2011年8月30日

メグ・ホソキさん

メグ・ホソキさんのお人形の展覧会
ヌーベルバーグのモードへのオマージュの旅

自由が丘の「パセリセージ」という、とても雰囲気のある
日本でないどこかのような一軒家のショップが会場です。

苦手な地図をみながら、てくてく、入り口の木々の緑が
美しいお家、奥へ奥へと進むと、硝子のむこうに
メグさんの笑顔、久しぶりです。

手作りのすぐにメグさんの作品とわかる、おしゃれで
とびきり贅沢なお人形、アンティークのアクセサリーや
バスケットなどと馴染んで、つまさきで立っています。

日本ではみつからないという、小さな小さなスパンコールを
いっぱいつけて作られた靴で、つんとすまして立っています。
メグさんが大切にしていた布で作られたブラウスや、
真っ赤な毛糸で編まれたベスト、ワンピースあり、
パンツあり、あちこちにさりげないおしゃれな
女の子がいっぱい。

流れる音楽も空気も、「パセリセージ」ならではで、
いただくお茶も、こんなにおいしいのは、
心をこめられているからですね。

人見知りで…ほとんどどこにも出かけないし…という
メグさんですが、その落ち着いて、こつこつ前進される
生き方がとてもすてきです。

30代のときのような、徹夜してでもという無理は
できないけど、つくることが楽しくて楽しくて
というメグさんです。

展覧会が終わっても、お人形たちは行き先のお家が
決まるまで、パセリセージにいるそうなので、
会いにいってくださいね。

2011年8月29日

話(「サトウハチロー」)

「心のうた」サトウハチロー抒情詩集

装丁は堀文子さん。サンリオがまだ
「山梨シルクセンター」という社名だった
頃の一冊です。

「心のうた」のほかに、「美しきためいき」
「愛を唄う」「悲しくもやさしく」など
サトウハチロー詩集は何冊もあります。

昭和40年代、やなせたかし先生も、掌にとりやすい
抒情詩集をたくさんつくられました。

はじめのページに、

石井ふく子女史
佐世 直美女史
平岩 弓枝女史
お三人にこの詩集を捧げます
お三人がこの詩集の詩をボクに書かして
くれたからです
ありがとうとはっきり言います

サトウハチロー

と書かれています。

詩は、書かせてくれるひとがいるということに、
書き終えてから、とても感謝します。でも、
なかなかこんなふうに、はっきりと
ありがとうが言えません。すてきだなぁ、
サトウハチローさん。

さいごには、サトウハチロー略歴のほかに、
現住所、電話番号も載っています。あのころ、
個人情報なんていうことばもなかったし、
いまより緩やかに穏やかに暮らしていた気がします。

2011年8月24日

スズキコージさん









スズキコージ "サラバ ゲンパツ"「ADIOS NUKES展

急遽開催が決まったという「GALLERY SER」での
コージさんの展覧会。「ビリケンギャラリー」の
オーナー、三原さんといっしょに、ふらりと夕方
訪ねました。

コージさん、いらっしゃいました。おおきなおおきな絵を、
つなぎ姿で音楽をかけながら、制作中。しばらく、広い
このスペースをアトリエのようにしているんだと。

サラバ ゲンパツ、脱原発。はっきりと脱原発を
表現することに決めたんだ、とおっしゃっていました。
熊本や神戸の講演会でも、そのことをお話したり、
今後、レクチャーもすると。

9月10日までの会期中に、コージさんの絵や切り絵作品、
どんどん増えることでしょう、たのしみです。
ライヴ・ペインティングもあるようで、詳しい日時は、
ギャラリーにお問い合わせください。

コージさんは、こどもたちを守ることを、真剣に
考えています。わたしの、わたしたちみんなの願いです。
日本が原発をやめるまで、俺は続けることにしたと、
これから各地で展覧会があります。

都内でも、東中野、新宿とありますので、また行って
きましたら、こちらでご報告します。コージさんに
お会いした後は、わたしも熱っぽく娘に語るので、
すぐにわかるそうです。でも、もっと勉強しないと…。

