや
ひざ掛けや毛布を、持ってきてくれました。
入院生活に、どれも役に立つものばかり。

病気のときは、一段と気持ちが心細くなり、
こども返りしてしまうのでは、と
思うことがあります。アンパンマンに
しっかり甘えてしまいました。

入院中のベッドまわり、みなさんそれぞれ
お気に入りのものに囲まれて、安心して
いるようでした。


2012年11月26日

話(「星くず朗読会」)


12月に予定していました「星くず朗読会」、
来年に延期させていただくことにしました。

今年は夏に入院して、すっかり元気になって
仕事もはじめていたのですが、また秋に入院。

手術後の体調の予想がつかなくて、
ゲストの田中ましろさんにもおねがいして、
元気になってから、元気な声で、と
いうことにしました。

2回目の手術も無事に終え、退院しました。
怖いことも痛いことも、それは辛いのですが、
入院生活はたのしかったです。

先生、看護士さんはとてもジェントルですし、
おなじ病気の者同士、気持ちをひとつに
できて、みんなとっても明るい笑顔なんです。

整然とした美しい病院で、日が射す時間には、
病院内のお庭で、珈琲をいただいたり、
お散歩したり。

これから少しずつ、また日常生活に戻ります。


2012年11月22日

話(「詩とファンタジー」21号)


詩とファンタジー」の発行は
「かまくら春秋社」。週末の鎌倉は、
朝から観光客でいっぱい。あまりに
冷え込んで"甘酒"の文字をみつけると、
暖まりたくなります。

「詩とファンタジー」は「詩とメルヘン」の
頃から、投稿雑誌です。はじめて詩を
書くひとも、10年、50年詩を書いてきた
ひとも、みなおなじように投稿して
いただいてます。(ご寄稿をお願いして
いるのは、特集ページだけなんです)

次の号は"冬"ですよねぇ…と確認
しながらの選考会。真夏の詩や、
とてもとても長い詩は、
イラストレーションとの組み合わせが
難しくなってしまうので、残念です。

21号は、やなせたかし先生のいつも
以上のお力添えにより、やなせファンに
よろこんでいただけるような特集、
考え中です。

投稿は随時受け付けています…
どうぞよろしくおねがいします。


2012年11月21日

話(「代田橋駅」)


明大前に住んで、10年は過ぎるのに、
お隣の代田橋駅、はじめて歩いて
行ってみました。

スイスパンのお店「グリューネベカライ」の
パンを食べてみたかったのです。
土曜日限定のパンもあるので、
そのお店だけを目当てに。

酸味の強いハード系のパンは、食事に
ぴったり。自家製のサワー種を
使っているそうです。保存もきいて、
微妙に味も変化してゆくそうです。
きっとすぐに食べちゃうから、
その変化は味わえそうにありません。
おやつになるパンやラスク、プリンも…
また今度はいつ来ることやらなので、
いろいろ買ってきました。

パン、ばかりの食事で、我が家の
炊飯器は活躍の場がありません。
娘のお弁当づくりもなくなって、
なおさらです。


2012年11月20日

話(「4年後は…」)


大学の同級生だった理香ちゃん、
3年生と5年生の小学生のママです。
子育ての悩みも、まだまだほのぼの
しています。

「ねぇ、相談にのってねぇ」と
云われても「こども、たったひとりしか
育てていないから、 あまり頼りに
ならないとおもうの」とわたしは
身を縮めます。

中高一貫教育の公立校、受験の話を
ききました。いまは、すきな中学高校を
選べるのですね。国語・算数・作文の
塾に通っているそうです。親が教えると、
すぐけんかしちゃいますからね、
みんないっしょ。

下の男の子が中学生になったら、
お留守番できるから、旅行に
行こうねっていう話に。「その頃、
わたし孫がいるかもよー」
理香ちゃんは保母さんなので、
「いいよいいよ連れておいで、
面倒みるから」と。お友だちは、
なんて有り難いことでしょう。

たのしいおしゃべりの帰り道、
すみれが咲いていました。


2012年11月19日

話(「いちじくのコンポート」)


国立に住んでいる深雪ちゃんが、明大前まで、
夜に出てきてくれました。霧の濃い夜で、
京王線の電車のライトがとてもきれい。
線路沿いを歩いて、レストランに向かう途中、
「ムードあるねぇ」と深雪ちゃん。風景は
そうだけれど、わたしたちの話の内容は
どうかしらねぇ。

