2011年3月28日

話(「エミちゃん」)

久しぶりの春の日本、桜を楽しみにもうすぐ
遊びに来る予定だったエミちゃん。わたしも
再会を楽しみにしていましたが、もちろん
またの機会になりました。

スイスから、インターネットでレストラン、
桜の時期に予約までしてくれて、
それはそれはどうもありがとう。

横浜の高校に留学していた、エミちゃんの
娘さんも、今回の地震は怖かったことと
思いますが、おともだちのホストファミリーと
連絡がついて、その夜のうちに帰宅できたそうです。
国からの勧めもあり先日、留学を切り上げて
スイスに帰国しました。

エミちゃんのおかあさまは、岩手県の久慈市に
おひとり暮らし。避難生活をされていることは、
確認できていましたが、心配です。先日、初めて
電話がつながりました。お声に安心しました。

ご自宅で、配給される食べ物を待っての生活です。
「戦後の貧しい時代を経験しているから、
平気なのよ。真っ暗なのも、ひとりなのも、
心配されるけど本当に大丈夫。病人を抱えている
わけでもなく、ひとりでよかった。」

「不便なところでしょ、ある程度の買い置きも
していたしね。海岸の風景が、かわってしまったから、
これは見ないほうがいいわ。いまここに、
やなせたかしさんの合唱曲集があるの。やなせさんの
詩は、元気がでるわねぇ」と。

涙ぐんだりしちゃったわたしのほうが、励まして
いただきました

話(「グリルマリノ」)

きょうもまた遠出はせず、地元永福町に住む
おともだちの"ももちゃん"と「グリルマリノ」で
お昼をいただいてきました。

永福町の商店街にある、町の老舗洋食屋さん。
おじさん、おばさんの笑顔と、そのメニュー数は
すばらしく、ボリューム満点、そしてとても
おいしくてリーズナブル。

ももちゃんは原宿にある会社でお仕事をして
いますが、マッサージの技術も持っていて、
いま大忙しです。

大地震、そしてそれに続く余震で、東京に住む
わたしたちのからだも、気付かないうちに、
かなり緊張して凝り固まっているそうです。
そんな方々のところへ出向いて、リラックス!

マッサージは、ひととひととの関係も重要、
話していても、ももちゃんには相手を心地よく
させる力があります。

ももちゃんは、わたしよりうーんと年下なんです。
でも経験が豊かで、ずいぶん長く生きてる
ひとみたいねって。

デザートのチーズケーキ。添えられた
アイスクリームが、桜色でおいしかったです。
帰り道には、桜がほら、こんなにきれいに
咲いてました。

話(「明大前 ハイクリーナー」)

娘のPコートと制服を持って、クリーニング屋さんに。
裏地がびりびりになってしまい、わたしの手に
負えそうにありません。

クリーニング屋さんのおじさんに相談すると、
この近所の元ボタン屋さんで、綻び直し
やってくれるところがあるよと、紹介して
もらいました。

「あぁ、でもこれは破れたんじゃなくて
ほつれただけだから、あなたにもできるよ…
でもあなたは仕事しているしねぇ…」

いいえいいえ、そんな忙しい身ではありません、
ただあまりにも不器用なだけ。「これなら、
わたしが軽く留めといてあげるよ、ちょうどいま、
忙しくないからねぇ」

それはそれは、ありがとうございます、あと一年
この制服を着てもらいます。

地元のクリーニング屋さんとも、おつきあいは
長くなりました。娘があまりに、派手に制服を
汚すものですから、スカートをはいた男の子かと
思ったよと、おじさんにはよく云われたものです。

おじさんのご好意で、朗読会のお知らせも、
置いてくださってます。「みんなにDM持ち帰って
もらったけど、果たして行ってくれたかなぁ」と
ご心配いただきまして、ありがとうございます。

このところ、遠出を控えているせいか、地元
ご近所さんのありがたみを強く感じています。

先日も、おともだちに明大前の焼き鳥やさんに
連れて行ってもらいました。
あっ…この日は吉祥寺まで出かけましたけどね。

話(「double knit clover」)