2011年8月23日

話(「記録」 )

娘が通っていた、ご近所の幼稚園、今年になって
閉園の残念なニュース。署名活動などで、
なつかしいママたちにお会いする機会がありました。

あたりまえではありますが、3歳児が、高校3年生に
なっているのですから、外見も内面も、成長したのは
こどもたちです。ママたちはお互いに「年とったよねぇ」
「疲れるよねぇ」と。

その仲間のご自宅で、なつかしいビデオを見せて
いただきました。当時のVHSを、すべてDVDに
焼きなおして、大きな画面で鑑賞。むかしのことは、
とってもよく覚えているもので、さっと名前がでてきます。

こどもたちも、かわいいけれど、ママの声も、なんて
やさしいのでしょう。こどもは犬のようにじゃれあって、
あぁほんとうに動物っていうかんじ。

我が家には"写真"しか残っていないので、"動く映像"は
貴重で新鮮。ビデオのない我が家のために、たくさん
撮ってくださっていました。

小学校は、それぞれちがうのに、運動会にまで
駆けつけて、こんなにいっぱい残してくださっていたとは、
あらためて感激。お誕生日会もクリスマスパーティー、
ピアノの発表会まであって…。

いまだに、写真もフィルムカメラで撮っているわたしです。
おともだちのおかげで、こんなにたのしく回想を
楽しむことができました。

2011年8月15日

「手のひらを太陽に」つなごう心と心プロジェクト










被災地へ「詩とファンタジー」を送り続ける
プロジェクトが発足しました。現在発売中の
15号は5000部を。

今週は「詩とファンタジー」を代表して、
「かまくら春秋社」の山本さんが、現地に行って、
一冊一冊、直接手渡します。次号では、
そのときの詳しい様子も、ご報告できるでしょう。

これから何回かは、継続して東北の詩人特集で…と
編集会議で話し合いもしていますが、先のことは
本当にわからず、また次回、こうして鎌倉で
みんなで集まれますようにと、言葉を交わしました。

きょうは投稿詩の選考日でした。
湘南新宿ラインの逗子行きで、新宿から鎌倉までは
あっというまに着きます。海に行く親子連れ、
若者たちで、車内は明るい雰囲気でした。

「詩とファンタジー」の発行が一回お休みに
なったので、今回の投稿の山は、そのぶん
崩れそうなくらい積み上げられました。
10代から90代の方々の投稿作品に、真剣に
向き合います。

詩とイラストレーションの雑誌ですから、
季節は重視、そして絵の風景が、美しく、また
たのしく、広く深く思い浮かぶような詩が、
残ります。

選ばれた詩に、どんなイラストレーションが
描かれるのか、わたしたちも、それはとても
たのしみにしています。

投稿は随時受け付けています。
みなさまの詩を、お待ちしています。

写真は「手のひらを太陽にバンダナ

2011年8月14日

話(「あしながおじさん」 )

"あしながおじさん"と、お呼びしている紳士が
いらっしゃいます。世界の各地でお仕事を
されたご経験から、博学です。文学、美術、音楽、
政治経済…などなど教えていただくことばかり。

"あしながおじさん"、アンテナの感度がすばらしく
よくて、図書館に通われては、本だけでなく、
新聞・雑誌に目を通されて、「あなたには、
こんな記事がぴったりでしょう」というものを、
すべてコピーして揃えてくださいます。

定期便で届く、その記事を、いつもうれしく
読んでいます。好きな、興味のある内容が、
最初からそろっているなんて、極楽気分。

"あしながじさん"は、語学も堪能ですから、
原書で読んだんだけどね…と、さらりと
おっしゃって、難しいこともかみくだいて
説明してくださるのです。

"あしながおじさん"とは、ときどきお会いして
お食事しながらお話を。ちょっとせっかちすぎる
かしらと思うくらい、よく食べよく話します。

神保町の「如水会館」の、今回はフランス料理
でしたから、こうして一皿ずつゆっくりだと、
わたしたちもあわてませんね、と笑いました。

"あしながおじさん"…なんて呼んでいますが、
わたしもおばさんであることを、忘れては
いけませんね。

話(「おまえ」「あなた」)