「もう、太っちゃってぇ…」と深雪ちゃんに
云われても「2キロくらい、気にしなくて
いいよ」とわたしは、お食事のあと、
デザートもいっしょに食べようと誘ってました。
季節のフルーツ、いちじくの赤ワインコンポート、
美味しかったね。

美味しいものをがまんしていると、きっと
ストレスで太るから、それなら食べて
太ったほうがいいんじゃないかしら。
歩いたり、一所懸命家事に精を出せば
きっとだいじょうぶだからねっ。




2012年11月16日

話(「しみずやすこさん」)


奈良にお住いのイラストレーターの
しみずやすこさん。オリジナルのカードで、
美しい文字のお手紙をありがとう。

奈良の山の季節の移り変わりを、教えて
いただいて、あぁ行きたいなぁ、と
いつもおもいます。京都より奈良は、
訪れた回数も限られています。おもいで
ばかりが、そのぶんとてもくっきり
しています。

お手紙のなかに、挟まれているのがこちらの
写真のもの。なんていうのでしょうか?
ちょうどコインのおおきさです。とても
いい匂い。バッグの内側のポケットに
入れています。"蓮"から、"紅葉とうさぎ"に
入れ替えたところです。

しみずさん、この冬はフィンランドに
おでかけです。オーロラに逢いたい…と。
いってらっしゃーい、また素敵な絵を
たのしみにしてます。


2012年11月15日

話(「パディントン」)


久しぶりに親子でお台場でした。
「なつかしいなぁ」とお互いに云っても、
それはわたしの場合10年前で、娘の場合
たった1年前なのです。

平日は、ほんとうに歩いているひとも
少なくて、レストランでも、
落ち着かないほどの寂しさです。
食事をしっかりして、甘いものは
ほとんど食べない娘です。このごろ
おとなになって、お付き合いは
してくれるようになりました。

そしてお買い物へ。「この冬は
パディントンになろう」と娘が
選んだのは、青いショート丈の
ダッフルコート。そして、赤いニットの
帽子も。「赤い長靴もほしいなぁ」と
そのかわりに赤い靴下を。先っぽを
切って、レッグウォーマー
つくってました。

この冬、またパディントンの娘と
おでかけしましょ。


2012年11月14日

「上海異人娼館」


寺山修司:原作、構成・美術:宇野亜喜良さんの
上海異人娼館」を東京芸術劇場
シアターウエストで観てきました。
客席300ほどで、とてもいい雰囲気。

Project Nyx」の今回の舞台、娘も
お手伝いをしています。稽古場の
東中野へ、そして劇場の池袋へと、
毎日通っては、その日のできごとを
話してくれるので、楽しみでした。

仕事中の娘に声をかけると、睨まれて
しまうので、そこはさっと素通り。

ロバと王様とわたし
あしたはみんな死ぬ
ロバは病気で
王様は退屈で
わたしは恋で
時は五月

このジャック・プレヴェールの詩は、
劇中で使われています。寺山修司の
世界を、宇野さんのセンスで展開。

毬屋友子さん、吉田日出子さんのオーラも
すばらしくて。華やかで妖艶です。
そしてしっかり影もあります。

音楽は黒色すみれ、おともだちの
裕ちゃんは、黒色すみれのファンで、
今回も劇中歌のCDお買い上げです。

2012年11月13日

話(「11月」)


クリスマスが終わるとすぐに、ポインセチアは、
素早く片づけられるのは、毎年のこと。

パンプキンもそうなんですね。先日まで
お花屋さんの店先に、秋らしく
飾られていましたが、ハロウィーンが
終わり11月になると、陰に引っ込んでと
ワゴンに乗せられて片づけられていました。

幼稚園・小学校の入試のシーズンでも
あります。娘は一人っ子なので、
きょうだいのように、幼い時に出会った
仲間と共に、学び遊びながら成長できたら
というのが、当時の理想でした。

それで、都内にあるたくさんの
私立小学校のひとつを、受験したのでした。
いまおもえば、よかったことも、
そうでなかったことも同じくらい。

もぅ遠いむかしのことのようで、
この季節になると見かける親子の姿に、
あぁそういうこともあったなぁと、
思い出します。


2012年11月12日

話(「Amy's Inn」)


