2012年11月29日

話(「アンバンマン」)


自宅に戻った娘から「アンパンマングッズが
いっぱい届いてるー!」と驚いた
声の聞こえそうなメール。

何かの懸賞に応募した記憶もありません。
宛名は確かにわたしで、送り主は
アンパンマン。きっとアンパンマンが、
応援にきてくれたのねって、嬉しく
なりました。

アンパンマンは、タオルセットや
ひざ掛けや毛布を、持ってきてくれました。
入院生活に、どれも役に立つものばかり。

病気のときは、一段と気持ちが心細くなり、
こども返りしてしまうのでは、と
思うことがあります。アンパンマンに
しっかり甘えてしまいました。

入院中のベッドまわり、みなさんそれぞれ
お気に入りのものに囲まれて、安心して
いるようでした。


2012年11月26日

話(「星くず朗読会」)


12月に予定していました「星くず朗読会」、
来年に延期させていただくことにしました。

今年は夏に入院して、すっかり元気になって
仕事もはじめていたのですが、また秋に入院。

手術後の体調の予想がつかなくて、
ゲストの田中ましろさんにもおねがいして、
元気になってから、元気な声で、と
いうことにしました。

2回目の手術も無事に終え、退院しました。
怖いことも痛いことも、それは辛いのですが、
入院生活はたのしかったです。

先生、看護士さんはとてもジェントルですし、
おなじ病気の者同士、気持ちをひとつに
できて、みんなとっても明るい笑顔なんです。

整然とした美しい病院で、日が射す時間には、
病院内のお庭で、珈琲をいただいたり、
お散歩したり。

これから少しずつ、また日常生活に戻ります。


2012年11月22日

話(「詩とファンタジー」21号)


詩とファンタジー」の発行は
「かまくら春秋社」。週末の鎌倉は、
朝から観光客でいっぱい。あまりに
冷え込んで"甘酒"の文字をみつけると、
暖まりたくなります。

「詩とファンタジー」は「詩とメルヘン」の
頃から、投稿雑誌です。はじめて詩を
書くひとも、10年、50年詩を書いてきた
ひとも、みなおなじように投稿して
いただいてます。(ご寄稿をお願いして
いるのは、特集ページだけなんです)

次の号は"冬"ですよねぇ…と確認
しながらの選考会。真夏の詩や、
とてもとても長い詩は、
イラストレーションとの組み合わせが
難しくなってしまうので、残念です。

21号は、やなせたかし先生のいつも
以上のお力添えにより、やなせファンに
よろこんでいただけるような特集、
考え中です。

投稿は随時受け付けています…
どうぞよろしくおねがいします。


2012年11月21日

話(「代田橋駅」)


明大前に住んで、10年は過ぎるのに、
お隣の代田橋駅、はじめて歩いて
行ってみました。

スイスパンのお店「グリューネベカライ」の
パンを食べてみたかったのです。
土曜日限定のパンもあるので、
そのお店だけを目当てに。

酸味の強いハード系のパンは、食事に
ぴったり。自家製のサワー種を
使っているそうです。保存もきいて、
微妙に味も変化してゆくそうです。
きっとすぐに食べちゃうから、
その変化は味わえそうにありません。
おやつになるパンやラスク、プリンも…
また今度はいつ来ることやらなので、
いろいろ買ってきました。

パン、ばかりの食事で、我が家の
炊飯器は活躍の場がありません。
娘のお弁当づくりもなくなって、
なおさらです。


2012年11月20日

話(「4年後は…」)


大学の同級生だった理香ちゃん、
3年生と5年生の小学生のママです。
子育ての悩みも、まだまだほのぼの
しています。

「ねぇ、相談にのってねぇ」と
云われても「こども、たったひとりしか
育てていないから、 あまり頼りに
ならないとおもうの」とわたしは
身を縮めます。

中高一貫教育の公立校、受験の話を
ききました。いまは、すきな中学高校を
選べるのですね。国語・算数・作文の
塾に通っているそうです。親が教えると、
すぐけんかしちゃいますからね、
みんないっしょ。

