2011年6月17日

話(「ワシントン ナショナル・ギャラリー展」)

国立新美術館にて「ワシントン ナショナル・ギャラリー展」。

長期間開催されている美術展は、まだだいじょうぶと
思っているうちに、終わってしまうことがあります。
今回は、早めに…。

ワシントンは、20代の頃、母と訪ねた街で、数々の
名画をみたのも、おもいでになっています。
亡くなった母を連れていくような気持ちで行きました。

お墓参りは、いつもみんなで、ぞろぞろ行くので、
落ち着いて母のことをおもう雰囲気ではないのです。
きょうのような雨の日にひとりで、美術館に向かえば、
心の中でゆっくり会話ができるようにおもえたのです。

印象派の絵の、あふれる光は、母の優しさに重なります。
幼い頃、我が家のピアノの上には、ルノワールの複製画が
飾られていました。大きなカレンダーでのドガやモネの
絵の記憶も、こどもの頃の日々の一部です。

本を再読するときに感じるようなことが、絵にもあります。
あの頃の気持ちと、いまの気持ちがなんともいえない
それぞれの温度で、溶け合って、すてきな時をわたしに
与えてくれます。

どの絵がよかった…ということよりも、印象派の絵画の
中を歩いて、振り返る日々の美しさに、歳を重ねるのも
いいなぁと。母に誘われて、つまんなそうに
ただつきあっていたことも、あるはずなのですが…。

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