「きょうたぶん、ともだちが泊まりに
くるから、よろしくねー」娘が
こういうときの、たぶんの確率は
100パーセントなんです。

ハロウィーンだからね、パーティー
だからねって。パンプキンの被りもの
頭にのせてます。

高校時代とちがって、ずいぶん遅い時間に
集まってきます。それもひとり、また
ひとりと増えていくのです。

コップが6つ用意してあれば、あとは
何にもいらないと。わたしが用意するより、
お持ち込みのほうが気楽なんですね。

娘の狭くて、おまけに散らかった部屋に
よくぞいらしてくださいますこと、
ありがとうです。

翌日の予定も、学校だったりバイト
だったり、みんなそれぞれの
時間に起きて、出かけて行くのです。
チェックアウトの時間を決めました。
10:00です。わたしが、出かけられなく
なってしまいますからね。


2012年11月9日

伊藤秀男さん


伊藤秀男さんの2冊の絵本の原画展に、
絵本だいすきな同級生のまりちゃんと
出かけてきました。

泥かぶら」のお話は、渋谷から歩いて
向かう途中、まりちゃんがあらすじを
説明してくれました。ひとめで、
表紙の迫力ある顔は、伊藤さんの
絵とわかります。

おうしげきだん」こちらはスズキコージさんの
文章に、伊藤さんが絵を描かれたのですが、
確かめないと、絵もスズキコージさんかと
おもってしまうくらい…色、構図、全体の
雰囲気、コージさんに吸い寄せられて
しまったとか、すごい引力。

伊藤さんは、岩手の花巻に旅をされて、
この秋の新しい作品も素敵。三つの
伊藤秀男さんを楽しめた展覧会でした。


2012年11月8日

篠山紀信展


篠山紀信展「写真力
東京オペラシティアートギャラリー」にて

"写真力"に圧倒されながら、テーマごとの
部屋をまわりました。圧倒されてそこに、
しゃがみこむような感じではなく、
真っ直ぐに立って、その写真から
目が離せなくなるような。

三島由紀夫の二枚の裸体の写真に
まず立ち止まり、大原麗子さんの
美しい写真、泣きたくなるほど美しくて。

寅さんの渥美清さんが、まだとっても
若いのです。1973年、何歳だったのかしら。
肌に年齢が出るといいますが、歯にも
若さがあります。寅さんってずっと年上の
おじさんと思っていたのに、年月の流れが
どこかで狂ったような、不思議な気持ちに
なりました。

あぁ、この写真どこかでみたことある、と
懐かしくおもう写真がいっぱいあります。
高校時代のおともだちといっしょに
見に行ったので、おもいでをひとつひとつ
確かめるように、楽しみました。

写真はとーっても大きくて、どんなに
ギャラリーが込んでいても、どこからでも、
じゅうぶん楽しめて迫力にどっきり。

2012年11月7日

話(「お祝いディナー」)


何処がいいって、希望を訊かれ、
「あまり遠くなくて、静かなところ」と。
瞳さんが決めてくれたのは、
シェラトン都ホテル東京。ここなら
ゆっくりお話しできそう、会うのも
久しぶり。

わたしたちには、あまり変化がないので、
盛り上がるのは、娘たちの彼氏のことです。
「えぇー、文学青年と別れてしまったのー?」
会ったこともないのに、小説を書く
その青年と、瞳さんの娘さんの恋を、
静かにわたし応援していたみたい。
新しい彼は社会人、またべつの魅力が
あるのでしょうね。

どんなことも、なるようになるからね…
瞳さんはこのごろでは、こうでなければ
いけない、という思いから解放された
そうです。そうすると、とっても
楽になったと。

退院のお祝いねって、おいしい
お料理ご馳走さまでした。


2012年11月6日

話(「フリーダ・カーロ」)


おともだちのKさんが、フリーダ・カーロ
絵を模写してくれました。フリーダの
絵葉書がみつからずに、それならと
描いて便箋にしてくれたのです。

そしてお手紙では、"一点突破"という
ことばを、教えていただきました。
一点ここだと思ったら、まずそこに向かう、
そこから突破口を切り開く、突き進めと。
希望がみえたら、明るい方へ、
考え過ぎないで、向かってみようという
気持ちになります。

生きて行くうえで、きっとなんども
決断に迷うことがあるとおもうけれど、
そのたびに、このことば思い出しますね。

わたしの力になるように、励ましに
なるように、こころをこめて
描いてくださった、Kさんの気持ちに、
うれしくて胸がいっぱいになりました。

これから少しつらいことがあっても、
なんとか乗り切って、笑顔でいないとね。


2012年11月5日

平澤朋子さん


ノーベル賞作家のセルマ・ラーゲルレーヴ
書いた名作「ニルスのふしぎな旅」。
その物語の中の6つが平澤朋子さんの挿絵で、
「ニルスが出会った物語」として6冊の
シリーズになって発売中。