下の男の子が中学生になったら、
お留守番できるから、旅行に
行こうねっていう話に。「その頃、
わたし孫がいるかもよー」
理香ちゃんは保母さんなので、
「いいよいいよ連れておいで、
面倒みるから」と。お友だちは、
なんて有り難いことでしょう。

たのしいおしゃべりの帰り道、
すみれが咲いていました。


2012年11月19日

話(「いちじくのコンポート」)


国立に住んでいる深雪ちゃんが、明大前まで、
夜に出てきてくれました。霧の濃い夜で、
京王線の電車のライトがとてもきれい。
線路沿いを歩いて、レストランに向かう途中、
「ムードあるねぇ」と深雪ちゃん。風景は
そうだけれど、わたしたちの話の内容は
どうかしらねぇ。

「もう、太っちゃってぇ…」と深雪ちゃんに
云われても「2キロくらい、気にしなくて
いいよ」とわたしは、お食事のあと、
デザートもいっしょに食べようと誘ってました。
季節のフルーツ、いちじくの赤ワインコンポート、
美味しかったね。

美味しいものをがまんしていると、きっと
ストレスで太るから、それなら食べて
太ったほうがいいんじゃないかしら。
歩いたり、一所懸命家事に精を出せば
きっとだいじょうぶだからねっ。




2012年11月16日

話(「しみずやすこさん」)


奈良にお住いのイラストレーターの
しみずやすこさん。オリジナルのカードで、
美しい文字のお手紙をありがとう。

奈良の山の季節の移り変わりを、教えて
いただいて、あぁ行きたいなぁ、と
いつもおもいます。京都より奈良は、
訪れた回数も限られています。おもいで
ばかりが、そのぶんとてもくっきり
しています。

お手紙のなかに、挟まれているのがこちらの
写真のもの。なんていうのでしょうか?
ちょうどコインのおおきさです。とても
いい匂い。バッグの内側のポケットに
入れています。"蓮"から、"紅葉とうさぎ"に
入れ替えたところです。

しみずさん、この冬はフィンランドに
おでかけです。オーロラに逢いたい…と。
いってらっしゃーい、また素敵な絵を
たのしみにしてます。


2012年11月15日

話(「パディントン」)


久しぶりに親子でお台場でした。
「なつかしいなぁ」とお互いに云っても、
それはわたしの場合10年前で、娘の場合
たった1年前なのです。

平日は、ほんとうに歩いているひとも
少なくて、レストランでも、
落ち着かないほどの寂しさです。
食事をしっかりして、甘いものは
ほとんど食べない娘です。このごろ
おとなになって、お付き合いは
してくれるようになりました。

そしてお買い物へ。「この冬は
パディントンになろう」と娘が
選んだのは、青いショート丈の
ダッフルコート。そして、赤いニットの
帽子も。「赤い長靴もほしいなぁ」と
そのかわりに赤い靴下を。先っぽを
切って、レッグウォーマー
つくってました。

この冬、またパディントンの娘と
おでかけしましょ。


2012年11月14日

「上海異人娼館」


寺山修司:原作、構成・美術:宇野亜喜良さんの
上海異人娼館」を東京芸術劇場
シアターウエストで観てきました。
客席300ほどで、とてもいい雰囲気。

Project Nyx」の今回の舞台、娘も
お手伝いをしています。稽古場の
東中野へ、そして劇場の池袋へと、
毎日通っては、その日のできごとを
話してくれるので、楽しみでした。

仕事中の娘に声をかけると、睨まれて
しまうので、そこはさっと素通り。

ロバと王様とわたし
あしたはみんな死ぬ
ロバは病気で
王様は退屈で
わたしは恋で
時は五月

このジャック・プレヴェールの詩は、
劇中で使われています。寺山修司の
世界を、宇野さんのセンスで展開。

毬屋友子さん、吉田日出子さんのオーラも
すばらしくて。華やかで妖艶です。
そしてしっかり影もあります。

音楽は黒色すみれ、おともだちの
裕ちゃんは、黒色すみれのファンで、
今回も劇中歌のCDお買い上げです。

2012年11月13日

話(「11月」)