おともだちの智恵ちゃんと、表参道でお茶、
そしてお夕食をしました。

わたしたちは、おんなふたりですが、まわりは
男女ばかり。それも、わたしたちより、
年上のかんじのおふたり連れ。

向かい側のお席に、たのしそうなおふたり、
ちらっちらっとみてしまいます。満面の微笑を
絶やさずに会話しているから、あのおふたりは、
ご夫婦ではないわよねと、勝手なことを
言い合って。

むこうのおふたりは、なんだかとっても
つまらなそう。淡々とそれぞれがお箸を
動かしている、落ち着いているといえばそう、
ああいう感じが、ごくふつうのご夫婦ねと
言ったり。

男のひとは「おまえ」って呼んでいるわ、
そして女のひとは「あなた」って。
「おまえ」なんて呼ばれるのいやよねぇ…と
智恵ちゃん。実は、わたしはそんなに
いやではなくて、黙ってしまいました。

若い頃は「おまえ」なんて呼ばれると、とても
親しくなったみたいで、うれしかったけどね、と
智恵ちゃんの話は続きます。

さて、智恵ちゃんはお家では、なんて
呼ばれているのでしょう。ふふふ。

2011年8月12日

宇野亜喜良さん










伯爵令嬢小鷹狩掬子の七つの大罪」プレビュー公演。
下北沢の劇場「ザ・スズナリ」。

今回は、寺島しのぶさんのご出演もあり、チケットは
即日完売。なんとか手にしたチケット、最前列で
観て来ました。

首に白いタオルをひっかけて、黒いTシャツ、
黒いパンツの宇野亜喜良さん。「最後、舞台に
水を流すんだけど、それがどうなるか心配で…」と。
「ザ・スズナリ」、熱気でいっぱい、通路も
補助席で埋まっています。

「僕が自由に物語を書き足しても、寺山さん、
僕ならゆるしてくれると思うから、今回もね…」と
宇野さんのお話を聞いて、始まる前からどきどきです。

劇中に、宇野さんのお人形が静かに、登場します。
女優さんに負けない力を発揮するのです、もう
釘付けです。そして人形遣いの方のみえない存在感。

舞台は最後、ほんとうに水浸しになりました。
そこに月が映るのです。誰もいなくなって舞台に
月だけが…。この余韻の美しさ、これが
ほんとうに素敵です。

パンフレットには、寺山修司のミニ詩集特集。
寺山さんの装丁を、なんと47冊も手がけられた
宇野さんの絵とともに、寝る前に、ゆっくり読みます。

2011年8月11日

内田新哉さん










表参道の「ギャラリーコンセプト21」で、
今年は真夏の水彩原画展「少年と夏の草道」
内田新哉さん。

Tシャツにジーンズ…の内田さんは、10年前から、
いえいえ20年前から、少しもかわっていないのです。

表参道の会場には、ひまわりのアレンジメントが
あちこちに飾られ、内田さんの絵の雰囲気に、
ぴったり合っています。

内田さんは、笑顔も声もことばも、ほんとうに
優しくて、いつも内田さんのまわりには、
ファンの方々がいっぱい。

ギャラリーの端には、桜の季節を描いた絵もあり、
内田さんの絵には欠かせない自転車、そして
学生鞄が置かれていて…その皮のぺったんこの
学生鞄のなつかしいこと。いつのまにか、
見ることがなくなりました。男子の白い布製の、
肩掛け鞄も同じようになつかしいです。

名古屋にお住まいの内田さん、こうして毎年
東京で個展を開いてくださるので、一年に一度は
お会いして、お話しできます。

詩とメルヘン」でデビューされた内田さんの
ご活躍の世界は、とても広くなっています。
詩とファンタジー」でも、たびたびお世話に
なっていて、毎回快く描いてくださいます。
続いてよかったですねぇ…としみじみした
おことばをいただきました。