第3巻は「クマと製鉄所」です。
スウェーデンの鉱山地帯が舞台に
なっています。平澤さんは、ニルスの
大ファンですから、きっとたのしく
たくさんの絵を描かれたのでしょうね。

くまやニルスはもちろん、背景の風景の
建物や木々にも、平澤さんの魅力が
たっぷりあらわれています。赤や緑の色にも、
あぁやっぱり平澤さんの色彩だなぁと。
すべてのページに、カラーの挿絵がある
素敵な一冊です。

古典童話をこどもたちにも、親しみやすくと
つくられたそうですが、おとなのわたしも、
美しい挿絵の本には、とりつかれてしまいます。

2012年11月2日

話(「再会」)


明け方に、突然の背中の痛みで
目がさめると、これは耐えられる
痛みではありませんでした。
娘の手配で、救急車で病院に
たどりつきした。

「お久しぶりです!」と声をかけられ、
わぁびっくり。なんと当直の先生が、
主治医の先生だったのです。
こんなに運のいいことがあるかしら。
もうほとんど説明もしなくて
だいじょうぶ。

点滴や検査はふつうに進められても、
先生の"顔"や"声"の安心感は格別です。
それも弱っているときはとくに。

罹ったことのある病院に行けたことも、
しあわせでした。その病院の診察券を
持っているだけで、こんなにスムーズに
すすむということも、実感しました。
診察券ばかり増えて、いろんな病気に
ならないように、気をつけなくては
いけませんけどね。

2012年11月1日

話(「マロンパフェ」)


秋です…うっかりしないうちに
行かなくちゃね。休日のティータイムは、
どこも込み合っていそうです。
ここならだいじょうぶでは、と信濃町へ。

わたしは、OL時代に会社の同期と、
仕事帰りによく食べに行ったおもいでが
あり、それからもたびたび。あのころ
同期の男性や、先輩の男性も、
男同士では、ちょっと恥ずかしいからと、
わたしたちといっしょに行っては、
美味しそうに食べていました。

オトナ価格のマロンパフェ、老舗で
あるだけに、見渡すと年配の方が
圧倒的に多いです。はじめて…という
裕ちゃんも、大満足でした。

小豆島に旅行に行った裕ちゃんと、
舞台となった映画「八日目の蝉」の
お話をしたり、オリーブのおみやげを
いただいたり。

ちょっと外をお散歩しよう…としたら、
もう真っ暗でした。秋の日暮れは
どんどん早くなります。


2012年10月31日

話(「梅棒」)


梅棒」「梅棒」…と熱狂的な娘から
きいてはいましたが、はじめて舞台を
観に行って来ました。

これを観ないなんて、どれだけ人生
楽しんでいないか、とさんざん云われて、
やっとその気になって。母体は
日本大学藝術学部」のダンスサークル、
結成11年目とのこと。

150人ほどの客席のホール、どの席からでも
よーくみえて、このくらいの大きさって、
いいですね。階段には、座布団席まで
あって超満員。ダンス+演劇がひとつに
なったようなエンターテインメント。

わたしは、からだがけっこう堅い
かんじのひとのダンスがすきです。
好みなんですね、そういうのって。
あっ、それからスーツ姿で踊るのが、
かっこよく感じます。

最終日、打ち上げまで参加した娘は、
翌日花束を持ち帰りました。
「俺が抱えるのも、似合わないから」と
男優さんにいただいたそうです。


2012年10月30日

諸戸佑美さん








諸戸佑美さんの「江戸を歩けば」展。
和のこころを、楽しんでいらっしゃる
諸戸さん、子供の頃、おじいさま、おばあさまと
ご一緒の暮らしで、時代劇には
小さいころから馴染みがあって…と。

雑誌の挿絵として掲載された作品、
今回の展覧会のための描きおろし作品、
すべて時代物。歴史にもとっても詳しい
"歴女"だそうで、ギャラリーの
オーナーさんとも、"歴女"同志、
お話がとても盛り上がると。

たとえば宇野亜喜良さんのように、
時代物も含めて、これからもいろんな
絵を描いていきたいと、きらきらした
お声で。

諸戸さんは、フットワークもとても
よくて、都内を自転車で駆け巡って
います。元々、運動がすきで…体力には
自信ありますと、ギャラリーまで
ご自宅から、自転車でいらして
いるそうです。

