2012年5月31日

話(「表参道 犬を連れて」)

お天気がいいので、表参道から渋谷まで
歩いて帰る途中でした。

呼ばれてる…えっ、すぐには判らない。
娘の親友のママでした。学校で紺のスーツで
会ったなら、すぐ判るのに、表参道で
Tシャツ・ジーンズだと判らない。そして
大きな犬を連れています。11歳になる
ゴールデンレトリバーの女の子。

こどもの城」の前は、休日のマルシェに
なっています。オレンジジュースを買って、
ベンチでおしゃべり。

犬がいっしょだと、見知らぬひとがいっぱい
話しかけてくるのですね、若者や、カップルや。

子育ての辛苦を共にしたママで、ゆっくり
会おうねという約束がなかなか実現
できませんでした。でも、きょうみたいに
ふと偶然に、会いたいひとには会えるように
なっているのですね。

夕方になって、マルシェも店じまい、
わたしたちもまたねって、おわかれしました。


2012年5月30日

話(「母の命日」)

母が亡くなって、3年を過ぎたころから、
気持ちは楽になるわけでもないのですが、
なんだか、あきらめがついてきました。

今年は4年目、命日にあたる平日、義妹と
お墓参りに。お天気がよいと、気持ちも
明るくなります。色とりどりのガーベラを
挿しながら、母の年齢をおもったり。

帰り道は、港の見える丘公園を通って、
咲き乱れる薔薇を。あまーい香りにつつまれて、
初夏の日差しを浴びて、気持ちのいいこと。
絵を描いているひとびとも、たくさんいました。
こんなに薔薇の美しい季節に、命日が
重なるなんて、しあわせ。

また来年も、薔薇の季節にねと、義妹と
約束しました。お墓という場所に、ひとりで
行くのが怖いわたしですが、義妹は、
ぜーんぜん平気よって、助かります、
どうもありがとう。


2012年5月29日

宇野亜喜良さん












「Bunkamura」で大展覧会を開催中宇野亜喜良さん、
銀座の「スパンアートギャラリー」では
「白い祭」- La Fete Blanche -展がはじまりました。

白い立体作品と、カラーの絵が、交互に並んでいます。
合わせて30ほどの作品、なんとほぼ一か月の間に
制作されたというのですから、驚きです。

宇野さんのいままでの作品、5万点以上になるそうです。
すごい数字、そして作品の美しさ、かっこよさ。
天才…やっぱりほんとうに天才です。

お芝居のお仕事もされていて、超ご多忙の宇野さん、
ゴッホのような手で、ご帰宅されることもあって、
「白いお風呂が汚れて、きれいにするのがたいへん」と
奥さまのおことばでした。

今回の立体作品は、シャンパンの蓋が土台に
なっています。アルコールを召し上がらない
宇野さんのところに、このシャンパンキャップ、
どんどん集まってくるそうです。どんどん
作品にされていくようです、これからも。

2012年5月28日

現代短歌新聞


石川洋一さんが編集長の「現代短歌新聞」が
4月に創刊されました。4月の創刊号、5月の
第2号を、笑顔の石川さんからいただきました。
石川さん、ふだんもにこにこですが、
お酒が入ると100倍にこにこになります。

集英社で長年の編集者生活を経て、それからは
短歌に身を捧げていらっしゃいます。
ご自身も短歌を詠まれています。
30代の頃、仕事もめちゃめちゃ忙しかったのに、
心の泉から、歌が溢れ出てきたそうです
それからずっと、歌われています。もう
死ぬまで僕は、歌い続けます…と。素敵です。

「現代短歌新聞」は、12ページ、インタビュー、
歌壇時評のほかに、短歌にまつわるニュース
満載です。

本屋さんでは売られていないそうで、直接の
定期購読をおねがいします。創刊号は、
15000部の発行でした…と。

これから、もっと読者が増えて、石川さん
お忙しくなりますが、お元気で
がんばってくださいね。

2012年5月27日

「星くず朗読会」シリーズ9


2週間後です。
ぜひ、お越しくださいませ。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

「届いてますか、言葉たち。
短歌と詩の往復書簡 東徹也・平岡淳子」

コピーライターの東徹也さんを、ゲストに
お迎えして、届くことば、届かない言葉、
言葉のおはなし、言葉のプロに訊いてみます。

日時:
2012年6月10日(日) 15:00~16:30

場所:
キッド・アイラック・アート・ホール地下
ブック・カフェ槐多
(京王線・京王井の頭線「明大前」駅 徒歩2分)
世田谷区 松原2-43-11 03-3322-5564

入場料:
2000円(飲み物・ケーキ付き)