クリスマスが終わるとすぐに、ポインセチアは、
素早く片づけられるのは、毎年のこと。

パンプキンもそうなんですね。先日まで
お花屋さんの店先に、秋らしく
飾られていましたが、ハロウィーンが
終わり11月になると、陰に引っ込んでと
ワゴンに乗せられて片づけられていました。

幼稚園・小学校の入試のシーズンでも
あります。娘は一人っ子なので、
きょうだいのように、幼い時に出会った
仲間と共に、学び遊びながら成長できたら
というのが、当時の理想でした。

それで、都内にあるたくさんの
私立小学校のひとつを、受験したのでした。
いまおもえば、よかったことも、
そうでなかったことも同じくらい。

もぅ遠いむかしのことのようで、
この季節になると見かける親子の姿に、
あぁそういうこともあったなぁと、
思い出します。


2012年11月12日

話(「Amy's Inn」)


「きょうたぶん、ともだちが泊まりに
くるから、よろしくねー」娘が
こういうときの、たぶんの確率は
100パーセントなんです。

ハロウィーンだからね、パーティー
だからねって。パンプキンの被りもの
頭にのせてます。

高校時代とちがって、ずいぶん遅い時間に
集まってきます。それもひとり、また
ひとりと増えていくのです。

コップが6つ用意してあれば、あとは
何にもいらないと。わたしが用意するより、
お持ち込みのほうが気楽なんですね。

娘の狭くて、おまけに散らかった部屋に
よくぞいらしてくださいますこと、
ありがとうです。

翌日の予定も、学校だったりバイト
だったり、みんなそれぞれの
時間に起きて、出かけて行くのです。
チェックアウトの時間を決めました。
10:00です。わたしが、出かけられなく
なってしまいますからね。


2012年11月9日

伊藤秀男さん


伊藤秀男さんの2冊の絵本の原画展に、
絵本だいすきな同級生のまりちゃんと
出かけてきました。

泥かぶら」のお話は、渋谷から歩いて
向かう途中、まりちゃんがあらすじを
説明してくれました。ひとめで、
表紙の迫力ある顔は、伊藤さんの
絵とわかります。

おうしげきだん」こちらはスズキコージさんの
文章に、伊藤さんが絵を描かれたのですが、
確かめないと、絵もスズキコージさんかと
おもってしまうくらい…色、構図、全体の
雰囲気、コージさんに吸い寄せられて
しまったとか、すごい引力。

伊藤さんは、岩手の花巻に旅をされて、
この秋の新しい作品も素敵。三つの
伊藤秀男さんを楽しめた展覧会でした。


2012年11月8日

篠山紀信展


篠山紀信展「写真力
東京オペラシティアートギャラリー」にて

"写真力"に圧倒されながら、テーマごとの
部屋をまわりました。圧倒されてそこに、
しゃがみこむような感じではなく、
真っ直ぐに立って、その写真から
目が離せなくなるような。

三島由紀夫の二枚の裸体の写真に
まず立ち止まり、大原麗子さんの
美しい写真、泣きたくなるほど美しくて。

寅さんの渥美清さんが、まだとっても
若いのです。1973年、何歳だったのかしら。
肌に年齢が出るといいますが、歯にも
若さがあります。寅さんってずっと年上の
おじさんと思っていたのに、年月の流れが
どこかで狂ったような、不思議な気持ちに
なりました。

あぁ、この写真どこかでみたことある、と
懐かしくおもう写真がいっぱいあります。
高校時代のおともだちといっしょに
見に行ったので、おもいでをひとつひとつ
確かめるように、楽しみました。

写真はとーっても大きくて、どんなに
ギャラリーが込んでいても、どこからでも、
じゅうぶん楽しめて迫力にどっきり。

2012年11月7日

話(「お祝いディナー」)


何処がいいって、希望を訊かれ、
「あまり遠くなくて、静かなところ」と。
瞳さんが決めてくれたのは、
シェラトン都ホテル東京。ここなら
ゆっくりお話しできそう、会うのも
久しぶり。