ギャラリーの入口、左右に金木犀が
ありました。この季節の展覧会、
かおりにつつまれていいですね。

2012年10月29日

米津祐介さん










表参道ヒルズの「ギャラリー80」で、今年も
米津祐介さんの展覧会。眼鏡はかわりましたが、
笑顔はかわらない米津さん。

展示されている絵や、絵本、クリスマスカード
などのグッズ、新しいものがいっぱい。

米津さんのおおきなおおきな、力強く
センスのいいクレヨン画がだいすきです。
クレヨンブック」という米津さんの新刊、
みているといつのまにか、クレヨン
握りしめたくなります。

米津さんお気に入りのクレヨンの紹介から、
あっという間に一枚の絵ができあがり、
という描き方など、やってみたらわたしにも
できるかも、と期待感が湧きあがってきます。

海外で活躍されていた米津さんの、日本での
絵本も、ことしはたくさん並んでいます。
飛躍の一年だったことが、とてもよく
伝わってきます。

一年はあっという間ですねぇ…
一年振りにお会いして、お話ししてきました。

2012年10月26日

話(「アレックスのママ」)


れいこさんは、ふたりの男の子の
ママですが、すっかりその男の子たちも、
おとなになってしまいました。

こどもから、犬へと可愛がる対象を
かえたとのこと。こどもは、何歳に
なってもこどもというけれど、
頭やお腹をなでたりなんて、
できませんからね。

ゴールデンレトリーバーのアレックスを
飼っています。犬のお散歩仲間からは、
"アレックスのママ"と呼ばれているそう。
スマホで撮った写真も、アレックスばかり。

アレックスのママとなったれいこさんと、
映画「ジェーン・エア」を観てきました。

むかしもいまも、れいこさんとは歩いて
行ける距離に住んでいます。かつては
ニューヨーク郊外で、いまは井の頭線沿線で、
歩いたり、映画を観たり、同じこと
しているね、それはとてもしあわせな
ことです。


2012年10月25日

話(「うたらば」)


田中ましろさんが、企画・写真・詩・
誌面デザイン、そして掲載する短歌の
選考もされている短歌冊子「うたらば」。

ポストに届いていたのを、そのまま
鞄の中にいれて、井の頭線で座って
読みました。読み終えたら、となりの
ひとに、はいって手渡したくなる、
どこも威張っていないやさしさ。

なにからなにまで、ひとりでこなされる
エネルギー、やなせたかしさんの
ようだなぁと、思います。投稿する場所を
つくって、その場所を心地よくして、
みんなが集まってきて。

今回のテーマは「入道雲」。今年の夏も
入道雲、おおっと叫ぶように見上げました。
写真の美しい冊子ですので、その写真に
ことばを重ねてよむとたのしいのですが、
ここでは文字だけのご紹介。

海沿いの国道をゆくトラックの荷台に積み上がる白い雲 

限りなく育つ雲へと桟橋はやさしい腕を差し伸べたまま

だいすきな2首は共に、飯田彩乃さんの
作品でした。


2012年10月24日

話(「M先生」)


珈琲一杯で、2、3時間おしゃべり
できるのが、おともだち。特別な
お食事しなくても、会いたいって
おもう間柄。

おともだちより、やっぱり聞き役・
指導者のM先生を、わたしが呼び出しては、
とりとめもない話を。父よりは若く、
兄としてはうんと年上、とにかく
頼りになります。

「こうしようと思うんだけど…
こうすることに決めたんだけど…」と
報告すると、わたしはなんだか
ほっとするのです。

涙ながらに話をするときはこちら、
笑いながら話をするときはあちらと、
場所を上手に選んでくれます。

待ち合わせのカフェに、先に着いて中で
待ってる、ということがどうもわたしは
苦手です。霧雨が降っていたのですが、
細い道を行きつ戻りつしていました。
その細い道に飾られていた、
パンプキンと薔薇。

「えっ、いっぱいで入れないの?
遅れてごめん、ごめん…」と
云われましたが、まだ待ち合わせの
時間には、なっていませんでした。


2012年10月23日

ひがしちからさん











ひがしちからさんの初めての翻訳で
ニブルとたいせつなきのみ
(文・ジーン・ジオン、絵・マーガレット・ブロイ・グレアム)
発売記念展覧会に。りす、勢ぞろい。

恥ずかしがりやというひがしさんに、
訊いてみました。グレアムとジオンの
絵本は「どろんこハリー」がとても有名。
そのほかにも素敵なお話があり、
日本でもどこかで出版されないかなぁと、
たいせつにあたためていたそうです。

ご自身が翻訳をするなんて、最初は
おもってもみなかったそう。日本語に
するには、難しい箇所がいっぱいあって、
相当悩んだと。

ニブル(nibble)って、りすが木の実を
かじるようなときの単語ということも、
教えていただきました。がりがり君
なんていうのも、いいんじゃないという、
周りの意見もあったようです。