2011年8月10日

島村洋二郎










37歳の生涯の島村洋二郎「青い光」遺作展へ。
キッド・アイラック・アート・ホール」。

洋二郎の姪御さんの島村直子さんが、ギャラリーに
いらして、絵のこと、人生のこと、お話をして
くださいました。

最初の結婚、2回目の結婚とも、うまくゆかず、
おふたりのお子さんはアメリカ人に引き取って
もらったこと。

貧しくて油絵が描けずに、パステルを選んだこと、
死の直前まで飢餓状態であったことなどなど、
なんてお気の毒と思います。

でも、叔父のおもいでは、ほとんどないのだけれど、
叔父の絵がだいすきという、直子さんのおかげで、
島村洋二郎作品はこうしていまも、遺作展が開かれる
しあわせに恵まれています。

直子さんが洲之内徹さんに、洋二郎さんの絵を
みていただこうと、銀座の画廊の持ち込まれた
ときのお話など、感動します。愛するひとの力に
よって、作品は生き続けるのですね。

展覧会場の硝子ケースの中の詩画集
スティーヴンスンの「童謡の花園」、直子さんが
そっとだしてきてくださって、掌にとって
みることができました。この時代の挿絵、
とてもすてきです、1940年代。

展覧会はもう終わりですが、ぜひ画集なとで
島村洋二郎作品をみてください。

2011年8月9日

牧野鈴子さん










牧野鈴子さんの、池袋の東武デパートでの絵画展。
A MID―NIGHT'S DREAM 第6回
1970年代の作品から、新作まで。

おしゃれな牧野さんが、会場で笑顔で迎えて
くださいました。「詩とメルヘン」の大大大先輩の
牧野さん、いつお会いしても気さくです。

えーっ、こんなに素敵なフクロウのリングが
300円!と、かっこいいお洋服やアクセサリーを、
びっくりするほどのお値段で発見されていて、
毎回のたのしみです。

「マッチ売りの少女」の絵本、少女のあこがれる
世界の透明さが、少女の絵の背景に美しく
描かれています。

こちらの絵本は、市販されていなくて、漢字に
ふりがなもなく、あら、どうしてかしらと
お訊ねすると、「石井式国語教育研究会」の
教材でした。

はこちゃんのおひなさま
海をわたったヒロシマの人形
共に戦争にまつわるお話、牧野さんが
絵を描かれています。

「はこちゃんのおひなさま」のときには、お兄様との
お別れ、「海をわたったヒロシマの人形」のときには、
15年暮らした愛犬との別れが重なってしまい
ましたが、悲しみに浸る間もなく、お仕事に
没頭されたそうです。

どちらも読み終えて、じーんと胸に手を当てて
いたくなる絵本です。原画も、絵本もどちらも
すばらしいです。

2011年8月8日

やなせたかし先生

詩とファンタジー」では、毎号"対談"を行っています。
発売中の今号は、戸田恵子さん。

次号の対談も、曙橋の「やなせスタジオ」で
楽しく終えました。やなせ先生は、秋の号なら
このシャツがぴったりでしょうと、シックな装いで。

そして、対談のお相手は漫画家の西原理恵子さん。
おふたりとも、高知県のご出身。ほんぽん、ひやひや
するような本音トークは、気持ちよくて、きっと
誌面でもそのままを、お伝えできるとおもいます。

やなせ先生は、西原さんの吉祥寺の豪華なお家、
スタジオに、ぜひ行ってみたい、とお元気です。

それもそのはず、2年間で10回も入院されていた
やなせ先生ですが、病気は完治しました、もう
病院には遊びに来ていただくだけでオッケーです、
というドクターのことばに、それはそれは
うれしかったとのこと。

対談のお相手は、やなせ先生ご自身のリクエストです。
いつも女性ばっかり…とわたしたちは、くすくすと
笑っています。お写真を撮るときなど、女性となら、
ぴったり寄り添った一枚になりますものね。

さぁて、次号の特集はどうするか…といつも
アイディアをくださいます。そして
「詩とファンタジー」を東北に5000部ほど
プレゼント、これからもそれは続けていきます。