昨年の秋に、明大前にオープンしたお花屋さん。
キッド・アイラック・アート・ホールのすぐ
近くです。わたしの家からは、駅までの
通り道にあります。

お店の外に並んでいる鉢植えが、見当たりません。
でも、小さな灯りをつけて、店内にはお花が
いっぱいです。前日、市場に行って仕入れてきた
ところですと。

"このあいだ"…は大地震の前です、ミモザと
チューリップを選びました。きょうはどれに
しようかな、お花ならなんでもいいという
気持ちでした。薔薇を一束、自宅用です。

いつもより暗めの、暖房を入れていないお部屋で、
薔薇は、なんてすてきな雰囲気をつくって
くれるのでしょう。この室温なら、長持ちして
楽しませてくれそうです。

「いいねぇ、いいねぇ」娘の声も柔らかく。
このごろ、ひとりひとり、お互いの気持ちが
優しくなっています。どうか、気のせいでは
ありませんように。

2011年3月23日

話(「ブックスフレンド 明大前店」)

三連休の最終日は雨でした。明大前駅前の
本屋さん「ブックスフレンド」に行くと、
いつもよりずっとたくさんのお客様が、
本を選んでいます。

オーナーの吉田さん、お客様倍増なんですよ…
みんな家で本を読んだり、DVDを観て過ごして
いるんでしょうねと。

大地震の日も、吉田さんはお店を遅くまで
開けていました。どうしていいのか、
わからない人達が飛び込んできて、店内は
50人以上の人々でいっぱいだったそうです。

食べものは差し出せないけど、家まで歩いて帰る
ひとに道順を教えてあげたり、寒いからとにかく
ここで暖まってから帰ったらと、駅前で途方に
くれているときに、それはとても心強く感じますね。

駅前の本屋さんでは、雑誌くらいしか買って
いないのですが、毎月のことですから、
いつのまにか顔なじみになります。
「お嬢さん、大きくなったでしょう」と訊かれ
「はい、春から高校三年生、小学生のときは
何を読んでいたのかしら」

こうして、年月を経ながらおつあいできる、
自宅に帰る前に、ちょっと立ち寄れる地元の
本屋さんがあるのは、とてもうれしいことです。

話(「新川和江さん」)

少し落ち着いて、おともだちとも連絡を
取り合ったり、お話もできるようになりました。

新川和江先生、復興の詩を書かなくては
ならないけど、きょうは一休みするわと仰って、
お話をしてくださいました。

新川先生、新宿で病院帰りに地震に遭遇し、
タクシーが拾えず立ち往生していたそうです。

何時間も立ったままタクシーを待つこともできず、
目の前の自家用車の窓をコンコンと叩いて、
とにかく途中の駅まで、乗せて行ってほしいと
お願いしたところ、なんと方角がいっしょどころか、
ご近所に偶然お住まいの方。何台も試みるつもりで
いたところ、一台目にそんな幸運な出会いがあって、
ほんとうに助かりましたと。

ロダンの孫弟子がつくったブロンズ像と、絵皿が
落ちてきて割れたけれど、それだけで済みました、
東京では、まだ生活するのにも困らないし、
お墓参りにもいかないとねぇと。

身の回りを見渡せば、幸運もたくさんあった
ことに気付きます。ありがとう、を伝えたい
ひとがいっぱいいます。

また今度にしないで、お墓参りもいかなくちゃ。

話(「古本募金」)

手元に残っている本は、僅かです。
読み終えると、すぐに本は処分することが、
身についてしまって。

編集に係わっている「詩とファンタジー」。
この雑誌だけは我が子のように、本屋さんで
心細く置かれているところをみつけると、
連れて帰らなくては、捨てられてしまう
気持ちになって、実は何冊も、何十冊も
買っては、我が家に眠らせておいたのです。

14号まである「詩とファンタジー」は、
かなりの数になり、ふたつの袋に分けても
持って歩くことができません。娘の彼に
お願いして、バイクで運んでもらいました。
大切なガソリンありがとう。

器も受け付けますとのことでアンティークの
お花のデミタスカップ、フルセットも
いっしょに運んでもらいました。
ニューヨークのおもいでの品です。
ひととの別れにくらべたら、モノとの別れは
どうってことないです。