「ニブルとたいせつなきのみ」の絵本から
飛び出してきたぬいぐるみは、ひがしさんの
奥様がつくられたそうです。

ギャラリー全体、あちらにもこちらにも、
りす。ほんもののりすにも、遭遇したく
なってきました。

2012年10月22日

「編集前詩」









詩とファンタジー」20号ができあがり
ました。少―しずつ、少―しずつ中の
デザインもかわってます。

デザイナーの熊澤さんのオフィスの
近く、「SEE MORE GLASS」で、
ランチをしながら、できあがった
本を開いてみました。

たくさんの絵本、原画が飾られている
こちらのお店、娘が小学生のときに
いっしょに行って、それからずーっと
ごぶさたしていました。

「もちろん詩とファンタジー、知って
ますよ」とお店の方の明るい声に、
うれしくなります。

おおきな見開きページのなかに、
どんなふうに詩を置くか、文字が
絵を傷つけないように、絵が文字を
圧倒しないように、細やかな気遣いの
熊澤さんです。

今号から、やなせたかし先生の
「編集前詩」が愛らしくすっきりした
ページになりました。20号、ぜひ
本屋さんでみつけてくださいね。

2012年10月19日

話(「雲と椅子」)


外に出た瞬間、秋の空があんまりきれいで、
図書館までずーっと、上を向いて歩いて
行きました。

家から駅までの間にある大学の図書館、
とても便利です。車も自転車も乗らない、
いつでも徒歩のわたしには、場所が重要、
本って数冊でも重たいので。

そのうえ、建物も新しくなって、ガラスの
空間で本を選ぶようなかんじです。
1階にあるカフェも、昔の学校の匂いはなく、
ぴかぴか。

椅子も、いろんなタイプがあるので、
どこが落ち着きそうか、あっちに
座ったり、こっちに座ったり。きょうは
この赤い椅子に。

係のひとが、ほとんど見当たりません。
困っている方に、機械での貸し出しを
わたしが教えてさしあげたくらい。

なんでも簡単に済ませることが、
できるようになってはいますが、
ひとの気配がないのは、ちょっと
不安になりますね。


2012年10月18日

話(「代々木公園」)


お茶もいいけど、お散歩しようと、
渋谷から向かったのは、代々木公園。
しばらくぶりなので、方角は合ってる
けど、ほんとうにこっちでいいのよねって
云いながら。

いい匂い、目を閉じたくなる秋の瞬間。
金木犀、木々に囲まれながらしあわせの
深呼吸。薔薇も咲いているし、小さな
こどもは犬とじゃれているし、若者は
フリスビーをしたり、踊ったりしています。

公園っていいねぇと、ベンチにすわって
おともだちと。深刻な話も、自然の中では
気持ちがおおきくなります。

なんとかなるねって、明るいほうに
考えられます。ウォーキングで、きっと
よく眠れるとおもうし。帰り際には、
風も冷たくなってきて、カフェに
駆け込みました。


2012年10月17日

話(「モーニングコーヒーとアールグレイ」)


午前中は大学時代のおともだち3人で、
モーニングコーヒーを飲みながら、
おしゃべり。まだこどもが小学生の
理香ちゃんの、自由な時間は朝なのです。

焼きたてのパンが、つぎつぎに
出来上がってくる店内で、マグカップでの
コーヒー。「待っててね、待っててね」と
彼女はしきりに云います。こどもたちが
大きくなったら、夜のおでかけも、旅行も
いっしょにしようねって。もちろんよって、
わたしと銀行員の裕ちゃんは笑いながら。

夜は高校時代のおともだち3人で、ディナー。
不景気のせいかしら、お店があまりに
がらがらで心配。みんな真っ直ぐお家に
帰るのかなぁ、ここが西新宿のせいかなぁ…
東口は混んでいるのにと。

自宅では紅茶党のわたしです、それも
アールグレイばかり。きょうもおみやげ
いただきました。お紅茶の色と香りが
だいすきです。アールグレイがすきだった
ひとは、元気かなぁおもいだしながら
いただきます。


2012年10月16日

話(「つゆ艸」)


Lily Babyのゆりさんから「近くに素敵な
カフェができました」と。オープンの日に
行ってきました。ゆりさんのお店の
はす向かい「つゆ艸(くさ)」は
新しいビルの一階。