「詩とファンタジー」では、特別のページを設けて、
東北にお住まいの方々の詩を募集中です。
ぜひ、そのページに絵を描かせてくださいという、
イラストレーターさんもいらっしゃって、
次号の準備は、すすんでいます。

2011年8月4日

「星くず朗読会」 シリーズ6

ちょうど1ヶ月後・・・

「星くず朗読会」
シリーズ6は
今までとは
少し違った
内容で
お届けします。

詳細は上記の画像↑をクリック!
みなさまのご来場、お待ちしております。

ご予約はコチラ→ stardustreadings@gmail.com

日時:
2011年9月4日(日) 15:00~16:30

場所:
(京王線・京王井の頭線「明大前」駅 徒歩2分)
世田谷区 松原2-43-11    03-3322-5564

入場料:
2000円(コーヒー・クッキー付き)
定員20名

「クリップ」52号

「薔薇」

薔薇のうたが
垣根越しに
聴こえてくる

光をしたがえ
雨をしたがえ

わたしも
立ち止まって


「クリップ」51号の巻頭詩に、noaさんが
絵を描いてくださいました。
とってもうれしいです、
どうもありがとうございます。

そして、「クリップ」52号ができあがりました。
今回の巻頭詩は「ノウゼンカズラ」
クリップに寄せてのエッセイは、内田麟太郎さんに
いただきました。こちらもどうぞおたのしみに。

よろしくおねがいいたします。

2011年8月3日

話(「神保町 ふたつのオードリー」)

高校時代の同級生との、定例夜のお食事会、
7月篇です。

神保町の「鴻」での待ち合わせにしました。
それぞれ時間通りに着いたのに、あっ、まだ
来ていないとおもって電話。

「お店の真ん前にいるよ」
「えっ、わたしも真ん前にいるけど…」
ちょっと斜めかなぁとおもったりして、
くるりと見渡してみてもいません。

三省堂の近くの「鴻」ね、と云ったけれど、
おもえばおかしい…。ちょっと場所が不確かだから、
早めに行くねということば、聞き流しましたが、
大通りに面して、ちっともわかりにくいところでは
ありません、わたしの「鴻」は。

「スープカレーのお店よね」というわたしに
「飲み処だよ」って。これはますますおかしい、
「鴻」、おなじ方の経営でふたつのお店が
あったわけです。レトロな雰囲気は共通してます。

三省堂の前まで行って、無事に会えました。
今回は飲み処さんの「鴻」へ、家庭的なお料理が
美味しくて、何より居心地がとてもよくて、
80年代の音楽がずーっとかかっているところが、
またよくて。

待ち合わせの段階で、笑ってしまって、それから
ほとんど笑ってました。音楽がわたしたちを、
高校時代に引き戻してしまった、ということに
しておきます。

2011年8月2日

横田沙夜さん

ビリケンギャラリー」で、横田沙夜さんの個展
兎頭のささやき」開催中です。

横田さんにはじめてお会いしたのは、吉祥寺。
舟崎克彦さんの、大学での教え子さんで、
卒業されたばかりの頃だったでしょうか、
ご紹介していただき、絵をみせていただきました。

今回の展示では、"兎頭"を被った少女の水彩画が
並んでいます。少女の顔、目にとても特徴があって、
しあわせに満ちながら、寂しさを湛えたような表情。
不安そうな少女に、手を貸そうとすると、結構です
と、ぴしゃりと云われそうにもみえます。

背景を丁寧に描き込んだ絵より、少女に焦点を
絞って描いたもののほうが、人気があるようです。
この絵は、どんな方が買われたのかしら、と
そんな興味もわきます。

"兎頭"を被って、さらにそのうえに紙風船を
のせた絵、横田さん、実は村山槐多がだいすきで、
槐多の紙風船の絵をおもって、この一枚を
描いたそうです。

硝子ケースの中には、小さな小さな絵も飾られています。
横田さんも、その絵の少女のように、可憐です。
横田さんの在廊日に、ぜひ「ビリケンギャラリー」に
遊びにいらしてくださいね。