ひげ☆ぼうずさんと待ち合わせて、荻窪の
6次元」に向かいました。彼は、長谷川集平
本ばかりをごっそり、大きなリュックに
詰めてきました。これはお宝本だ、と思わず
もういちどしまい込みたくなるような本も。

値段をつけて、ひとりひとりダンボールに
入れて。持ち込むひとも、買っていくひとも、
「6次元」に溢れかえり、その熱気といったら。

ラジオからのニュースも、きょうはお休みして
黙々と作業をしながら、初めて会った仲間と、
おしゃべりしたり、珈琲をいただいたり、
暗くなってから大きめの揺れもきましたが…
少し気持ちが強くなったみたい。

"わすれなぐさ"のピンバッチと、ネックレスを
いただいて、義援金を箱に入れてきました。
ひげ☆ぼうずさんは、何をみつけていたのかしら。

写真は、積み上げた本の前で値札をつける
ひげ☆ぼうずさん、おともだちの「6次元」
オーナー中村邦夫さんとイラストレーター
小川かなこさん。

中村さん、おからだ大切に、古本募金の活動
つづけてくださいね。


話(「耳うらの星」 )

ゆっくり読むことを楽しみにしていた
東直子さんのエッセイ集「耳うらの星」。

大地震からの一週間に、ひとつのお話、
またひとつのお話と、刻まれた落ち着かない
時間に、それでもそのときだけは温かい
お紅茶をいただくような気持ちで読みました。

東さんも、こどもの頃よくお引越しを
されたんだ…。とても大きな共通点に、
ぷるぷると心がうれしく震えました。

小学校も中学校も、何度か転校をしました。
単身赴任などは、ありえないという
父だったのかしら。

転校してゆくのは、さみしいことだけれど、
さよならと手を振りながら、これからの
新しい生活にわくわくしてくるのも、
本当でした。

東さんが、こどもの頃の風景を描かれた
お話は特に、こども時代のわたしに再会する
ようで、自分では決して思い出さないような
ことを、運んできてもらえました。

独りの夜にそっと開きたくなる網中いづるさんの
赤いタイツの少女、の装丁の一冊には短歌や
短歌にまつわるお話も、挿まれています。

東さんの朗読を、ききにいく予定でしたが、
この時期ですから中止。被災地の方々にも、
まわりのわたしたちにも心おだやかに暮らせる
日々が訪れますように、祈ります。

2011年3月18日

話(「和合亮一さん」)

福島市にお住まいの和合亮一さん。

きのう、偶然、ツイッターでの和合さんのことば
触れました。お元気かなぁ…だいじょうぶかなぁ…
と、東京でお会いしたときのことを、思い出して
いました。

立川のカルチャーセンターで、新川和江さんと、
和合亮一さんとの詩のお話を聞いたのは数年前です。
喫茶店に移動して、そこでも詩のお話を続けて
しました。

その年の手帳を取り出して、確か和合さんに
アドレスなど記してもらった…と探すとありました。
そしてお電話してみると…あまりにすぐに繋がって
びっくり、よかったです。

ご家族を避難させて、ご自宅におひとり残って
がんばっています。外には出てはいけない地域で、
こもりきりのご様子。

いろいろなことを、落ち着いて話してくださったの
ですが、わたしのほうがボーっと聞いていた状態で、
すみません。

今までは、地震の無い地域で、そこが安全とされて
原子力発電所も建設されたということなど。でも、
どんなことでも「絶対」ということはないんだと。
「絶対」可能もなければ、「絶対」不可能も
ないのですね。

大地震の体験は、ことばに残してまとめると、
とても力強い声でおっしゃっていました。
声の力って、素敵ですね、ことばに力や表情を
添えることができて。

またお会いしましょうねと、明るい気持ちで
電話を置くことができました。

2011年3月17日

絵本寄付のおねがい

先日、「星くず朗読会」にゲスト出演していただきました
内田麟太郎さんからお聞きしての、おねがいです。

以下のブログ先、「絵本に関わる皆様へ」を参照してください。

星くず朗読会より

ひげ☆ぼうずです。

2月に行われた、やなせたかし先生"お誕生日会"の
星屑同窓会」の会場にて、FMラジオ放送局
TOKYO FM」の番組「シナプス」の構成作家さんから、
やなせ先生がインタヴューを受けました。