オーナーのつゆさん、アンティークショップを
されていたこともあって、テーブル、椅子、
ランプなど選ばれたものが、とてもいい
雰囲気。

キッチンも業務用でなくて、普通の家庭用の
ものを使われて、おともだちのお家で、
もてなされたような気持ちにと。
ゆったりとした椅子で、時間を気にしない
おしゃべり。秋のブレンドコーヒーも、
自家製シンジャーエールも美味しくて。

どんなお店にするか、デザインすることが
楽しくて、できあがったらもう
満足しちゃって…営業は苦手なんだよと
つゆさんは、お店の外に立っていたり、
近くをお散歩したり。

こんどひとりで来たときは、この席に
座ろうかな…壁に向かって落ち着きそうです。


2012年10月15日

話(「ビスコッティ」)


こちらのビスコッティ、ひとつの袋に
三っつ入ってます。「ブック・カフェ槐多」で
販売されていて、とっても美味しい。

ときどきカフェのお手伝いをされている、
海野さんの手作り。40袋おねがいしました。
かわいいシールを貼ろうかなぁと
考えていたところ、デザイナーでもある
海野さん、こんなに素敵なシールを
つくってくださいました。

シールは2種類の案があり、気に入った
ほうをどうぞって。「元気になりました。
どうもありがとう」の気持ちのシール。
海野さんのおかげで、メッセージつきの
クッキーのできあがり。

ビスコッティ、ちょっとかたくて
お年寄りにはどうかなぁと。持って行く先は、
そんな心配無用な方々ばかり。ひさしぶりの
職場にこんにちはと、行ってきました。

海野さん、ぴったりの箱も用意してくださって、
混んでいる電車でも、心配ありませんでした、
どうもありがとう。


2012年10月12日

植田真さん









現在は神戸にお住いの植田真さん、
この一週間は東京滞在でギャラリーにも
いらっしゃいます。

植田さんの絵は、絵にぐーっと
近づかないと、小さなひとや動物に
気づかないほど。あら、こんなところに…
と静かに幸せそうにしています。
添えられたタイトルも、絵に
びったりの控えめな文字で。

今回の個展タイトルは、The Byrds
カヴァーで有名な「Turn Turn Turn」から。
植田さん、絵のほかに音楽も。
荒井良二さんといっしょに
演奏されたり、とっても楽しそうです。

オープニングの日は、友人・知人との
久しぶりのお話に夢中になって、
もういちど別の日に絵を見に行くと
いうことも、しばしばです。今回は、
ぐるりとまわってしっかりみてきました。
もしも生まれ変わったら、植田さんの
絵の中の女の子になりたいです。

ご本の装丁画もたくさん、本屋さんで
植田さんの絵に出会う方も、
いらっしゃいますね。

来年は吉祥寺での個展が決まっていて、
また上京してくださるようです。

2012年10月11日

内田新哉さん









内田新哉さんの水彩画展、青山の
ギャラリーコンセプト21」にて。

大きなガラスのむこうに、内田さんが
いらして、内田さんの絵がよーく
みえます。10年も20年も、内田さんは
かわらないなぁ。

詩とファンタジー」17号で大震災の
詩に寄せて描いたいただいた、大きな
1枚も展示されています。ことばを
暖かく包むような色彩の絵にしようと
思ったけれど、なんども考えて、
"奇跡の一本杉"を描いたんですと。

今回の展示でも、この絵の前で立ち止まる
人が多く、気に入って買ってくださる方が、
いらっしゃいましたと。

消えてゆく直前のものを、いまとても
描きたいと内田さん。それはたとえば、
パソコンのスイッチを落として、
最後に残る像のように、儚いものを
描けたらと、お話ししてくださいました。
色をつかわずに、色が想像できるような
絵も飾られていました。

名古屋にお住いの内田さん、東京での
個展のたびにお会いしてます。来年は、
もう少し秋の深くなったころに
開催予定だそうです。

2012年10月10日

話(「抒情の奇妙な歌会」)


笹公人師範の歌会、お題は「秋」「書」のふたつ。
今回は、懇親会しか参加できませんでした。

奇妙で面白くて楽しい方々の歌、家で
ゆっくりよめるように、いただいてきました。

笹師範、お笑い芸人のKICK☆さんをはじめ、
なんだか念力?超能力?の強い方が
そろっているのです。UFOをみたことが
あるひと、こんなにいるんですかとびっくり。

KICK☆さんも、最初は懐疑心でいっぱい
だったそう。そういう"気"の強い方の傍に
いるのが、大切みたい。修業を積めば…って
いうことではないと。マンションの窓から
UFOをみたときから、禁煙はできたし、
生活がぴぴっと変わったと。