わたしたちには、あまり変化がないので、
盛り上がるのは、娘たちの彼氏のことです。
「えぇー、文学青年と別れてしまったのー?」
会ったこともないのに、小説を書く
その青年と、瞳さんの娘さんの恋を、
静かにわたし応援していたみたい。
新しい彼は社会人、またべつの魅力が
あるのでしょうね。

どんなことも、なるようになるからね…
瞳さんはこのごろでは、こうでなければ
いけない、という思いから解放された
そうです。そうすると、とっても
楽になったと。

退院のお祝いねって、おいしい
お料理ご馳走さまでした。


2012年11月6日

話(「フリーダ・カーロ」)


おともだちのKさんが、フリーダ・カーロ
絵を模写してくれました。フリーダの
絵葉書がみつからずに、それならと
描いて便箋にしてくれたのです。

そしてお手紙では、"一点突破"という
ことばを、教えていただきました。
一点ここだと思ったら、まずそこに向かう、
そこから突破口を切り開く、突き進めと。
希望がみえたら、明るい方へ、
考え過ぎないで、向かってみようという
気持ちになります。

生きて行くうえで、きっとなんども
決断に迷うことがあるとおもうけれど、
そのたびに、このことば思い出しますね。

わたしの力になるように、励ましに
なるように、こころをこめて
描いてくださった、Kさんの気持ちに、
うれしくて胸がいっぱいになりました。

これから少しつらいことがあっても、
なんとか乗り切って、笑顔でいないとね。


2012年11月5日

平澤朋子さん


ノーベル賞作家のセルマ・ラーゲルレーヴ
書いた名作「ニルスのふしぎな旅」。
その物語の中の6つが平澤朋子さんの挿絵で、
「ニルスが出会った物語」として6冊の
シリーズになって発売中。

第3巻は「クマと製鉄所」です。
スウェーデンの鉱山地帯が舞台に
なっています。平澤さんは、ニルスの
大ファンですから、きっとたのしく
たくさんの絵を描かれたのでしょうね。

くまやニルスはもちろん、背景の風景の
建物や木々にも、平澤さんの魅力が
たっぷりあらわれています。赤や緑の色にも、
あぁやっぱり平澤さんの色彩だなぁと。
すべてのページに、カラーの挿絵がある
素敵な一冊です。

古典童話をこどもたちにも、親しみやすくと
つくられたそうですが、おとなのわたしも、
美しい挿絵の本には、とりつかれてしまいます。

2012年11月2日

話(「再会」)


明け方に、突然の背中の痛みで
目がさめると、これは耐えられる
痛みではありませんでした。
娘の手配で、救急車で病院に
たどりつきした。

「お久しぶりです!」と声をかけられ、
わぁびっくり。なんと当直の先生が、
主治医の先生だったのです。
こんなに運のいいことがあるかしら。
もうほとんど説明もしなくて
だいじょうぶ。

点滴や検査はふつうに進められても、
先生の"顔"や"声"の安心感は格別です。
それも弱っているときはとくに。

罹ったことのある病院に行けたことも、
しあわせでした。その病院の診察券を
持っているだけで、こんなにスムーズに
すすむということも、実感しました。
診察券ばかり増えて、いろんな病気に
ならないように、気をつけなくては
いけませんけどね。

2012年11月1日

話(「マロンパフェ」)


秋です…うっかりしないうちに
行かなくちゃね。休日のティータイムは、
どこも込み合っていそうです。
ここならだいじょうぶでは、と信濃町へ。

わたしは、OL時代に会社の同期と、
仕事帰りによく食べに行ったおもいでが
あり、それからもたびたび。あのころ
同期の男性や、先輩の男性も、
男同士では、ちょっと恥ずかしいからと、
わたしたちといっしょに行っては、
美味しそうに食べていました。

オトナ価格のマロンパフェ、老舗で
あるだけに、見渡すと年配の方が
圧倒的に多いです。はじめて…という
裕ちゃんも、大満足でした。

小豆島に旅行に行った裕ちゃんと、
舞台となった映画「八日目の蝉」の
お話をしたり、オリーブのおみやげを
いただいたり。

ちょっと外をお散歩しよう…としたら、
もう真っ暗でした。秋の日暮れは
どんどん早くなります。