その模様は、後日、番組「シナプス」火曜日の
放送の中でオンエアされ、たいへん大きな反響が
あったそうです。

現在、この東北関東大震災の中で、2月のときと
同じように、やなせ先生に、アンパンマンに、
たくさんのメッセージが届いているそうです。

上記の構成作家さんから、メールをいただきました。

> ラジオには沢山アンパンマンの曲や
> 手のひらを太陽に、のリクエストが来ています。
>
> 今こそ、アンパンマンの精神で、自分の身を削っても
> 分かち合う気持ちをということで、ラジオでも
> 何度も紹介しています。
>
> そして、それを聞いた小さい子供から大人まで、
> 勇気や力をもらっているようです。
>
>改めてやなせ先生に尊敬の念と感謝を感じています。
>もし機会があれば、是非、やなせ先生にお伝え下さい。

さあ、「アンパンマンマーチ」や「手のひらを太陽に」を
歌って、いつものように元気を出しましょう!

話(「献血」)

娘の通う高校は、春休み前ですが、しばらく自宅待機です。
きょうはいっしょに近所に買い物に、重いものは持つからと、
こんなことも、いつもはあり得ないことでした。

ドラッグストアを何軒かまわりましたが、ほんとうに
ティッシュペーパー、トイレットペーパー、生理用品など
すっからかん、ひとつもありませんでした。
まぁ、何とかなるでしょうと引き返してきました。

それから娘は、渋谷に献血に出かけて行きました。
若者たちの行列、みんな何かできることを考えて、
勢いのある長蛇の列だったそうです。

17才、40キロの女子だと献血できる量は、200cc。
今回は400ccの方から優先ということで、仕方なく
帰ってきました。

「何か観たいDVDある?借りていくけど」と途中から
連絡をもらいました。小さな気分転換をしながら、
がんばっていくことを、わたしも学ばなければいけませんね。

話(「笑顔」)

3月11日金曜日の大地震・津波。
何をしようか、何ができるのか、
何もしないうちに、どんどん時間がすぎていきます。

土曜日に会う予定をしてたおともだちとの
約束は、大地震後のショックと、こころの混乱で、
その日は延期にしました。

そして月曜日…どうしよう…余震も停電もあるし。
日常を取り戻さないと、どうにもならないと、
市ヶ谷で会いました。

被災地の方々を思う痛みを胸に、だけど笑顔で
いなくちゃ、だれのことも励ませないからねと。
笑おうとしても、笑えないこともあります、無理を
しても笑顔をつくれないこともあります。

でも、わたしたちはまだこんな笑顔で接する
ことができると、向き合いながら、お互いを
確認するようでした。

おともだちは、音楽畑でチャリティーコンサートの
あれこれの計画をすすめています。
阪神淡路大震災後のコンサートも
経験済みですから、きっとみんなの気持ちを
ひとつにして、感動を呼び寄せてくれるでしょう。

わたしも、ほつぽつ、歩き始めなければ…。

2011年3月16日

星くず朗読会より

●平岡淳子から
内田樹の研究室 より
<以下引用>

「未曾有の災害のときに」

3月13日
東日本巨大地震から三日目。
朝刊の見出しは「福島原発で炉心溶融の恐れ」と
「南三陸町で1万人行方不明」。

16年前の大震災を超える規模の国家的災厄となった。
これからどうするのか。

このような場合に「安全なところにいるもの」の
基本的なふるまいかたについて自戒をこめて
確認しておきたい。

(1)寛容
茂木健一郎さんも今朝のツイッターで書いていたけれど、
こういう状況のときに「否定的なことば」を発することは
抑制すべきだと思う。

いまはオールジャパンで被災者の救援と、被災地の復興に
あたるべきときであり、他責的なことばづかいで
行政や当局者の責任を問い詰めたり、無能力をなじったり
することは控えるべきだ。

彼らは今もこれからもその公的立場上、救援活動と
復興活動の主体とならなければならない。
不眠不休の激務にあたっている人々は物心両面での
支援を必要としている。モラルサポートを
惜しむべきときではない。

「安全なところにいる人間」と「現地で苦しんでいる人間」を
差別化して、「苦しんでいる人間」を代表するような
言葉づかいで「安全なところにいる人間」をなじる
人間がいる。