ときどきみなさんにお会いするくらいでは、
だめかしら。あまり欲していても駄目だと
いうこと、むずかしい…。

お探しの答えでしたらTシャツの
胸に書かれた異国の文字に
「書」より

このお歌は、どなたが詠まれたのでしょうか。
お気に入りです。

2012年10月9日

話(「エメラルド」)


エメラルドジャパンメイド」、3日間の
限定ショップ、西荻窪「gallery cadocco
にて。

デザイナーさんがお洋服やバッグを、
丁寧にセンスよく、ひとつずつ
手作りしています。

展示会におじゃまするのは、久しぶりです。
生地…そのものが素敵なのに、デザインも
素敵で、そんなに数はないのに、
迷ってしまうのです。

国立に住んでいる深雪ちゃんを誘って
行きました。「西荻に行こう!」
わたしはそれしか云わなかったようです。
「お洋服の展示会なら、お財布にお金
入れてきたのに」あら、ごめんなさい、
まぁ銀行も郵便局もあるでしょう…と。

デザイナーさんご自身も、自分でつくられた
お洋服を着こなしていらっしゃいました。
ラグラン袖は、肩のラインに添って
シルエットが出るので、肩幅が狭いとか、
広いとか、気にしている方は向かないかなぁ、
と教えていただいたり。


デザイナーさんとデッドストック生地の
パッチワークバッグ


2012年10月5日

「クリップ」59号







「クリップ」59号は、宇野亜喜良さんに
エッセイをいただきました。

「昨日書いて、もうポストに入れて
届くはずなんだけど、やっぱりあれは
どうかなぁ…」とお電話で宇野さん。
届く前だったので、はい楽しみに
待っていますと。

そして、先日お会いした時も、
「やっぱりあれはどうかなぁ…」と。

こちらのブログをお願いしている
ひげぼうずさんに、「クリップ」の
レイアウトもお任せしています。
宇野さんのページも、きれいに
整えていただきました。

宇野さんの文章を読みながら、詩を
選んでは、並び替えて。窓を開けて、
心地よい部屋での作業、ひとりで
悩みながら。30篇の詩を、声に出して
読んでは、目で追っては推敲、推敲。

できあがると、この2か月間も一所懸命
生きたような気持ちになるので不思議です。

59号、どうぞよろしくおねがいします。

2012年10月4日

話(「スイスのエミちゃん」)


幼なじみのエミちゃんは、結婚してからは
ずーっとスイスのゾフィンゲンという
町で暮らしています。

秋の一時帰国は、はじめて。年々、
日本の夏は過酷になるから、毎年
秋にしようって。帰国の度に、
お琴やら、お茶道具一式、
大きなものでは畳まで、スイスに
持ち帰るエミちゃん。

今回は、和食器を探したいということで、
行ってみたのは、表参道にある
桃林堂」。和菓子屋さんにある画廊
はじめて入ってみました。どうぞ
作品を手にとってみてください、
そして作家さんの説明など、
お店の方がとても親切です。

陶器作家のさんの中でも、
安川万里子さんの作品が気に入って、
一階、二階の展示作品をみて、
スイス行きの品を選んでいました。

表参道界隈を歩きまわっているうちに、
あたりはもう暗くなっていて、
秋は日に日に深くなっています。
疲れたときには甘いもの、
マンゴープリンをいただきました。


2012年10月3日

話(「長谷川雅也さん」)


今年の冬、娘がバイト先で出会ったのが
長谷川雅也さん。現在、大学4年生、
演劇ユニット「BOX101」を主催しています。

公演「誰誰誰誰お前だれええええ!?」を
観てきました。娘がお手伝いをして
いるので、準備は間に合うのかなぁと、
わたしもはらはらしながら、きょうを
迎えました。

ゆとり世代がすこぶる嫌いという雅也さん。
日本語は使えないし、時間は守らないし、
世の中を舐めてるし…と、理由は
まだまだいっぱいあるみたい。

そんなゆとり世代の彼らが舞台に立ち、
がんばっていました。役者はまず声、
あの役の声よかったなぁ…と。顔や
からだの表情より、声がいつまでも残ります。

雅也さんは、作・演出・美術のほかに
役者としても出演。ナイーブな姿で、
ナチュラルな台詞、きかせてくれました。
終わってからの、笑顔の写真です。

娘からみると大先輩です。何でもできる
ひとだから、自分にも厳しく、
こわいよーと言ってますが、ゆとり世代を
上手に指導してくれるお兄さんのようです。