定員20名
ご予約はコチラ→ stardustreadings@gmail.com

2012年5月25日

岡井隆さん








「茂吉再生」斎藤茂吉 生誕130年展に、
横浜の神奈川近代文学館へ。薔薇が美しくて、
アメリカ山公園、港の見える丘公園をゆっくり
歩きながら。

歌人の岡井隆さんの「斎藤茂吉とその師友たち」
というお話を聞きに行ってきました。

岡井さんが19才のときに、岡井さんのお部屋で
斎藤茂吉が昼寝をしましてね…というところから、
びっくり。そのことは、どこかで知っていましたが、
ご本人のお声で聞くと、なんだかまたあらためて
驚いてしまいます。

岡井さんのご両親ともお歌を詠まれて
いらっしゃって、ホテルなどないその頃、
ご自宅にお客様が泊まるということは、
多かったのですね。

まだまだ日本が貧しかった時代です、と
岡井さん。自宅に泊まりに来るということは、
まぁ大変ですけれど、人と人が出会って、
皮膚で感じるような出会い、そういう一瞬は、
心にずーっと残ってゆくのでしょう。

展覧会では、斎藤茂吉の絵画に感動しました。
10才の頃の画帳のスケッチ、すばらしいです。
お歌だけでなく、豊かな才能や生き方を、、
展示されたさまざまなものから、感じました。

写真は岡井さんと、歌人の石川洋一さん

2012年5月24日

内田麟太郎さん


内田麟太郎さんの詩集「しっぽとおっぽ
4冊目の少年詩集、え・うちだりんたろう。
そうなんです、表紙の絵も、詩に添えられた
たくさんの絵も、麟太郎さんが描かれています。

絵本のサインの横に、お手紙の便箋の隅に、
描いてくださる、おなじみの麟太郎さんの
絵と詩を、いっぺんに楽しめます。

短い詩、くすくすする詩、ほろほろする詩、
読み終えると、頬がふにゃふにゃになっている詩、
そのなかから、一篇をご紹介しますね。















詩集が、ぽんと一冊、手の届くところに
置いてあると、わたしはとても落ち着きます。
ぜひ、みなさんもその一冊に
「しっぽとおっぽ」をどうぞ。

2012年5月23日

宇野亜喜良さん












宇野亜喜良の全貌…わたしが生まれる前から、
すでにご活躍されていた宇野さん、そして
今に至るまでずーっと。

AQUIRAX WORLD -宇野亜喜良の全貌」展

Bunkamura」のギャラリーには、宇野さんの
昔からのお友だちもいっぱい、そして
20代、30代の女性、男性ファンもいっぱい。
ファンの年齢層が、年々ひろがっています。

宇野さん、60年代には「カルピス」の広告の
お仕事をされていたのですねぇ。その頃の
絵から、たのしむことができます。

白いシャツをまぶしく着こなされている、
宇野さんの奥様に、ひとつひとつ、絵の説明を
していただきながら、まわりました。
70年代、80年代…女性のファッションでわかります。

どの時代も、いま振り返ってみても、かっこいい。
宇野さんご自身が、いつでもかっこいいからですね。

「そろそろ、少し休ませなくちゃ」と、たくさんの
お客様に、丁寧に説明を続ける宇野さんに、
奥様のお気遣いがまた素敵。とても心地よい
オープニングの夜でした。

2012年5月22日

野見山暁治さん












昨年は「ブリジストン美術館」で、たっぷり
野見山さんの絵画をたのしみ、トークショー
でも、心からの笑顔にさせていただきました。

今回は、銀座のギャラリー「ナカジマアート
での「墨絵展」。91歳の野見山暁治さん、
会場ではずっと立たれたまま、みなさんの
質問に、丁寧に答えていらっしゃいます。

不思議に野見山さんには、何でも訊くことが
できるような、優しさ、親しみを感じます。
「この絵はいったい、野見山さんのこころの
何ですか?」

「絵の前でポーズをとると、かしこまってしまう
から、写真は自由に撮って、すきなときに、
すきなだけね」と。写真を撮っていると、
「絵を観に来たんだよね」と、またまた笑って
おっしゃったり。

こちらの緊張を、ほぐしてくださるような
話術に感動します。瑞々しい感性は、絵に
とどまらずなのですね。

2012年5月21日

味戸ケイコさん









味戸ケイコさんの銀座「スパンアートギャラリー
での展覧会。青梅にお住いの味戸さん、
一日おきに在廊されています。

東京新聞」に掲載されていた新聞連載小説、
「夢違」文章は恩田陸さん。300枚以上の原画が、
壁を埋め尽くすように飾られています。すべて
カラーの絵です。

連載期間中、毎日毎日描かれて、普段は
描かないような新鮮な絵も、恩田さんの
物語によって、引き出されて楽しかったそうです。

味戸さんの絵だけを追っていても、物語の展開が
この辺りから、明るくなるのでは、と感じる
ことができました。

味戸さんの描かれるこどもや少女は、
幼いながらに、落ち着いた視線で、しっかり
物事や風景をみつめています。落ち着きのない
自分が、恥ずかしくなるような。

来月も味戸さんの展覧会が銀座であります。
また伺いますね。