そういうしかたで自分自身の個人的な不満や攻撃性を
リリースすることは、被災者の苦しみを自己利益のために
利用していることに他ならない。

自制して欲しい。

(2)臨機応変
平時のルールと、非常時のルールは変わって当然である。
地震の直後から各地では個別的判断で、さまざまな施設や
サービスが被災者に無料で提供されたし、いまも次々と
申し出が続いている。

こういうときこそルールの「弾力的運用」ということに
配慮したい。16年前の震災のとき、雑貨屋で私が
ガソリンストーブ用の燃料を買い求めてレジに立って
いたとき、「屋根が落ちて雨漏りがする」というので
ブルーシートを買いに来た女性がいた。

店員は私の燃料代は定価で徴収したが、彼女には無料で
ブルーシートを手渡し「困ったときはお互いさま」
と言った。

彼のふるまいは「臨機応変」のすぐれた実例だろうと思う。

(3)専門家への委託
オールジャパンでの支援というのは、ここに
「政治イデオロギー」も「市場原理」も関与すべきではない、
ということである。

国民国家という共同体が維持されるために必要な根源的な
資源のことを「社会的共通資本」と呼ぶということは、
これまでもここで繰り返し書いてきた。

森林や湖沼や海洋や土質といった自然資源、上下水道や
通信や道路や鉄道といった社会的インフラ、あるいは
司法や医療や教育といった制度資本については、
管理運営を専門的知見に基づいて統御できる専門家に
「委託」すべきであり、これを政治的理念の
実現や市場での取引の具に供してはならないという
考え方のことである。

災害への対応は何よりも専門家に委託すべきことがらであり、
いかなる「政治的正しさ」とも取引上の利得ともかかわりを
持つべきではない。

私たちは私たちが委託した専門家の指示に従って、整然と
ふるまうべきだろう。

以上三点、「寛容」、「臨機応変」、「専門家への委託」を、
被災の現場から遠く離れているものとして心がけたいと
思っている。これが、被災者に対して確実かつすみやかな
支援が届くために有用かつ必須のことと私は信じている。

かつて被災者であったときに私はそう感じた。
そのことをそのままに記すのである。


●高橋智之(ひげ☆ぼうず)から
谷川俊太郎「蟻と蝶」
「現代詩手帖」2008年8月号(思潮社)
全日本漢詩連盟 ウェブサイト より
<以下引用>

蟻たちはその小ささによって生き残った
蝶たちはその軽さによって傷つかなかった
しなやかな言葉もまた大地震に耐えるだろう
だが今は言葉を慎んで私たちのうちなる沈黙の金を
四大に伏した者たちに捧げよう

2011年3月7日

ありがとうございました

 「星くず朗読会 シリーズ4」満席のご予約を
いただき、今回はステージを一段高くして
朗読、トークをさせていただきました。

窪島さんからみると、内田麟太郎さんもわたしも、
"天然のひと"なんだそうです。…という窪島さんは、
"養殖のひと"とおっしゃってました。

詳しいご報告は、ひげ☆ぼうずさんにお任せして、
興奮冷めやらぬ、いまの気持ちだけを。

今回は、岡山伸也さんの原画6枚をどーんと
ステージに飾り、照明の色なども含めて、
豪華な舞台でした。

岡山さんのどこか神話風な原画に、ファンも
増えたことでしょう。ポストカードのサービスも
ありがとうございました。

麟太郎さんは、わたしの高校・大学時代の
同級生に囲まれ、2次会ではお茶目ぶりを
発揮されて、びっくり!

窪島さんとのトークは、緊張する…と
おっしゃっていましたが、その緊張もすべて
この2次会で、ほぐされていたようです。

花束を抱えて電車に乗ると、退職祝いと
間違えられるからと、おおきな袋に、
花束をしまわれて改札でお別れしました。

ぎゅうぎゅうに詰めてお座りいただいた
みなさまに、あらためて感謝いたします。
星くず朗読会 シリーズ4」に、お越しいただき
どうもありがとうございました。

2011年3月4日

あしたの朗読会

内田麟太郎さんをゲストにお迎えしての朗読会
いよいよ明日になりました。

「どんなお客様か、不安だなぁ…ぱっと見渡して
会場の雰囲気で、読む詩を決めよう」と
臨機応変、余裕の麟太郎さんです。

わたしは、うーん、前回は恋愛詩、今回は…と
悩みましたが、せっかくのライブですから
未発表の「如月の詩」にします。2月に書いた
詩の中から、30篇の短詩を読みます。

DMの絵を担当してくださった岡山伸也さんは、
茨城の結城から原画を数枚持ってきて、
会場を飾ってくれます。

「夜のナンセンス うっ詩っ詩」に合わせて、
今回もひげ☆ぼうずさんが、開演までの
待ち時間に楽しめる音楽をセレクトして
くださいます。

信州から新幹線で今回も往復してくださる、
窪島誠一郎さんの到着を待って、あしたも
元気にスタートできますように。

おかげさまで満席になりました。

小さな椅子のご用意もありますので、
当日思い立った方も、ぜひお越しくださいませ。
あしたは暖かくなりますように。


終演後、地下の「ブック・カフェ槐多」で
2次会のお席が用意してあります。

お時間のある方は、ぜひ地下まで
もぐりこんでくださいね。

灘本唯人さん

詩とファンタジー」のイラストレーション
選考会を終えて、傘をさして向かったのは、
灘本唯人さんの展覧会。「GALLERY HOUSE MAYA」へ。

「ようこそいらっしゃいました」という
灘本さんの丁寧で穏やかな話し方に迎えられて、
ほっとします。

時代小説の挿絵、男と女の絡みや、そのふたりの
距離感、灘本流の色っぽさにぐっときて、
ふふっと笑みがこぼれます。

奥のギャラリーでは、灘本さんの蔵書が並べられて、
こちらはすべてオークションになっています。
最後の日にいちばん高値をつけた方が、その本を
手に入れられるのです。デザイン性の高い、
いまとなっては希少価値ある本がずらりと。

「もうこの年では、持っていてもしょうがない」と
おっしゃる灘本さんは、昭和元年のお生まれです。

途中、「香咲」という落ち着く喫茶店に寄りました。
ホットケーキが名物のようですが、きょうは
丸ごとの焼きりんごを。珈琲の器も素敵で、とても
美味しかったです。また、行ってみたい…とおもう
大切にしたい喫茶店でした。

2011年3月3日

noaさん

「雪」

いつのまにか
雪の降り積もる

静かな一夜に

埋めてしまう
棄てるのでなく

このおもいを


noaさんが「CLIP 49号」の巻頭詩「雪」に
イラストレーションを描いてくださいました。
noaさん、どうもありがとうございます。

もう、春一番が吹きましたが、また、
春の雪が降るかもしれませんね。

2011年3月1日

宇野亜喜良さん










フェリシモ」の「おはなしのたからばこ」より、
宇野亜喜良さんの絵本は四冊でています。

編集をされた佐川祥子さんと
「おはなしのたからばこ」全33巻刊行記念の
トークセッションがジュンク堂書店新宿店
カフェでありました。

帯に注目です。読者のこどもたちのひとことが
書かれていたり、宇野さんがイラストの
すずの兵隊」の兵隊さんを真似して描いた、
かわいいこどもの絵が、帯になっています。

宇野さんは、常識とはちがうおもしろいことを
これからもやっていきたいですねと。こどもは
目がいいんだから、こどもの本でも小さな文字の
ものがあってもいいのではないかと。

お仕事を始めるとき、何かそのときの気分を決める
音楽を選ばれるそうです。トークセッションの後、
木炭でのライブペインティングがありました。

音楽は、ジェーン・バーキンのアルバム
アラベスク」。宇野さんの魔法の左手で、
魅力的な絵が瞬く間にできあがりました。
ジュンク堂書店でいま、飾られているはずです。

「星くず朗読会」 シリーズ4










事務局、ひげ☆ぼうず、です。

3月です、そして朗読会は
いよいよ今週末です。

「星くず朗読会」 シリーズ4

【日時】 2011年3月5日(土) 17:00~18:30
【入場料】 1500円 (定員50名)
【出演】 平岡淳子(詩人)、窪島誠一郎(作家)
【ゲスト】 内田麟太郎(詩人・童話作家)

よろしくお願いします。